第3回

 

 

「おぉ……これは……ううむ……思ってた以上に……」
 広澤が興奮した口ぶりで感嘆を漏らす。隣の永渕も目を皿にして、居間に立つ熟女の裸身を見つめる。若い二人の熱情的な視線を浴びて、人妻の肌はぞわぞわと不快に粟立っていた。
 震える身体に合わせて量感のある乳房がたぷたぷと波を打つ。出産を経験した腹はいかにも柔らかで、その下に続く太腿も悩ましい曲線を描いている。湿り気を帯びた肌は窓辺から差しこむ陽光を反射して、ラメ塗料を塗したように煌めきを散らす。それらは絶妙な塩梅で人妻の肉体を構成し、著名な裸婦像のように芸術的な官能美を湛えていた。
 一糸纏わぬ姿の賢母は、四十を超えているとは思えない──いや、四十を超えたからこそ滲みでる色香をむんむんと放っているのだ。
「こ……こんな年寄りの裸を見ても、嬉しくないでしょう」
「謙遜しないでくださいよ。しつこいようですが、息子さんに同情しますよ。こんな我儘な身体で……しかもあんな薄着で家の中うろつかれちゃ、ち×ぽが勃起して当然です」
 広澤が「なあ、永渕?」と言うと、大柄な男は鼻を膨らませて頷く。紅潮した顔は淫欲に憑かれた獣のソレで、たまらず悲鳴をあげそうになる。
「何かするなら早くしてください……息子もいるの。お願い……」
「判ってますよ。俺たちも末永く奥さんと乳繰り合いたいですからねえ。派手な行動は慎んで、サクッと進めていきましょう。──永渕」
「ああ。じゃあ手始めに、俺たちに謝罪してもらおうか。ここで土下座をしな」
「……え? ど、土下座って……そんな」
「奥さん、いちいち迷ってたら終わりませんよ。逆に言えば、指示にさえ従えば問題が起きないよう協力しますから。それとも息子さんを犯罪者にしたいですか?」
 何度も繰り返されてきた脅迫の文言に息が詰まる。だが男の言う通りだ。土下座する程度で紘太の未来が守られるのなら、母親として迷ってはいけない。紫帆は床に膝を、そして両手をついた。
「ひ……広澤様、永渕様……こ、このたびは私の息子が、大変なご迷惑をおかけしたことを……母である私……神原紫帆が、謝罪をさせていただきます……こ、心からお詫びいたします。本当に申し訳ございませんでした……」
 震える声で謝罪し、紫帆は深々と首を垂れた。豊満な乳房が潰れて歪み、長い黒髪が放射状に拡がった。艶めいた巨大な尻の果実に牡の視線が這う。
(見られてる……私は今……息子の同級生に、全裸で土下座を……)
 狂った状況を認識するほどに眩暈がした。このまま失神してしまえればどれほど幸せだろう。意識が霞むような恥辱に双臀がぷるぷると震えていた。
「ああ、たまらない光景だな。顔と手はそのまま、尻だけ掲げてください。クソ穴の奥まで観察して、ち×ぽのハメ穴としての価値を見定めてあげます。無価値だと判断したら息子さんのこと警察に言いますからね」
「だから精一杯俺たちに媚びろよ。紘太のことを思うなら、な?」
「……はい」
 熟母は情けなさと虚しさに鼻を啜り、脚を少し拡げて、言われた通りに尻房をくッと掲げる。高く突きあげられた肉塊の存在感に男たちも息を呑んだ。
「ケツ穴もま×こもバッチリ見えてますよ。ケツの手入れもできてますね。ヒクヒクしてて実に可愛らしいなあ。だけどま×この方は下品だ。陰毛がぼーぼーに生えてるじゃないですか」
