三姉弟・魔悦の絆
本販売日:1997/08/23
電子版配信日:2010/02/26
本定価:535円(税込)
電子版定価:660円(税込)
ISBN:978-4-8296-0768-8
教師ともあろう美由樹が弟と……許せない!……
真夜中のベッドに漂う性の匂い、嗚咽、性器の発砲音。
禁断の淫交現場を覗いた梨奈の内に憤怒と嫉妬、
サディスチックな情炎と奸計が沸きあがる!
やがてスチュワーデスの姉が二人の前で本性を剥いた時、
三姉弟に倒錯と魔惑のトライアングルが!……
みゆき(23歳)女教師
りな(25歳)キャビンアテンダント
本編の一部を立読み
な、なんてことを……美由樹……。
上体を激しくのけぞらせ、自らの手で乳首をかきむしってあえいでいる、信じられない妹の姿。
美由樹ったら、オナニーしてる……。
だが、それはオナニーではなかった。
「姉さん、ぼ、ぼく……ああぁ……」
美由樹の女体の下に、もうひとつ別の肉体が横たわり、激しく腰を震わせていたのだ。
章ちゃん!……
梨奈は一瞬我が目を疑った。そんな馬鹿な、と思ったが、騎乗位の美由樹とひとつにつながっているのは、まさしく弟の章吾である。
薄暗い密室で繰り広げられている、おぞましい姉弟の相姦絵巻。
梨奈は今すぐにでも部屋に乗りこみ、二人の淫らでまがまがしい関係を中断させようと思った。一番年上の姉として、禁忌を犯している妹と弟をたしなめるのは当然の行為である。
しかし、部屋に踏み入ろうとして、梨奈は思いとどまった。予想だにしなかった二人のおぞましい痴態を見て、梨奈の胸に激しい嫉妬心のようなものがむらむらとわき起こってきた。それは妹の美由樹に対してよりも、弟の章吾に対してのほうが強かった。
まだまだ子供だとばかり思っていた章吾が、一人前の男として美由樹と体を合わせている。許せない、と梨奈は思った。少しばかり高慢な自尊心を傷つけられたようで、梨奈はどうにもいたたまれなかったのである。自分が無視されてしまったという
悔しさと、弟を男としては扱っていなかった口惜しさ。そんなものが梨奈の心の中で複雑に絡み合って、どうすることもできず、美由樹と章吾の激しい肉体の絡み合いをじっと見つめているよりすべはなかったのだ。
このまま見過ごしてしまうわけにはいかない。
いいわ、美由樹も章ちゃんも……覚悟してらっしゃい。私の目を盗んでセックスするなんて……ああ、絶対に許せないわ……。
梨奈は激しく絡み合う二つの肉体を舐めずるように見守りながら、心の底からこみあげてくる嗜虐的な欲望を感じていた。むらむらと女芯に衝きのぼってくる加虐的な官能の炎群。それは梨奈の胸の奥でメラメラと炎をあげて燃えさかるのであった。今まで心にしまっていた、倒錯したエクスタシーの予感だ。
美由樹も章ちゃんも明日から私がじっくりといじめてあげる。私が心の底から悦びを感じるまで、二人とも私に従順にかしずくペットにしてあげる……。
「ああぁ、章ちゃん、も、もう……イキそう」
「ね、姉さん、ぼ、ぼくも……」
「二人一緒に、イキましょ……あ、ああぁん」
狂おしい痴態を晒す姉弟が、絶頂へと達していく瞬間をじっと凝視しながら、梨奈の切れ長の目の奧で、妖しい陰虐の炎がメラメラと燃えあがっていくのであった。それは冷酷な牝豹の目へと変貌をとげていた。