フランス書院編集部発

【2019年10月4日】

第23回フランス書院文庫官能大賞、結果発表

「第23回フランス書院官能大賞」(5月末日締切分)にご応募をいただき誠にありがとうございました。

編集部で厳正な審査をおこなった結果、下記の通り決定しました。
※ ペンネームが記載されていた場合は、ペンネームのイニシャルです

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大賞(賞金100万円)
「人妻孕ませ檻」(H.Tさん)

新人賞(賞金30万円)
該当作品なし

特別賞(賞金30万円)
「僕だけの美熟メイド ~お射精いたしましょうか~」(A.Nさん)

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■受賞作講評

大賞

「人妻孕ませ檻」(H.Tさん)

人妻と女子大生の姉妹が、暗い地下室に囚われ、狂気の凌辱者たちの手でひたすら浣腸とアナルセックス、種付け姦を繰り返されるというストーリー。
応募原稿を目にしたとき、結城彩雨先生本人からの投稿ではないかと疑ったほど、作品の雰囲気が似ていた。今回、受賞の連絡をした際、著者の方とお話する機会があったが、やはり結城先生の大ファンであった。結城先生の作品を読み尽くし、もう読むものがなくなって自分で書くことにしたという。
本作の特徴は、その容赦のない凌辱ぶりにある。一児の母である幸せな人妻と、恋人のいる清楚な女子大生を、無慈悲かつ残酷な肉刑が昼夜となく襲いかかる。妹を人質にとられ、逃げ場のない地下檻で人妻はアナルを開発され、肛門セックスで絶頂するまでに調教され、最後には自ら浣腸をねだる淫女に堕とされる。
昨今、応募作には、濡れ場よりストーリー性を重視した作品やニッチな属性のヒロインも見受けられた(凌辱者が実はイイ人だったなどの話も含まれる)。それはそれで新しさや個性かもしれないが、古くからの凌辱ファンを満足させる、ド直球の暴虐小説をずっと読みたかった。本作が久しぶりの官能大賞の受賞となったのは、編集部のそんな気持ちに応えてくれた作品だったからだ。

特別賞

『僕だけの美熟メイド ~お射精いたしましょう~』(A.Nさん)

善良で損をしがちな会社員の青年が、隣家の美熟女のトラブルを解消し、そのお礼にメイド姿でご奉仕されたり、癒しエッチをしてもらえるというお話。
本作はA4の紙で25枚程度と、過去に最終選考に残った作品の中でもっとも分量が少なかった。それでも受賞に至ったのは濡れ場がすばらしかったからだ。おもしろい話を作れる才能は大事だし、評価対象でもあるが、ポルノでいちばん大事なのは「濡れ場」を描く力だ。
誘惑小説は、誘惑するヒロイン側のセリフが鍵を握る。本作は手コキシーン一つとっても、セリフを読むだけで、淫らな水音だけでなく、匂いまで漂ってきそうだった。淫らなセリフを作り出す作者の才能とセンスは尋常ではない。
また、ただいやらしいだけでなく、ヒロインの(主人公の青年を)癒してあげたい、守ってあげたいという温かい気持ちが伝わってきた。エロさ+温かさ、があった。恐らくは著者本人の資質によるものと思われるが、ハートウォーミングな作品だったことも受賞の決め手となった。
一冊の本にするには分量が足りないため、これから大幅な加筆や改稿が必要であるが、一日でも早く読者のみなさんにこの作品をお届けしたい。
なお、今後も少ない原稿の分量であっても、濡れ場がすばらしければ受賞する可能性があることは、この場を借りてお伝えしておきたい。

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以下、惜しくも受賞を逃した作品についての講評です

「陽炎の渓谷 寝取られ妻の歪んだ情欲」(J.Kさん)

いわゆる「寝取られ」と呼ばれるジャンルの作品。妻が犯されている様子を遠隔地で強制的に見せつけられ、興奮している夫。この関係性を生んだのは、15年前のある事件がきっかけだった……。
よく官能小説を読んでいるなというしっかりした文体がまず目を引いた。SM系小説のファンなのではないかと感じた。
「寝取られ」は高度なストーリーテリング能力が必要であることは言うまでもない。本作は、構成に難があったように思う。「実は○○が××だった」というような仕掛けがいくつかあるのだが、あまり心に響いてこなかった。
男性視点にすべきところを女性視点で描いているため、「寝取られ小説」のうまみを表現しきれていないところが散見された。また、視点が適切でないため、物語に「謎」が残り、その「謎」を回収することが物語の導線になってしまっている点も気になった。
結果、官能小説とミステリー小説、どっちつかずな中途半端な出来となってしまった。本作の投稿者は「官能小説」の読者ではあるが、「寝取られ小説」の熱狂的なファンではないような気がする。

「奪われ、責められ、堕とされる」(K.Kさん)

元恩師である女教師、隣りの新妻、上司であるエリート女課長を次々と犯していく青年を描いた凌辱小説。
非常に手堅い作品で、他の作品とは完成度という意味で頭ひとつ抜きんでていたように思う。
ただ読了後、評者の印象に残っていたのは、ヒロインたちではなく、男主人公の造型だった。これが、致命的な本作の弱点だろう。凌辱者のセリフまわしではなく、女性をどれだけ淫らに、どれだけ美しく描くかについて、競ってほしい。官能小説においては、男は脇役で、限りなく黒子に近い存在である。逆説的な言辞に思われる方もいらっしゃるかもしれないが、それが官能小説の本質であるとわれわれは考えている。

「飢狼の森」(K.Hさん)

実母を離婚へと追いやった義母をずっと憎んでいた息子が、復讐のために凌辱を完遂する。その後、叔母、憧れの美術教師とつぎつぎと肉交におよんでいく、という凌辱小説。フランス書院文庫換算で300ページを超え大作ではあるが、非常に読みやすく、好感を抱いた。
ただ、本作は展開に問題を感じた。最初に義母と相姦を果たし、その後、叔母、美術教師に毒牙を剥くのだが、果たしてこの順番でよかったのだろうか。本来なら、「禁忌の重さ」からも、義母を最後の標的にするのが本筋だろう。新味を出そうと、変化球を投げたということなのだろうが、功を奏しているとはいえなかった。
これは他の投稿者にも言えるのだが、「あえて王道の展開を避ける」のはやめてほしい。もちろん、本人が一番エロいと思うものを描いて非王道展開になったのであればしょうがないが、目を惹こうとしてその構成を選んでいるのであれば、残念でならない。
官能大賞は投稿作品の評価をする場ではあるが、選者は、原稿を通じて筆者の性的嗜好と向き合っているつもりである。自分にとってのエロの「核」「ツボ」が明確であること。それこそが、遠回りかもしれないが、官能小説家になるための最善の道であろう。

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次回官能大賞の〆切は、11月末日です。
皆様のご応募、お待ちしております。

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