「小便と汗の匂いがマン毛の中で蒸れちまってるぞ。ああ、臭いな。綺麗な顔してるのに、ま×この匂いは最悪だ。嗅ぐだけで頭がくらくらしてくる」
(う、うう……だったら先にシャワーを浴びさせてくれればいいのに……)
 屈んだ男らは股に顔を寄せて好き勝手な雑言を浴びせてくる。熱い息が女の茂みをふわりと靡かせ、会陰を撫でて蒸れた腸穴をくすぐる。呼気を浴びた菊座はヒクッと窄まって、その品のない皺の蠢きがより彼らを悦ばせた。羞恥に悶える人妻は汗をびっしょりと浮かせ、それが裸身に淫靡な艶を与えている。
「だが形は良いな。経産婦ま×こにしては上出来だぞ」
「ま×こは今のところ乾いてますね。でも毎日調教してあげますからね。そのうちマゾに目覚めて、土下座するだけでイク身体になりますよ。奥さんが変態牝になるのが楽しみだな」
「そ、そんな……私は変態になんて……ねえ、もういいでしょう」
「ふふ、早くセックスしたくてたまりませんか? なら謝罪のために身体で償いたいと言って、ち×ぽをハメてほしいと懇願してください。できますよね?」
 もう紫帆に拒否権はなく、惑うだけの余裕もない。土下座で股間の二穴を覗きこまれる時間はあまりに辛かった。息子もすぐ近くにいるのだ。羞恥は捨てるべきに思えた。
(今の私に人権なんてないわ……やるしか、ない……)
 何度も唾を飲み、息を吸って呼吸を整える。喉元に何かが閊えるような息苦しさが満足に拭えないまま、人妻は震え上擦った声で懸命に言葉を紡いだ。
「……か、身体で償わせてください……手入れの行き届いていないうえに、使い古した性器では、ございますが……ご満足いただけるよう努力しますから……わ、私の中に……お、おちん×んを挿れてください……」
「くく……良いですね。でもまだ上品ぶってますよ。ま×こ、ち×ぽ。挿れるじゃなくてハメる。奴隷らしく下品に振る舞うんですよ。判りますね?」
「もう一度だ。限界までケツを掲げて、両手で割れ目を開いて、視線を俺たちに寄越して懇願しろ。ケツを振ってアピールするのも忘れるな。次はないぞ」
「はぁ、あ……ああ、そんな……」
 土下座より顔を上げる抵抗の方がずっと強くなっていた。しかし、やるしかないのだ。既に何度も言い聞かせた言葉を胸の内で繰り返し、紫帆は再び尻を高々と差しだす。そして両手で股の割れ目をぐっと開帳して──羞恥に塗れた顔を、背後の男らへ向けた。
「お……お願いしますっ……ここに……紫帆のおま、おま×こに……お二人のお……お、おち×ぽをハメてください……ど、どうかお願いいたしますッ……」
「若いち×ぽを年増のま×こにハメてくださいと言え」
「う、う……若いち×ぽを……年増のま×こにハメてください……はぁ、ああ……哀れな奴隷の紫帆にお情けをくださいッ!」
 汗だくの媚尻を左右に躍らせ、恥辱に震える人妻は精一杯の叫びをあげて牡たちに請う。清楚な女の淫舞に二人も満悦の様子だ。口角を吊りあげ、品のない感情を隠そうともせず唇を舐める。
「良いねぇ。今のはち×ぽにグッときたぜ。やればできるじゃないか」
「恵んであげますよ。欲求不満の奥さんが欲しがってるコイツをね」
 二人がズボンを脱ぎ捨てる。現れた逸物に「ひッ」と短く悲鳴が漏れた。浅黒い男根は双方ともに長く、太い。何より若者特有の反り返り──張った裏筋が切れるのではと心配になるほどの勃起に戦慄する。
(卓斗さんのモノよりずっと……これを今から二本も……?)
