「あぁぁっ、撮らないで、こんなみっともない顔、撮らない、でぇ！」
　切り取られた画面の中で乱れる鈴香も美しかった。だから、余さず映して残しておくことに決めた。
　真っ赤になった鈴香が唇を噛む。髪が汗に濡れて張り付く。乳房をぎゅっと握って、その肉を指の間からはみ出させた。未亡人の肉体の迫力を収めた。唇をなぞって、鈴香が舌を絡ませるのを撮って、彼女の魅力を残した。
「鈴香さん、愛してる……ッ」
　ますます激しくなる動きに、画面の中で鈴香が仰け反る。
「お願いです。今だけでいいから、愛してると言ってください。俺、その言葉を残せたら、きっと、死ぬまでこの動画で抜ける。鈴香さんと愛し合った証拠が欲しいんです。お願いします！」
　次々に勝手な願いを繰り返す。
　セックスを動画に残され、不倫愛の証拠まで記録されるリスクが女にとってどれだけ重いか京也にもわかっているのに、それでも鈴香は許してくれると信じられる。
「あ……愛してますッ」
　そして鈴香も、京也の願いを断れない。
　亡き夫への貞操を守り続けてきた未亡人には、京也が思っている以上にセックスという行為自体が重い。それを許した男に、どこまで自分が甘くなってしまうか鈴香本人もわかっていなかった。
「愛してます、京也さんっ。気持ちいいっ。あなたに抱いてもらえて、私、幸せです！」
　腕を伸ばし、カメラを見つめて愛を叫ぶ。
　京也は狂ったように腰を動かした。鈴香は何度も「愛してます」と言って、よがった顔を晒した。二週間だけのレッスンだと鈴香はまだ言っているが、レンズの中にはセックスに溺れる女しか映っていない。アップになった眼球には、スマホを持って自分を抱く愛しい男しか映っていない。
　舌の裏まで見せて仰け反り、腹の上で暴れる牡を悦ばせるためにキュンキュンと健気に膣を締めつける。京也のための女に鈴香はなっていた。
（最高だ……鈴香さんは、やっぱり最高！）
　京也は夢中になって膣粘膜を擦る。ぐちゅぐちゅと音を立てて、濃厚な牝の匂いを生んでいく。手触りも抜群な肌に汗を浮かべて、手に吸いついてくる。
　抱くたびに鈴香ほど佳い女はいないと思わされる。
　母としての年輪も重ねた乳房はしっとりと手に馴染んで、餅のように指の間にはみ出した。スタイルの崩れも少なく、くびれた腰は快楽の波を表すように柔軟に若々しく揺れる。
　どっしりとした腰も、抱き心地のいいクッションになって我が侭なピストンを受け入れてくれた。
（いつまでも抱いていたい……けどッ）
　具合の良すぎるおま×こはすぐに京也を絶頂まで導く。しかし、何度も何度も抱き続けることで、鈴香もまた京也と同じタイミングで達するほど肉体を馴染ませている。
　快楽の曲線は、二人同時に頂点に到達しようとしていた。
「あぁぁーッ！　京也さんっ、京也さんっ……私……ッ！」
　シーツを握りしめ、唇を噛んで仰け反る鈴香の膣は絶頂の予兆に襞を震わせる。
　鈴香を征服した証しをどこに出すべきか、スマホの画面の中で乱れる全身をスパンして京也は決めた。
「顔にかけてもいいですか、鈴香さん！」
「はいっ……好きなところに、出してください！　早く、京也さん、早く……あぁぁぁッ、イクっ、イキますっ。イッ……くぅ！」