先ほどの凌辱でちょうどいい具合に練れた肉襞が、ざわめくようにして硬直を掴んでくる。根元まで押しこんで、絡みつく粘膜の心地よさを味わっていると、幾重もの肉襞が内へ内へと屹立を吸いよせるように蠢く。
「ううおッ！」
  黒田は咆哮を放って、奥歯を食いしばった。さっき、津川があっけなく果ててしまった理由が、わかるような気がした。
  だが、男たるものここで弱みを見せられない。湧きあがった愉悦を散らすために、先生を玩弄する。
「ヘヘッ、いやらしいな、先生のマ×コは。いやがってるくせに、ピクピク食いしめてくるな。ほんとはマ×コが疼いてたんだろう？  だから、プールでオナッてたんだよな。オラッ、答えろよ、先生」
「ううゥゥ、違うわ、違います……」
「ほんとかよ？  婚約者が死んじまって、男に飢えていたんだろ？  姦られたくて、毎日オナッてたんじゃないのか？」
  真璃子はイヤイヤをするように首を振る。
「嘘をつくなよ。ほんとは当たってるんだろ？  俺たちに輪姦されて、嬉しくてしようがねえくせによ」
  真璃子は、胸の奥がチリチリと灼けるような恥辱感に、打ちのめされる。
  ああ、なんとむごいことを言う子なのか……。
「ヘヘッ、イクぜ。あんたの正体をばらしてやる」
  黒田が、ゆっくりと腰を振りはじめた。
「ううン、ううン……いやッ、いやッ、やめるのよォ！」
  真璃子は悲痛な叫びを噴きこぼした。打ちこみの衝撃に動じまいと、ウウッと唇を噛みしめる。
  ズーン、ズーンと重い衝撃が、子宮に響いてくる。真璃子は、湧きあがってきそうな愉悦の前兆を、歯を食いしばってこらえた。絶対に感じてはならなかった。
  これまでの人生の大半をピアノとともにすごしてきた。その大切なピアノに手をつき、惨めな格好で、教え子に凌辱されている。それは、真璃子の人生そのものへの冒涜に他ならなかった。
  けれども、そんな真璃子の気持ちなどおかまいなしに、いや、むしろ、真璃子の存在を冒涜することに歓びがあるとでもいうような荒々しさで、黒田は遮二無二突いてくる。
「うン、うンッ」というかけ声とともに、胎内を深々と串刺しにされると、ふと、気を許してしまいそうになる瞬間がある。
  肉体的にはただ乱暴なだけの挿入行為では、真璃子の性感は一定以上は高まらなかった。それなのに切なくて切なくてたまらないものが、熱い塊りとなって胸にせりあがってくる瞬間がある。
  真璃子はむしろそれを恐れた。その得体の知れない、おぞましさと紙一重の息苦しいほどの情動の衝きあげを。