 生娘でもなく、出産を経験した四十過ぎの女だ。今更ペニスを見て狼狽するなど馬鹿げているとは思うが、実物の──それも規格外の剛直を目の当たりにすると、犯される実感が湧いて恐ろしくなった。
「四つん這いの状態でいてください。まずは前戯をしてあげますよ。永渕のテクは中々凄いですからね。本番前にイキまくって力尽きないでくださいよ?」
「ほら、ケツを上げなおしな。産まれたての小鹿みたいにしてやる」
「ああ……や、優しくして……酷いこと、しないで」
「はは、緊張しなくても大丈夫ですよ。ささ、俺のち×ぽの匂いでも嗅いでリラックスしてください。昨日風呂入っていないのでね。濃厚ですよ」
 広澤は紫帆の前であぐらを掻くと、女の頭をぐっと自分に寄せた。不自由な体勢の人妻は男の股間へ顔を埋める羽目になる。頬に太い剛棒が触れた。
(あ、ああ、硬くて熱い……それになんて匂いなの)
 生々しい香りが鼻の粘膜を犯すようだ。男は慈しむように紫帆の黒髪を梳きながら肉棒を脈打たせ、穂先で上唇を捲ってくる。顔が歪み、皺を刻んだ眉間が熱を帯びた。
「いきなり咥えろとは言いませんよ。まずは鼻をヒクつかせて、匂いを嗅ぎ続けてください。準備ができ次第、ち×ぽをハメてあげます」
「その間、俺があんたを良くしてやる。へへ、人妻の熟れマンはどんな味かな」
「あっ……!」
 永渕の顔が再び秘唇に近づく。男の気配を間近に感じて反射的に腰を引くも、前後の二人は紫帆が逃げることを許さない。
 ざらついた肉帯がねろりと太腿の付け根を這った。生温かい感触に怖気が広がって、腰がピクッと上下に跳ねる。
(始まった……心を無にするのよ……何も考えず、ひたすら耐え忍ぶのっ……)
「ほら奥さん。あなたのま×こを幸せにしてくれるち×ぽですよ。永渕の舌遣いを俺に伝えるつもりで熱っぽく舐めてください。良いですね?」
「……は、はい……んれろ、ちゅっ……んむ、ん……」
 女は長い睫毛を伏せ、雄々しい肉幹へちろりと舌を這わせる。硬い肉柱に触れた部分が濃厚な牡味に痺れた。シャワーを浴びてから行為に及ぶ夫のモノとはまるで違う。眩暈がするほどの生々しい獣の味であった。
 だが獣臭を漂わせるのは紫帆の股座も同じである。少年の呼気で靡く茂った繊毛からは、男の欲望を焚きつける卑猥な牝香がむんと立ち昇っていた。
「へへ、何度嗅いでも酷い匂いだな。汗と小便がウネッたマン毛に絡みついてやがる。マンカスもついてるじゃないか、ええ? 汚ぇなあ。こんなに不潔なま×こじゃ、ち×ぽも萎えちまうよ」
「く、ふぅ……んんん……あ、ううッ……言わ、ないでぇ……」
「ふふ、冗談だよ。臭いって言っても牝臭いって意味だ。褒めてるんだよ。清楚なナリして、ま×こが臭いってのがたまらなく興奮するんだ。奥さんも広澤の臭いち×ぽ嗅いで興奮してるんだろ。ま×こがヒクッ、ヒクッていやらしく動いてるぞ? おお、ま×こだけじゃないな。ケツ穴もピクピクしてら」
 男は太い親指を陰唇の縁に食いこませ、肉の暖簾をくぱぁと拡げて牝の祠を覗く。男の下劣な囁きが媚粘膜を震わせ、粘ついた視線が深い肉襞をねっとりと舐めた。臭い臭いと言うなら顔を近づけなければいいのに──息子と同じ年頃の少年に嬲られる恥辱に、頭から煙がぷすぷすと立ち昇る心地がした。
「はう……ッ」
 開いた肉びらの内側を舌先になぞられ、整った鼻先がピクリと跳ねる。少年はくすぐるように舌を遣い、不潔だと罵った割れ目へ熱心に舌を這わせてくる。
 肉唇を優しく啄み、ちゅっちゅっと軽い接吻を繰り返しながら、ひし形を描くように女陰へ舌を這わせる。熟した花弁は舌愛撫でふわりと綻び、性のむず痒さに紫帆の腰はくねくねと小さく悶えた。
(や、だ……この子、慣れてる……お、女の責め方を知っているわ……)
