ホテル ハレム 彼女の母と義母が獣になった夜 1
一章 甘い体験 誰にも言えない童貞喪失
1 青い果実
「ああ、莉緒ちゃん」
「彰人さん、待って……あむう、ん……むふう」
大学生の桐山彰人は、ベッドに並んで座る白石莉緒の唇に唇を押しつけた。
(ああ、気持ちいいや……おっぱいが触れてる)
彰人が莉緒の背中をきつく抱き寄せると、ポニーテールが揺れ、小柄な身体がピクリ、と震えた。彰人の胸板と莉緒のバストが触れあい、緊張のためか息を吸いこんで胸が大きく膨らむのがわかった。
逃れるように身を仰け反って接吻を受ける莉緒の眉根を寄せた表情が悩ましく、彰人をさらに焚きつける。
「莉緒ちゃん……感激だよ」
「私も、う、れし……」
そういうのがやっとの莉緒は肩で呼吸するように唇を喘がせたものの、すぐさままた彰人にふさがれて瞳を伏せた。
十代らしい伸びやかな手足に比べ、豊満なバストがブラウスを突きあげる。赤いチェックのスカートの下のヒップが張り出し、彰人の腰肉を押し返す。
付き合って半年、キスさえまだだった二人は、土曜の昼下がり、身を寄せ合い人目を避けて、坂の上のラブホテルの自動ドアを踏んだ。
童貞の彰人は、初めて見るパネルに目を走らせ、数ある部屋の写真の中から一番安い金額のボタンを押すと、あとはエレベーターに飛び乗り夢中で部屋までたどり着いたのだ。
「むふっ、むうぅん、むうう」
長い睫が震えている。透けるように白い肌に黒目勝ちな瞳が美しい莉緒は、そのりんごのような頬をさらに紅に染めてキスを受けている。
彰人は夢中になって唇を擦りつけ、舌先を潜らせていく。
前歯がぶつかりカチカチと音がする。彰人は莉緒の舌苔のざらつきを感じながら、時折り唇をすぼめて舌を吸いあげ派手な音をたてた。
(ディープキスって、こんな感じでいいのかな……)
リードしているつもりの彰人も余裕はなく、がむしゃらに吸いついてゆく。
はじめこそ硬かった身体も次第に力が抜け、莉緒が体重を預けてくるのがわかった。肩が下がり、腕をだらりとおろし、横座りの膝が弛んでくる。
「あふうう」
「莉緒ちゃん……」
彰人は背中に伸ばしていた右手を腋下から前に滑らせると、おそるおそるたわわな果実の下弦に指を這わせた。ずっしりと重量に満ちた乳房がブラジャーのカップに守られている。その丸いカーブを描いた撓みをそろそろと五本指を広げて登ると、すっぽり包んで下から上へ持ちあげてみた。
静かに指を蠢かす。舌を絡めあったまま手指に意識を集中させる。親指の腹がブラジャーのカップの上からでもそれとわかる硬い豆粒に触れ、彰人は思わずその突起を下から上へ捏ねた。
「んくぅっ」
「莉緒ちゃん、すごいや、大きいおっぱい」
「やだ、言わないで……んふっ……あ、ん、んふふ」
雑誌やネットで仕入れた知識を動員して、莉緒を悦ばせることに必死の彰人は、コットンパンツの食いこみに耐えかねて、ベルトを外してゆく。
バックルが床に落ちる金属音に莉緒がビクリとして顔を離すと、彰人は唇を首筋に押しつけ、やがてブラウスの上から跳び出た乳首に這わせていった。
「あ……ん、んっ……」
莉緒は両腕で彰人の背にしがみつき、胸への愛撫を受けた。つぶらな瞳は濡れ、遠くを見つめるようにうつろに揺れている。
彰人はざらりとした生地の上から乳首に吸いつくと、舌を尖らせて乳暈のぐるりをねぶってやった。ブラウスが唾で濡れ、楕円の染みが広がってゆく。肌に張りついた生地の下に赤い突起が飛び出してくる。
「あんっ……彰人さん、だ、め……そこぉ」
向かい合わせに座っている莉緒の膝が弛み、片方の膝をベッドにのせて片方は床に降ろしたまま、尻をくねらせる。ミニフレアスカートの裾が乱れ、太腿が露わになったのも気づかず、乳首への愛撫を受けている。
処女と童貞のカップルだけに、なにからどうはじめていいか手探りの時間が続くうえ、ただでさえ過敏なために、はやくも股間は暴発寸前だった。
「あぁん……感じちゃう……恥ずかしいよぅ」
彰人の首にすがりぶらさがる莉緒に頭を抱えられた彰人は、そのまま莉緒をベッドへ引き摺りあげると、ゆるりと仰向けにさせた。
「彰人さん……」
見下ろす莉緒の胸が興奮に膨らみ、唾に濡れたブラウスから赤い突起が痛いほど布を押しあげていた。もう片方のバストもカップからはみ出し、うっすら豆粒の在り処が見て取れる。
(ああ、ついに莉緒ちゃんとセックスできるんだ)
胸元のリボンを不器用な手つきで解いてやると、第一ボタンを外しにかかる。ひとつ、ふたつ、ボタンが外れるたびに白いなだらかな丘陵があらわれ、ブラジャーのカップを飾るレースが覗いた。
「ああ、きれいなおっぱい……」
「やだ、そんなの」
ブラウスのボタンをすっかり外すと、彰人は袖から抜いて枕元に丁寧においてやった。白いブラジャーとスカート、そしてソックスだけになった莉緒は、胸元を隠そうとした手を彰人に払われた。
「見せてよ、いいでしょ莉緒ちゃん、これ、僕だけのものだよね」
唇を噛み、こくりと頷くしぐさが愛らしい。
