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今月の放言

女優たちの裏話、お聞かせします! 梨元勝

直筆短冊

「恐縮です!」。この言葉を武器に、多くのスターたちの心を開いてきた、芸能レポーターの草分けである。自らの意志に関係なく、否が応にも見ざるを得なかった、芸能界の裏事情&エロ事情とはいかなるものだったのか。スターたちから最も近い場所にいた男ならではの、まさかという内容にもリアリティがある。

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プロフィール 梨元勝

東京都出身。'67年に法政大学を卒業後、講談社に入社し、『ヤングレディ』の取材記者に。'76年に芸能リポーターに転身。多くのテレビ番組で活躍。その後『株式会社オフィス梨元』を設立、名実ともに芸能リポーターの顔となる。現在ではリポーター業に加え、コメンテーターや講演など、様々な分野で活躍中。

第1章 忘れられないAV監督体験

(フランス書院文庫を前にして)こうやって官能小説が一同に会しているっていう図は圧巻ですね。しかし、オシャレですよね、カバーのデザインが。キレイというか。あとタイトルも秀逸ですよ。特にこの『淫獣の群れ 実母と姉弟』(田沼淳一・著 '06年4月・刊)なんてすごいですよね、印象に残るというか。

僕は2年くらい前に、色々なジャンルで活躍する人がAVの監督をやってみるっていう企画に参加したことがありましてね。まあ、言い出しっぺは僕だったんですが(笑)。まず最初に撮ったのが『恐縮です! 梨元勝のマスコミ面接』という作品。これは長机に、僕を中心に週刊誌の記者や写真家、ネット関係者などが審査員として座って、モデルのオーディションをしていたら濡れ場に入るっていう企画でした。でも、オーディションを受けに来る人はAVの面接ってわかってたから、いきなりお色気アピールみたいになっちゃったっていう(笑)。審査員全員、目が点になってました。

その次にもう一本撮ったんです。それは男性タレントとつき合ったり、テレビ局のディレクターに騙された女性たちの告白がベースになっている、オムニバスみたいな企画でした。で、その中の女性の一人に、ある人気芸人とつき合っていたっていうコがいて、彼とは当時SMをよくやったっていうんで、彼女の証言を忠実に再現して、ドキュメンタリー風に撮りました。麻布十番で待ち合わせして、そこから六本木にあるSMで有名なホテルに行ってね。そこで「この部屋でやりました」みたいなコメントをもらいつつ、「こんな道具を使ってあんなことしちゃいました」って再現してもらったり(笑)。アダルトで真剣に頑張っている人を見ると、前貼りをする女優は本物じゃないなって思っちゃいましたね。

他に僕のアダルト的な経験といえば、CSでパラダイスチャンネルの仕事。そこで印象的だったのが、熟年女性のある企画。60歳の女優さんが3人出て、それぞれの女優さんたちがして欲しいことを叶えてあげるっていう内容だったんですが、やれ潮吹きだなんだって、男優さんにリクエストをするわけですよ。そのとき発見したんですけど、女優さんがイクときって、60歳とはいえ、表情にほのかに赤みが差すというか、その瞬間はちゃんと“オンナ”になるんですよ。キレイでしたね。アップにすれば顔のシワやシミがわかるんでしょうけど、その瞬間は、そんなこと全然忘れちゃいますね。セックスに年齢は関係ないんだなあ、と。

女優たちの裏話、お聞かせします! 梨元勝01
女優たちの裏話、お聞かせします! 梨元勝02
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