「はぁ……はぅ、んッ……んはぁ、はぁ……あ……ンッ」
 唾液を纏った舌がちろりと膣孔を擦り、たまらず声が弾む。舌先が肉芽の周囲を舐めると緊張に肌が張り詰めた。だが少年は急いで陰核を責めたりはしない。鋭い刺激に身構える熟母を嘲笑うかのように、寸前の加減で急所を外して女体を疼かせ、甘く蕩けるような官能の世界へと誘ってくるのだ。
「う、く……んあっ……はぁ、ああ……はく、んん……」
「ふふ、相変わらず永渕の舌捌きは女殺しだな。奥さんもたまらないでしょう。デカい尻をくねくねと躍らせて……全く、始まって十分も経ってないのに酷い淫乱ですね。永渕、どうなんだ。奥さんのま×この味は」
「見た目と匂い通りの味だよ。汗と小便とま×この汚ぇカスが混じって……くくっ、酸っぱい乳酸飲料って感じだ。それも消費期限を過ぎた、腐りかけのな。舌が痺れて、胃液が逆流しそうだよ」
「はぁ、はぁっ……や、ぁ……言わないで……ンンッ!」
 尖った舌先が膣壁を器用に押しあげ、紫帆は青筋の浮いた首を悩ましく反らす。ぬめった舌が本格的な往復を始めた。同時に男の鼻は尻の谷間に宛がわれ、蒸れた肛門の匂いを嗅がれる羞恥まで与えてくる。白い雪肌は一気に官能の火照りを増していた。
(だめよ……こんな若い子に良いように弄ばれちゃだめっ……)
 だが股で奏でられる水音は少しずつ粘り気を増していた。潜行する長い舌は膣壁に生えた肉粒を擦りあげ、肉が蕩けるような快美感を絶えず送りこむ。そこに苦痛は微塵もなかった。ただ純然とした甘い愉悦が下腹部を燃やし、美人妻の呼気を熱っぽく変えていく。
「奥さんのいやらしい息遣いがち×ぽを撫でて……おほ、良い具合ですよ……さあ、フェラも再開して。俺もこっちを可愛がってあげましょう」
「ああ、ンッ……だめッ……おっぱいも同時になんて……ああんッ」
 女のサクランボを太い指が捏ねてくる。鋭い喜悦が首裏を灼き、視界にチカッと光が飛んだ。淑女はハッと視線を胸元に遣る。哀しいことに──垂れ感のあった肉房は空気を入れたように膨張し、先端は卑しくも勃起していた。
 柔房に沈む五指が蠢き、多幸感がぼうっと口元を緩ませる。懸命に性反応を抑えこもうと唇を噛むも、乳頭を掻かれると総身がビクッと跳ねてしまう。頂上部から奔る肉悦は膣の緊張を強め、女の甘露がじゅわっと滲む。薄く白濁した蜜液は舌の滑りを良くして、肉壺から奏でられる蜜音をより淫靡な響きに変える。
(こん、な……なんて酷い女なの、私は……嬲られて、感じるなんて)
 少しでも気を逸らそうと、カスに塗れたペニスをねろねろと舐める。
 しかし逆効果だった。不潔な他人棒を舐めれば嫌悪感で吐き気を催す──そう思っていたのに、舌腹から鼻先に抜ける牡の風味が、腹の底をざわざわと疼かせてくるのだ。
「はぁ、あ、ンッ……んく、ふっ……ん、んんっ……」
「こらこら、声を我慢しちゃだめですよ。もっと喘ぎまくってくださいよ。清楚な奥さんが下品に乱れる姿を見たいんだ。──ほら、永渕。手伝ってやれよ」
「へへ、了解。それじゃあ奥さん、早速で悪いが啼いてもらうよ」
「な、啼くなんて無理です……私エッチな声なんて出せま──ああんッ!」
 股の中央から肉の悦びが突き抜け、紫帆は艶っぽい牝啼きを響かせた。肉壺から抜かれた舌先が肉芽を弾いたのだ。勃起を済ませた剥き身が転がされ、視界にチカチカと光彩が散る。
「や、ぁッ……ま、待ってくださ、あっ、あんっ! ちょ、ちょっと待って! いきなり激っ……ああんッ! んはぁっ、はひっ、ひぁああッ!」
「ふふ、いい声で啼くじゃないですか。その調子ですよ。……さて、そろそろ俺の方も本格的に始めていきましょうか。ち×ぽも我慢の限界ですし。さ、咥えてください。射精するまでち×ぽをしゃぶり続けて。いいですね?」
