本販売日:2026/09/18
電子版配信日:2026/10/02
本定価:935円(税込)
電子版定価:935円(税込)
ISBN:978-4-8296-4897-1
「煙草吸ってる? キスすればわかるよ」
不意打ちで奪われた、甘く優しい僕の初キス。
190cm、Kカップのヤニ吸いイケメンおねえさん。
自堕落な寿音さんによる怒濤の甘やかし攻勢。
風呂上がり、布団の中で抱き着いて繋がったまま、
底なしの愛撫に身も心もトロトロに溶けていく!
第一章 隣人は長身デカパイのヤニカスおねえさん
第二章 寿音さんにエスコートされて夜を嗜む
第三章 天から垂らされた救済のヒモ契約
第四章 いつでもしてくれる彼女とヒモ彼氏の朝帰り
第五章 ヤニ吸う寿音さんの緒に繋がれて安眠
第六章 就寝前のエピローグ 密着したまま抱き合って
本編の一部を立読み
第一章 隣人は長身デカパイのヤニカスおねえさん
ふと立ち止まり、二階のベランダを見上げた。
寝る為だけに帰って来た住処、マンションの入り口を前にして僕は立ち止まっていた。ベランダから覗く光に固められてしまったのだ。
誘導灯に惹かれる虫じゃあないけど、何故かその光に目を奪われている。
凝視して、ようやく理解。僕をその場に繋ぎとめたのは光じゃなくて、光を背にして立つ影だ。
「……人」
明かりがついているのは一部屋だけ。
自分の住む部屋から見て、ちょうどお隣。誰かが住んでいるなんて気にも留めていなかった。思い返せば新居に越すやすぐ激動の連勤で、まともに自宅で落ち着くこともなかったのだから無理もない。
シャワーを浴びて、無理にお酒を飲んで、泥のように眠って朝を迎えてすぐに出社。隣人が何者かなんて、今更目にしたからってどうにもなるはずが……。
「!」
隣人の存在に気付いた僕の次の行動、それは目を背けること。
そして急いでマンションの中に入り、見下ろす視線から逃げること。
「……嘘、なんで? ……え、正気?」
疲労で幻覚でも見たのだろうか、けれど珍しく昨夜は十分に睡眠を取った。アルコールもカフェインも、欠片すら残らず消えているはずだ。
ならば、光の中に見たソレは、正気の景色で間違いないのだろう。
ベランダの柵によりかかり、煙草を吸う美しい女性の姿を僕は見た。艶やかだった。だって、服を着ていなかったから。
逆光でぼやけた像でも、そこにあるべき布地が無いことは理解できた。
「いや、ダメだ……忘れよう。あれは、事故だ。僕も忘れなきゃ」
駆け足で階段を越えて部屋の前に着く。
鍵を取り出し、急いで部屋に入ろうとした。手間取っていた。
はたから見れば空き巣も同然、お巡りさんが見れば職業を聞かれるのは間違いない。だけど、声をかけてきたのは、ほんのり良い香りのする女性。
僕が今しがた、胸を見てしまった女性その人だった。
「おい、お隣くん……君、君だよ。ちょっといいかい」
「?」
「ふひひ、頼みたいことがあってさ~……おねえさん美人だし、美人の頼み事って色々役得だからさ~、聞いて欲しいな~……駄目?」
「だ、駄目ですごめんなさい失礼しますッ!」
重い扉を無理に閉めて、玄関内で突っ伏して息を吐く。息を呑むほど綺麗な女性に話しかけられてしまった。美人だった。言葉の通り、否定しようがない美人過ぎる美人だった。
……何者ッ!?
隣人、名も知らない女性。
咥え煙草が様になる、ダウナー系とでも言うべき雰囲気の異性。
身長は高く、一九〇センチはあるだろう立派な背丈は否が応でも見上げてしまう。そして、見上げた視線を遮るようにそのふくらみは異質なほどに存在感を放っていた。
女性は、すばらしく豊かなものをお持ちであった。
でも、ここまではいい。
ここまではまだ許容できる範囲なのだ。問題なのは……。
「どうして、何も着てないの?」
玄関マットの上で膝をついて項垂れる。
隣人が長身美女で、お胸がとっても大きくて、そしてトップレスの姿のまま部屋の外に出てくる豪胆な肝の持ち主だということ。
頭を抱えて下を向くには十分すぎる情報量だ。本来、今の僕は会社を辞めて途方に暮れていることに悩んでいたはずなのに、そんな自分はどこに行ったのやら。
「あぁ……ああぁッ」
頭を抱える。もう悩むことができない。悶々とすることしかできなくなった。
大きかった、本当に大きかった。これまでの人生あれほど豊かなお胸を見たことがあろうか? いや、無い。
豊かな胸はその先端も比例して大きく、色も形も良くてツンと前に突き出ていた。ブラも着けていないのに形は保たれていて、でもブラが無いことで程よく重力の影響を受けている。張りと柔らかさの両立、その感触はこの世のもので果たして形容できるのかどうか……って。
「いや、想像したら駄目だろ」
「へぇ、何を想像してたのかにゃ~? ふひひ、お姉さんに言ってみそ」
振り向いたら煙草の赤光と、通路の明かりで全体的に影を落とす異性の出で立ち。
見覚えしかない。さっき見たままの姿だ。
下にデニムだけを穿いて、変わった点があるとするなら首から下にタオルをかけているだけ。
それ以外何も変わっていない。だけど、それ故に隠せていない。
乳輪も乳首も、隠すべき箇所が見えたまま。
「また人のおっぱい見てらぁ、まあ男の子なら仕方ないか。で、所で少年や、お頼みなんだけど煙草あるなら分けてくれない?」
煙草を咥えたまま、おっぱいを丸出しにしたまま、名も知らぬ隣人さんは手を伸ばしてきた。
こっちの動揺なんてまったく意に介さない。自由に、気ままに、お姉さんは迫ってくる。
「……ッ」
「煙草、ない? ないないなの? ふぅん」
尻もちをついて、そのまま後ずさり。
お姉さんは近づいて来る。
勝手に人の家に入って、この人はいったい何がしたいのか。
魅力的な姿を見せつけて、何がなんだかわからない。わからないから必死に目の前の情報を拾おうとして、その結果また目の前の姿に脳が焼かれる。
空気が甘い。
肺の中にまで甘みが入って抜け出ない。
「……ないの?」
ブンブンと首がちぎれんばかりに振りまくった。
……すん、すんすん。
「!」
拒否したら匂いを嗅がれた。
くすぐったい、声が出ない、色っぽいッ!
「ん……君、煙草の匂いするんだけどなぁ……嘘ついてるの? 確かめちゃおっかな~」
「た、確かめるって……何を?」
「煙草吸ってるかどうかは、キスすればわかるよ」
言うや、僕は目を閉じた。
近づく顔に恐れを感じた。
けど、入って来たのは優しい、そして心地よい初めての感覚。
キスをされた。理解した。僕は今、ずっと守ってきた唇の初めてを失ったのだ。
「ん……ちゅ……あぁ、んふふ……煙草吸ってない味がする。てか、君の唇って……いやぁ、ごめんごめん。初キスの味だねこりゃ。ま、アタシ美人だしさ~、許して頂~戴」
ごめんごめん、そう言いながら頭を撫でてくる手は大きくて、男であるはずの僕よりもずっとがっしりしている。
「ごめんね~、奪っちゃったけどさ~、まあ許して頂戴な。ふふ、アハハ……あたしって顔も美人だし体もエロいからさ~……控えめに言って、良い女だ。だから無罪放免にしてくれない? 駄目?」