これほどの美貌とナイスバディである。グラビアアイドルがその気になれば、男を悩殺し、惑わすくらいのことは、赤子の手をひねるようなものだろう。だが、尾崎ナナは“その気”にならない、というか、なれないグラドルだ。とにかくいつも、相手から噛んで含めるように「愛してる」「好きだよ」と言われたいという。眩しいくらいに輝く外見からは伝わらない心の声は、いじらしいほどチャーミングな女のコだった。
初恋は中学1年のときですね。クラスの中ですごく目立つ、オモシロい男のコで。私はその男のコからいじめられてたんです。いじめられてたっていうとちょっと語弊があるかな。よくあるじゃないですか、なんか事あるごとにちょっかい出してくるっていう、あれです。彼は野球部だったのでボウズ頭でした。背は高くなく低くもなくっていう感じで。顔はちょっと唇が厚くて、動物でいうとタコ(笑)。彼は野球部で私はテニス部だったんですけど、練習中にテニス部は、野球部が練習しているグランドの周りを走らなきゃいけないんですよ。そのときに、何気に見られてるんじゃないかとか思いながら、勝手に緊張してました。
その彼は、中学の間はずっと好きでした。で、中学2年のバレンタインのときにラブレターを渡したんですよ。ラブレターなんて、なんか古い感じがしますけど、当時流行ってたんです。手紙には自分の思いの丈をぶつけたんですが、それでも自信がなかったので、最後に「P.S返事はいりません」みたいなことを書いちゃって(笑)。なんか告白をした意味がないですよね。しかも自分で渡せなくて、友達に彼のカバンの中にムリヤリ押し込んでもらって。彼が手紙を読んでくれたのかどうかは謎ですが、その後も相変わらずちょっかいを出してきました。中学を卒業してからは、まったく会う機会がなくなってしまったので、できることなら今会って確かめてみたいですね。
当時、私自身が男のコ慣れをしていなかったので、彼みたいに、そうやっていじってくれる人にトキめいちゃったんでしょうね。本当に私は、この世界に入るまで、男の人と全く話せなかったんです。高校生のときも彼氏とかいなかったですし。この世界に入ってやっと慣れました。とにかく男性と話しをすることが、すごく恥ずかしくて。
だから10代後半くらいまでは恋愛をしたり、ちょっと気になる人がいても、相手の男性に対して、なんとなく好意をもっているという風にはアピールしましたけど、それでもそんなに来てくれなかったり、伝わっていないようなら自分から身を引いちゃってたんです。さすがに今は昔よりも免疫もできて話しはできるし、積極的にいかなきゃっていう風にも思えますが、やっぱり多少は緊張します(笑)。