「ああ、こんな状態でフェラチオなんて……ちゅっ、んれろ……」
 しかし命令に逆らう権利はない。裏筋にねっとりと舌を這わせ、涎の艶を纏う唇で幹を覆っていく。夫以外のモノを咥える罪悪感が、陰核から奔る凄まじい快感と混じり、女の思考をより混濁させていく。
(ごめんなさい、卓斗さん……でも、これしか道はないのよ……)
「ふぅっ、ふむっ……んっ、じゅるっ、ちゅっ……」
「おお、流石は人妻ですねえ。なんて熱っぽいフェラチオだ」
 広澤の恍惚とした声が鼓膜を震わせる。男の太い指は相変わらず乳房を捏ねつつ、空いた方の手で女の髪を梳いていた。まるで犬の扱いだが屈辱を抱く余裕もない。今も永渕の口淫は続いており、悦電流を脳天へ送り続けているのだ。
(う、ううッ……なんて舐め方を……こんなの続けられたら私ッ……)
「ぷはぁっ、はーッ……ね、ねえ、お願い! 今は止めて……あ、ああんっ! クンニリングスされながらじゃ、できないわッ。無理よ、こんな!」
「射精したらクンニも終わりにしますよ。まあ逆に、イッてもイッてもザーメン出るまでは続きますけどね」
「そんなっ、あっ、あんっ! ちょ、永渕、くっ……あっ、あんッ!」
 舌捌きが更に激しさを増す。咥えなおすこともできず、紫帆はペニスに頬を触れさせた状態で悶えた。
 張った両脚が強烈な引き攣りを起こす。頭の芯が熱く痺れ始めた。内側で何かが限界まで膨れあがる感覚に、熟母は汗だくの美貌を左右に振り乱す。
「あ、あああっ! だ、だめぇッ! な、永渕くん、もうよして! それ以上はだめなのっ! ああん、きちゃうっ! 恥を掻かせないでぇッ!」
「奥さんはイク寸前でも可愛いこと言うんですねえ。でもさっき言った通りですよ。俺が射精するまで延々と続きます。さあ、早く咥えてはどうです?」
「はぁ、はひっ……ああ……んぁあっ、あぁっ、ふぐ、ひぃっ……」
 奥歯がガチガチと震える。舌を出し、肉棒を咥えようと顔を寄せなおす。だが下半身の震えが全身に伝播して位置が定まらない。舌から涎を垂らし、必死の形相でペニスを求めるさまは、傍から見れば発情しきった淫乱牝だ。しかし取り繕うことはできない。女の芯から込みあげる痺れが限界に達した。
「ん、ぐ……ンンぅうう──ッ!」
 肉豆がひと際強く弾かれた瞬間、噴きあがる歓喜の奔流が女を呑んだ。雷のごとき肉悦の電流が四肢を駆け巡り、総身の産毛をぞわぁッと逆立たせる。肩が跳ね、濡れた艶髪が宙を舞い、汗みどろの尻臀が上下に躍り狂った。
「はぁっ、あっ……あひ、く……んは、ひぃっ……」
 愕然と天井を仰ぎ、唾の浮いた唇をパクパクと開閉させる。オーガズムの火花が咲いては散ってを繰り返し、涙で滲む視界を極彩色で埋め尽くしていた。恍惚とした感情が全身を覆う。だが絶頂に酔う暇はなかった。
「ひぐッ……んはぁ、ああんっ! な、永渕くんやめて! あっ、あっ、私、い、今イッたばかりで、あんっ! び、敏感になってるのよッ」
 宣言通り、永渕は間を置かずに肉豆を転がしてくる。充血しきった勃起肉の感度は凄まじく、一撫でごとに脳芯が灼け、筋肉が不規則に痙攣した。
(こんなの、あと何分も続けていられない! は、早く終わらせ、ないと)
 ぐらぐらと揺れる視界に剛棒を映す。紫帆は再び舌をでろんと伸ばし、ピンと屹立した肉柱を一息に咥えなおした。
「はむぅっ、んふっ、むふっ……じゅるっ、んれろ、じゅるるっ」
 懸命に肉棒を舐めしゃぶった。股座から送りこまれる愉悦に肩がピクピクと跳ね、目尻からは涙が伝う。その姿は牝悦に感涙を零して口淫に没頭する淫婦にしか映らなかった。
(は、早く出してっ! もう耐えられない……ああっ、イクッ! イクッ!)
