単なる辛口にとどまらない、独自のファッション観に基づく理論的な批評の前では、誰もがひれふす。では官能の分野はどうなのだろう? 取材当日、歯に衣きせぬ豪快なトークとともに吐き出された言葉の数々は、幼少時代、さらにはクリエイターとしての環境が大きく影響した、非常にユニークなものであった。
(フランス書院文庫を前にして)タイトルももちろんだけど、こういう嗜好っていうのは絵にもよるんですよね。色見とかすごいねえ。エアブラシでぼかしたようなグラデーションとか、いいですねえ。色っぽいですね。
女子高生とか女子大生とかはピンとこないなあ。むしろイヤ。なんか不潔っぽいイメージがあってどうにも興奮しない。それだったら、熟女とかかなあ。『熟女【独占】』(鮫島次郎・著'08年1月刊)とか。まあ、かといって熟し過ぎてしまってはダメなんだ。熟女でも”一歩手前”がいいよね。
正直、官能小説は細かく読んではいないけど、昔からいろいろ見てはいるよ。ヴィジュアルで見せるエロっていうのはリアル過ぎてしまうけど、官能小説は、いくらでも自分のイマジネーションで調整できるのがいいよね。例えば同じ官能小説を読んでも、読み手の性格や体調や環境、経験とか、年齢とか、その違いによって感じ方が全然違ってくるよね。サラッと読んでしまう人もいれば、2~3日くらい引きこもっちゃういそうな人までそれぞれだよね。
僕は芸能界で仕事をしたりして、女優さんとかタレントさんとか、一見美人とばかり接していると思われがちだけど、もう7割はブスだからね。極端な話「ヤッて」って言われても絶対にやらないよ。僕の場合は姉弟で上と下が女で、しかもどうしてもクリエイターとしての美的観点で見ちゃうから、冷静に女性を見るわけよ。一見キレイなんだけど、実は笑うと黄ばんだ歯だったりとか、肌がボロボロだったりとかさ。そんな女には全然興味がないんだ。ただまあ、そう言いつつも、やっぱり男だから、常にそうであるっていう自信もないんだけどね(笑)。
自分の中のものさしの範囲で、美人であるっていう条件はもちろんだけど、基本的には色っぽい人でなきゃダメだね。特にどこが大事かっていうと、口もと。口もとブス、は絶対にダメ。口もと美人って何か感じない? 上唇がクッと上がってて、しっかりとした形ができあがってる女っているじゃない。あと歯並び、それと鼻がスッと細い人ね。下から見た時に鼻の穴が縦に割れているタイプ。もう鼻の穴が丸いコとか絶対にダメ。目っていうのはプチ整形でどうにでもなるから、特に気にしないかな。
女性の顔ってさ、俺はデザイナーだからシャドーとかで目元を何とかするとか、自分でメイクとかもできるから、どんどん色っぽくできるわけですよ。例えば“この目に見つめられるだけで勃起しちゃうメイク”みたいなね(笑)。でも口元と鼻だけはメイクじゃ無理だよね。