フランス書院文庫アンソロジー 通勤電車

狙われた七人

本販売日:2005/05/23

電子版配信日:2007/08/01

本定価:765円(税込)

電子版定価:880円(税込)

ISBN:978-4-8296-1357-3

通勤電車――男の妄想を駆りたててやまない密室空間。

標的は、手を伸ばせば届くところにいる。

悩ましい美脚、艶めかしい双臀、漂うフェロモン。

触りたい、でも……理性と欲望の狭間でせめぎ合う男が、

最後の一線を超える時、獣欲は狂おしいほどに昂っていた。

蜜猟区の罠にかけられた女たち、七人七色の痴漢物語!

登場人物

あや 女子学生

まゆみ(27歳)秘書

ゆきえ(27歳)課長

さえこ(28歳)女医

ゆい(24歳)婚約者

本編の一部を立読み

綾が顔をあげた。唇を噛んだまま、小さく顎を左右に振る。潤んだ瞳がやめて、お願い、と強く訴えかけてくる。

陽一は曲げた指で縦割れをゆっくり前後に撫でながら、同じように顎を左右に振った。

(もうやめられない、とまらないんだ)

濡れではないが、指に感じる女陰の湿り気に、我れを忘れる。今まで味わったことのない興奮が、痴漢に対する背徳感やモラルを打ち消す。たとえ今、発覚しても、指を抜くつもりはない。男を知らない美少女の女陰に触れていることが至福の時なのだ。

まわりの乗客に聞こえてしまうかもしれないのに、陽一は背中を丸め、首を前に伸ばすと、綾の耳朶に唇を押し当てるほど近づけ、囁いた。

「動くと綾ちゃんの恥ずかしい姿を見られちゃうよ。それでもいい?」

綾は激しく顎を左右に振り、ガックリと首を前に折った。綾の抵抗は、捲れあがるスカートを左手でズリさげ、少しでもパンティの露出を小さくすることだけだ。陽一の手首にはピンと張った裾が食いこんでいた。

電車は川を越える最後の鉄橋にさしかかった。残り時間はせいぜい三分、指が焦る。割れ目の湿りを愉しむ余裕はない。

中指は深く鉤状に曲がった。指先でまさぐる。芯のある女唇がクネクネとたわみ、指先は裂け目に食いこんだ。

綾は金縛りにあったように肩を震わせることもなく、全身を固くさせた。

粘膜に潜りこんだ指の腹が湿りを察した。まるで小水を漏らしたようにサラサラとした薄い濡れだ。二枚の女陰に隠され、いつもジメジメと湿っている女の証しだ。

ガラス細工の工芸品にでも触れるように軽く指の腹を押し当て、前後にユルユルと撫でまわす。浅いへこみはバージンの固い蜜口で、さすがに指の腹が触れると綾の内腿が閉じた。指を圧迫する脂肪に小刻みな震えを伝えてきた。

電車がわずかに傾く。鉄橋を抜け、都心に入る最後のカーブだと、毎日の通勤で体が覚えていた。もう残り時間は一分あるかないかだ。

陽一は最後の覚悟を決めた。曲げた指先を蜜口に当てる。その途端、内腿の震えがガクガクと大きく変わり、綾があわてて顔をあげる。頬に垂れていた髪が舞いあがり、真っ赤な頬と耳朶を露出させる。

クネクネッと蜜口に押し当てた指先をくねらせると、湿り気に粘度が増し、ジワジワと濡れが滲んできた。感じているのではない。女陰をまさぐられて自然と濡れがひろがる女の悲しい反応だ。

陽一は再び、真っ赤な耳朶に囁く。火照った頬から熱い体温が立ち昇ってくるようだ。

「濡れてきた。感じてるじゃないか」

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