「ぐ、おおっ……出る! 出しますよ! 喉奥まで使って咥えこんでッ!」
「んぎゅっ、おぐっ……ンぅううう──ッ!」
 穂先が口裏を滑り、そのまま喉粘膜をゴリュッと抉る。股先から性悦が噴きあがると同時に、膨張しきった牡棒が爆発した。
(出て、るっ……わ、私……イキながら口に精液を注がれて、る……)
 灼熱の牡欲が粘膜を犯し尽くす。口に射精されるなど最悪の心地だ。しかし甘美なオーガズムの波が、その不快感さえもどこかへ攫ってしまう。
「ふふ、一丁あがり──っと。夢見心地だろ、奥さん?」
「ン、ふッ……」
 永渕がピンと陰核を弾く。その軽い刺激だけで強烈な浮遊感に見舞われ、反射的に精液をごくりと嚥下する。口腔へ挿入されたままの剛直を喉がきゅっと締めあげた。その蠢きは女性器と何ら遜色ないものであった。
「抜きますけど、吐いちゃだめですよ? 全部飲むこと。いいですね?」
 広澤の声に紫帆は睫毛を伏せる。男が腰を引くと、勃起を維持する肉茎が唇を捲って跳ねた。鈴口から散る牡の飛沫が女の赤らんだ顔を濡らす。
(ほとんど飲んじゃった……精液を飲んだことなんてないのに……)
 残った汁も唾液で薄め、喉に絡みつくゼラチン質の液体を胃に送る。前後の男たちが離れても紫帆はその場から満足に動けない。開ききった花唇から溢れる牝蜜が、一層の艶を帯びた双臀の波打ちに合わせて揺れていた。
「まずは口に一発目。放心状態になるのは早いぞ。今のは軽い前戯、お遊びだ。本番はここからだよ。奥さんもクリを弄られるだけじゃ寂しいだろ?」
「お、お願いします……少しだけでいいから、休ませて……」
「ああ、奥さんはゆっくり休んでな。勝手に使わせてもらうからさ」
「そんな……待っ、ああんッ」
 背後で膝立ちになった永渕が肉棒を割れ目に添えた。愛蜜に濡れた花びらは淫熱に反応してふわりと開き、意思に反して包むように凌辱棒を舐める。少年が腰を遣ると、性器同士の接吻にくちくちと淫靡な水音が鳴った。
(あ、ああ……これが今から私の中に……私は母親で、人の妻なのに……平日の昼間から、息子と同じ歳の子たちに犯されるなんて)
 精液臭い唾をごくりと飲み、汗だくの手で床に敷いたラグを握りしめる。自分の行く末を想像すると恐ろしく、一方で愉悦の期待も下腹部で渦を巻くのだから哀しい。
「はぁ、はぁ……お願いだからそうっと……ゆっくり、優しくして……」
「安心しな。痛めつけたいわけじゃない。ただ気持ちよくしてやるだけだ。だが……なあ、奥さん。ち×ぽをハメてもらえて嬉しいのは判るけどよ、惚けてる場合じゃないぞ?」
「ふふ、奥さん。このままだと生のち×ぽが入っちゃいますよ?」
「え……あっ! だ、だめッ! ゴム……コンドームを嵌めて!」
「ならお願いしてください。文言はそうですね……こういうのはどうです?」
 広澤がコソコソと耳打ちしてくる。卑猥な台詞に耳朶まで紅潮させるも、拒絶を選ぶことはできない。舌で昇り詰め、口に精を吐かれた後で惑っても仕方なかった。紫帆は今一度唾を飲みこみ、荒ぶる息遣いを懸命に整えて言った。
「……お、お願いします。淫乱妻の紫帆は舌だけでは満足できません……ど、どうか、夫のモノよりずっと太くて長い……あ、あぁ……その若い牡ち×ぽで、欲求不満のマゾ人妻に、お情けをください……」
 下品な言葉を口にし終えた瞬間、得体の知れない感情がぶるりと女芯を震わせる。貞淑妻にはその正体が判らない。被虐の興奮を理解するには、まだ牝奴隷としての経験が浅すぎていた。
「悪くないな。だが、まだだ。ま×こを両手で拡げろ。間違ってクソする方の穴にハメられても困るだろ? ほら、挿れる前にもう一度懇願しろ」
「あ、う……お願いします。紫帆のおま×こに……い、淫乱妻の、欲求不満おま×こに……ここに、ハメてください」
 顔を伏せ、細い指で肉唇をくぱぁと拡げる。花園の奥に隠れている祠は慎みを忘れて蠢き、強烈な牝臭を漂わせて男を誘う。濃厚なフェロモンは牡欲を焚きつけるには充分だ。ゴムを纏わせた永渕のペニスが脈を刻んだ。
「ほら、ちゃんと避妊具を着けたぞ。コイツを今からブチこんでやるからな」
