私の初体験

由香里十七歳

著者: 一ノ瀬真央

本販売日:2003/10/23

電子版配信日:2007/09/12

本定価:628円(税込)

電子版定価:660円(税込)

ISBN:978-4-8296-1231-6

制服の下、成熟していく身体に戸惑う佐々倉由香里。

初めて恋した男性は、母に想いを寄せる亡父の友人だった。

(おじさまに抱かれたい。私の処女を捧げたいの)

芽生えはじめた性の疼きは、少女を誘惑へと駆りたてる。

ベッドに忍びこんで甘え、男性器の昂りにときめく17歳。

揺れ動く思春期を描いた女流作家、野心的なデビュー作!

登場人物

ゆかり 女子高生

るみ(42歳)未亡人

本編の一部を立読み

「いいの。入れて。おじさま」

由香里は『そのとき』を前にして高鳴る自分の心臓の音を聞きながら、こっくりとうなずいた。顔をひきつらせながらも、いじらしく笑顔を浮かべて男をあおぎ見る。けなげな様子とは裏腹に、少女の身体は生まれたての子猫のように小刻みに震えていた。

男根は、亀頭のぬるぬるを塗りつけて、蜜にぬかるんだ秘裂を掻き混ぜるような具合で前後している。焦らしているような男根に、少女の腰がうごめいて亀頭の動きを追いはじめた。

「お、おじさまのだから……平気です。お願いです。入れて、入れて……ください」

男はふっと笑うと、膣口を指で探り当ててからペニスに片手を添え、さらに腰を進めた。望んでいたことにもかかわらず、いよいよだと思うと恐怖が頂点に達した。歯の根も合わないほどに震えている彼女は、目をつぶって身体を硬くしている。

死刑台の上の囚人の気分だった。ペニスの先端は、緊張で硬く閉じた膣口を押すばかりで、なかなか内側に入らない。

「くっ」

男が小さくうめいた。汗の滴が少女の鼻先で弾けた。水滴にびっくりして目を見開くと、雄一郎の顔に浮いた汗が、顎を伝って落ちるところが見て取れた。おじさまが、こんなにも真剣に向き合ってくれているんだと実感して、胸が熱くなってしまう。由香里はぽろぽろと涙をこぼした。

「なんで泣くんだ?」

「夢だったの。おじさまとこうするの。ずっとおじさまが好きだったから、うれしくて……」

男の表情が揺れた。一瞬浮かんだ無防備な表情に、再び真剣な色を浮かべると、唇を引き結び、ひときわ強く腰を進めた。

話したことがよかったのか、由香里の身体から緊張がほどけていた。少女の膣口は、雄一郎の丹念な愛撫でとろけていて、いっぱいに口を開き、はじめて受け入れる未知の侵入者に道を開こうとしていた。

「うっ! ううううっ。くうっ」

めりっと音をたててめりこんだペニスは、閉じ合わさった狭い肉を、無理やりに押しひしぐようにして侵入していく。

「い、痛いっ、痛いっ!」

ペニスの圧迫感と太さは想像以上で、夜ごとベッドの上で行なっているひそやかなオナニーや、さっきのペッティングで味わった指や舌とはまるで違っていた。暴力的なほどの熱さと質量を持った男根が、身体の中心に杭を打つようにして進んでいく。身体が両脚を起点にして二つに割れてしまうのではないかと思うほどの苦痛だった。

痛みから逃れようとして腰がせりあがるが、雄一郎は両脚に絡めた腕を離そうとはしない。腰を打ちつけるようにして、小刻みに侵入する。早く楽にしてやるほうが、由香里のためだと思っているようだった。

「だ、駄目っ、お、おじさまっ、痛いっ!」

少女は指先が白っぽくなるほどの強さでシーツをつかみ、平らなお腹を波打たせてはじめての苦痛に耐えようとした。

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