フランス書院編集部発

【2014年10月1日】

「フランス書院文庫官能大賞」結果発表

「フランス書院官能大賞」(昨年5月末日締切分)に、たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
最終選考が行われ、編集部で厳正な審査をおこなった結果、下記の通り決定しました。

大賞
該当作品なし

新人賞
該当作品なし

特別賞(賞金30万円)
『美熟女瞳殺「奥までもっと入れてもいいのよ!」』Y.Mさん

■総評

Y.Mさんの『美熟女瞳殺「奥までもっと入れてもいいのよ!」』を特別賞とするにあたり、議論が紛糾した。現時点では、小説としてはあまりにも荒削りすぎたからである。だが本作には「官能小説として魅力的である」という最大の長所があり、満場一致ではなかったものの、特別賞受賞となった。
大学生が、バイト先の人妻主任、社長の奥さん、未亡人、隣家の妻と情事を交わすという筋書きは「ベタ」ではあったが、描きたいテーマがシンプルで、独自の文体もあいまって、応募作のなかでも特に印象に残った。「うまさ」よりも「インパクト」を重んじた。今後も、「うまさ」ではなく「描きたいこと」を突き詰めていって欲しい。フランス書院文庫の形でお届けしたいと考えているので、皆様の目で本作を評価していただきたい。

最終選考まで残った他2作品については、惜しくも受賞には至らないと判断した。

『美神たちの宴』(S.Tさん)

凌辱小説として、非常に完成度が高かった。地の文を書き込みすぎてしまう人、書き足りない人はたくさんいるのだが、この著者は、余計なところをそぎ落とし考え抜かれた描写をしている。
惜しいのはセリフだ。量と工夫がほしかった。ただし、やみくもにセリフを増やせばいいわけではない。ペラペラとしゃべる凌辱者は逆に興ざめしてしまう。女性のいやらしい部分を引き出せる凌辱者のセリフを作ってほしい。また、地の文ではなく、セリフや心情でテンポよく書き進める意識をもう少しもてば、より楽しめる作品になったように思える。
結城彩雨、御堂乱、夢野乱月につづく本格凌辱の書き手になれる可能性を秘めている。次作に期待したい。

『未亡人 佳奈子 三十二歳・液漏れ自慰の午後』(M.Nさん)

「孤閨をもてあます未亡人」がよく描けていた。「液漏れ自慰」のサブタイトルに負けていない。応募作の多くが男性視点である中、淫らな熟女を「女性視点」でしっかり描ける才能は貴重だ。
ただ、「武器」を一つしか見せてもらえなかった。オナニーに溺れる淫らな未亡人、これ以外の、著者の「武器」を見せてほしかった。
たしかに本賞は「枚数不問」だ。短くてもいい。だが賞を獲得するには、自分にはこれだけの多彩な武器があるというのをアピールしてほしい気もする。
本作でいえば、宅配の配達員とのセックス描写も見たかったし、佳奈子とは違う、別のタイプの熟女も読んでみたかった。

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他、最終選考には残らなかったものの、印象に残った作品を挙げておく。

『隣のバツイチママ』K.Kさん

「バツイチママ」というヒロインのチョイスにセンスを感じた。ただ、この属性を充分に膨らませることができていただろうか。たとえば、「バツイチママ」を「娘持ち」にしたり、「キャリアウーマン」にしたり、あるいは「複数人」用意したり。もっと想像力が欲しかった。

『背徳の夜つゆ』T.Iさん

官能小説というより、純文学作品という印象。フランス書院文庫はポルノ小説。弊社文庫を一度読んでいただき、想定される読者に向けて、もっとサービスしていただきたかった。

『スタジオ 新人レポーターの二ヶ月』Y.Sさん

凌辱小説としての形は整っているが、強烈な個性は感じられなかった。また、こういった「被虐もの」は男性視点だけでは描ききることは難しい。女性視点や、心の声などを用いた官能描写をもっと読みたかった。

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今回の官能大賞は、応募作品の数、質ともに、物足りなかった。年二回、五月末日の〆切になって初めての官能大賞だったということも影響したのだろうか。次回は奮起を期待したい。

最後に、一点だけ指摘しておきたい。

特に凌辱小説でよく見受けられるのが、男性視点のみで構成された作品だ。ある種の狂気が、ややもすれば執筆のエネルギーとなる凌辱ジャンルにおいて、それはけっして悪い方向性ではない。ただ女性視点や女性の心情を使えば、もっと作品に幅や厚みが出るのにと思った作品は、相当数存在した。

人気作家のほとんどは、女性視点が巧みである。毎月刊行されているフランス書院文庫を、そういった点を意識しながら読んでいただくと、創作の助けになるだろう。

次回の〆切は、11月末日。ご応募、お待ちしております。

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