 口角に涎を浮かせ、少年は誇示するように肉幹で尻房を叩く。紫帆は返事もできずラグを握りしめ、息を詰めて身を強張らせる。穂先が恥裂に添えられた。亀頭が肉のフリルを捲り、人妻の聖道にぬぷりと押し入った。
(こ、堪えるのよ……せめて反応を抑えて……が、我慢す──)
「あああああんッ!」
 だが全ては虚しい努力だった。肉塊が花弁を割り開き、一息に秘奥へと達すると、強烈な性の衝撃に女は歓喜の悲鳴をあげていた。
「はぁ、あ……ひっ……こん、な……あ、ああ、あ……」
 蛇腹を描いていた膣が挿入で真っ直ぐな筒状へと変わる。絶頂で降りていた子宮は何センチも持ちあげられて、輪状の入り口は亀頭に押されて歪む。涎の浮いた口は満足に呼吸もできず、ひゅっひゅッと掠れた空気を漏らしていた。
(し、知らない……挿入されて、こんなに息苦しくなるなんて……)
 骨も筋肉も関節も、怒張からの圧迫を受けて全身が軋むようだ。ぐずぐずに解れた媚肉は細かく痙攣を繰り返す。今まで感じてきたあらゆる快感を凌駕する性電流が、ただ一突きで全身を駆け巡る。
「おお……なんて名器だよ。たっぷり前戯してやった成果が出てるな……ふふ、もうイッてるだろ、奥さん。だけど俺はここからだ。なあに、自慢じゃないが早漏でね。すぐに終わるから安心しな。……そらっ、始めるぞ!」
「あっ、待っ、あんっ! ひぐ、ンンぅッ!」
 馬を操るように男が腰を遣り始める。その動きはどちらかと言えば単調だが、尻臀が衝撃で波打つたびに歓悦が指の先にまで広がった。
(が、我慢するのっ、我慢よっ! こ、こんな歳の離れた子に、良いように啼かされてはだめッ……あ、ううッ……だめ、なのにぃ……)
 ゴム越しでも判るほどの肉エラが、幾重にも連なる襞をずるりと捲り、膀胱が決壊しかねない愉悦をもたらす。秘奥を穿たれると全身の筋肉がぎゅっと強張り、息が詰まって視界に光が散る。前後運動はそれぞれ種類の異なる愉悦を交互に生んで、それは一つの大波となって人妻を襲い、熟した身体を悶えさせた。
「はーッ、はひ、ンぁッ……ああっ、あんっ、あっ、あんッ」
「はは、良い光景ですよ。四十を超えた人妻が十代の男に犯されて喘ぎ散らす……若いち×ぽの味はどうですか? 旦那さんよりずっと良いでしょう?」
「そんなことありませッ……ンンッ! 夫の方、がぁ、ああんっ! はーっ、はーっ……こんな乱暴なセックスで感じるはずがっ、あっ、あんっ!」
「強がるなよ。マン肉がち×ぽを締め続けてきてるぞ? 子宮もこんなに降りて……ほうら、ここだろ? ち×ぽとま×こがキスしてる場所はよ」
 永渕の太い指が下腹部を撫でる。熱い掌に汗だくの肌が吸いつき、毛穴に牡欲が染みる。外側から圧迫されるだけで子宮の底がじんじんと痺れた。感じてはならない──そう思っても、膣はキュンキュンッと肉茎を締めつけ、子宮口は自ら穂先に吸いつく始末だった。
「あぁっ、ああんっ! はぁ、はぁっ、あっ、あんっ、あんっ」
(私ったらなんて声を出して……でもだめっ……我慢ができないッ! あああん、硬いのが奥までズンズンきて……気持ちいいのが、溢れてきてっ……)
 男が覆い被さってくる。頑強な身体が背中に密着して、牝の本能が刺激されてか鼓動は弾みを増す。少年の荒々しい鼻息が首筋と耳朶の間を抜けると、自分が人である前に動物であることを強く実感した。
「まるで獣ですね。四つん這いでセックスなんて四十を過ぎた女のやることじゃないですよ。しかも、子供も旦那もいるっていうのにねえ?」
「い、言わないでッ……私だってこんな……ああ嫌っ、嫌なんですッ」
「正直になりなって。犬みたいにち×ぽとま×こ擦りつけるの大好きだろ? あんたみたいな清楚ぶった女ほど下品なセックスに嵌まるのさ。ほら──素直になれよ紫帆。涎塗れのま×こ穿り回されて幸せになってるんだろう?」
「そんなこと……はぁんっ、あっ、ああンッ!」
 永渕の両手が乳房を歪ませてくる。指と指の間に挟まれた乳首がくにくにと転がされると、それに合わせて人妻の艶髪も汗を散らして舞い躍った。
 喘ぐ呼気が酷く切羽詰まったものに変わる。吸着する肉壺を怒張で引き剥がされ、捏ね潰されるたび、頭が真っ白になる。女の部分を蹂躙される悦びを押し留められない。性の摩擦で血肉が煮え立ち、思考が沸騰するようだ。
(もう、だめぇ……ああ、くるッ! イッちゃう!)
 筋を浮かせた太腿の付け根が強張ったまま戻らない。全身の筋肉──いや、細胞の一片一片までもが、頂へと昇る一瞬に備えて張り詰めた。
「ま×こが痙攣したまま戻らなくなったな……派手にイキそうなんだろう。ふふ、イクときはイクと叫ぶんだぞ? その方が盛りあがるからな」
「そん、なぁっ……はぁ、ひぃ……あ、あんまりよ、許して……ッ」
「だめだ。言わないと娘と旦那にも、エロビデオの件と一緒に全部ばらしてやる。それが嫌なら言え。そうだな──淫乱の紫帆は夫ではない他人のち×ぽでイキますと言え! 良いなッ?」
 男は唾と一緒に獰猛な言葉を吐きながら、人妻の豊満な尻房をクッション代わりにして暴力的な抽送に及ぶ。律動の衝撃が股座から脊椎を駆け抜け、頭蓋骨までをビリリと震わせた。深い皺を刻んだ眉間の奥がカァッと灼け痺れる。
「ンはぁっ、はーッ! い、言うわっ、言うから終わらせてッ! イ、イキます! 紫帆は夫ではない人のおち×ぽでイキますッ! イ、イクッ──イクぅうううううう!」
 灼光が螺旋を描いて噴きあがった。理性も思考も攫う愉悦の奔流に女はカッと目を見開き、喉を反らして牝獣の咆哮を放つ。
「う、おおおっ……この、締めつけッ! 出るッ! 出すぞ紫帆ッ!」
「はぁ、あっ……ひンッ」
 オーガズムに溺れる紫帆の中で、穂先が子宮口をゴリュッと抉り、その勢いのままに雄々しい脈を刻んだ。どぷっ、どぷどぷッ……激しい吐精の脈動が全身に波及するかのように、四肢がピクピクと痙攣を起こした。
「ふーっ……一発目完了、と……最高だったよ、紫帆さん。ほら、こっち向いて。可愛いアヘ顔を見せてくれよ。──っと、隙だらけの唇いただき」
「ンンッ! んむぅっ、んふっ、んぅッ……!」
 思考も顔も惚けた中では、男の目論見まで頭が回らなかった。顔を後ろに向けた瞬間に厚い唇が重なってくる。振り払おうにも力が全く入らない。勃起したままの肉棒で秘奥をぐりぐりと穿られ、太い指に張り詰めた乳房を揉まれると、嫌でも口が開いて舌が触れ合う。
(や、ぁ……舌が入って……あなた……ごめん、なさっ……)
 複雑に蠢く舌が蕩けるような心地を与えてくる。ぼうっと弛緩しきった瞳を元に戻せない。男は乳首を抓みながら、顎に垂れる涎を掬い、熱っぽく唇を吸ってくる。この少年が何度も女の頂へ導いてくれた──身体はそんな風に思っているのか、紫帆も男の口吸いへ応じてしまう。
「たまらねえ。人妻とのセックスがこんなに燃えるとはなぁ。滾りが鎮まらないぞ。へへ、こりゃ何発でも出せそうだ」
「た、たくさん出したでしょう……もうこれ以上は」
「何を言ってるんです。まだ俺たちは一度射精しただけですよ。それに何より、俺にもま×この使い心地を確かめさせてくれないとね」
「あ……あ、ああ……」
 ニタニタと粘着質な笑みを浮かべ、広澤が肉棒を向けてくる。既に水色のゴムを纏ったそれは──たまらず身震いが起きるほどに、猛々しく弧を描いていた。

 

(第4回は4月24日配信予定)