彰人は背中に手を回すとホックを外し、ストラップを肩から外して剥ぎ取った。
「きゃっ」
たわわな果実は波打つように溢れ、張りよくツンと上を向いている。先ほど弄られた乳首は、もうはちきれんばかりにしこり勃ち、啄まれるのを待っているかのようだ。
「莉緒ちゃん」
彰人はうわずった声で囁くと、莉緒の上に馬乗りになって右の乳首にしゃぶりついた。感度のいい豆粒は、ちょっと吸われただけで莉緒を鳥肌立たせ悲鳴をあげさせた。
「んくっ……あんうう」
彰人は左手で左の豆粒を捏ね、右を吸いたててやった。舌先を尖らせて四方から突き、てっぺんを押しこんでは茎をねぶると、莉緒はたまらないといった表情で、泣き声を洩らした。
「ああん、だめぇ……彰人さん、なんか変になっちゃう……あんっ!」
莉緒が尻を上下させて身悶えるのを押さえこみ、スカートの裾をめくって腹をまさぐった。白いお揃いのパンティは、いかにも女子高生らしくヘソ下あたりにリボンが飾られている。
彰人はコットンパンツのまま莉緒の股座に勃起を押しつけた。
「んふうん、あ、ん……いやぁ」
顔を真っ赤にする莉緒が可愛らしい。まだ初心な女子高生は、耳まで朱に染めていやいやと首を横に振る。恥丘の盛りあがりの下のほうに割れ目が透けて見え、勃起でつつくにつれ愛液の染みがパンティに塗り広がってゆく。股間を押しつけるたびに、くちゅ、と水っぽい音がして、莉緒が眉をひそめた。
「ああ、もう我慢できないや、莉緒ちゃん、脱いじゃおうよ」
彰人は莉緒の上から下りると、スカートのファスナーに指をかけ脱がしてやった。本当は一足飛びにパンティを下ろしたかったが、何事も順番通りに慎重に進めていかないと、どこで躓くかわからない。今日ホテルに連れこむまでに半年もかかったのだから、ここで失敗するわけにはいかない。
「僕のズボンも脱がせてくれるかな」
「うん、いいよ、えっと……」
「このボタン外して」
莉緒はベッドの上に膝立ちになると、膨らんだ股間に目を丸くして、いわれた通りボタンを外し、ジッパーを下げた。
「うっ……痛っ」
「ごめんなさい、私」
「違うんだ、勃起するとズボンが食いこんで痛いんだよ」
彰人は靴下ごとコットンパンツを脱ぐと、Tシャツともども床に散らかした。
莉緒が目を伏せてもじもじとする。その目の先にはボクサーパンツを破かんほどの勃起が屹立しており、またもや莉緒を悩ませた。
「莉緒ちゃんが好きだから、こんなになったんだ……触ってくれるかな」
「……うん」
初めての肉棹に、おびえつつも手を伸ばした莉緒は、ボクサーパンツの上からそっと触れて、すぐに手を離した。
「あったかい……」
彰人を見上げるまっすぐな瞳が愛らしい。
「あっ、ダメだっ……」
ビンビンに硬直した肉茎はあまりに過敏で、触れられただけで先汁が迸る。
「えっ……どうしたの」
「ううん、大丈夫……触っていいよ、こう」
彰人はたまらず莉緒の手をとり股間に押しつけると、自ら尻を突き出して勃起を擦りつけた。
「きゃっ、や……やだ」
莉緒は顔をそむけたが、手の中にしっかり握らされた棒は、その場で暴発しそうに膨らみ、新しい先汁を滴らせ、莉緒の手に欲情を伝える。
「なんだかピクピクしてる」
「莉緒ちゃんが欲しくって、こんなになっちゃったんだ、これが莉緒ちゃんの中に入るんだよ」
「オチン×ン……私の中に」
莉緒はあらためて手の中の肉棒を見下ろすと、滲み出る先汁の染みに唇を震わせた。
「そうだよ……ああっ、莉緒ちゃ……うううっ!」
ぷっくり愛らしい唇からこぼれた言葉に愚息が反応する。彰人は、込みあげる射精欲を堪えることができず、腰を引いて股間を両手で押さえた。
一瞬にして熱い精液が指の間から漏れ、ペニスが不随意運動を繰り返す。彰人は情けなく顔を歪めながらも腰をひくつかせ、溜まった精を吐き出した。
「えっ、あ、彰人さん」
「あああっ、ご、ごめん、り、莉緒ちゃん……出ちゃったよぉ」
莉緒の指は放たれた白濁にまみれ、飛び散った樹液で手首のほうまで濡れてしまっている。栗の花の饐えた匂いが客室に充満していた。
ロビーの自動ドアを出たところで、二人は無言のまま風に頬を冷ます。
「今日はごめん、今度また、ね」
「うん、気にしないで……うれしかったから」
初めてホテルに行った恥ずかしさと、たまらず射精してしまい未遂に終わった気まずさが二人を包む。
家で自ら慰める時は一回射精したくらいでは収まらない彰人なのに、一度暴発してしまった後は、ふたたび完全勃起することはなかった。
いつもはぎゅっとつなぐ手も、今日は指先を遠慮がちに絡めるくらいしかできない。
灯りはじめた繁華街の喧騒が、遠くに聞こえる。彰人は莉緒の手をひくと、ホテルの赤いネオンサインを後にして、俯きかげんに坂を下っていった。
「彰人、どこへ行っていたの、女の子を遅くまで連れまわしちゃダメでしょう」
七月の空が紺色に暮れる頃、彰人と手をつないで帰ってきた莉緒は、自宅の玄関前で立ち話する母・悠子と彰人の母・絢子の視線に、すぐさま手を離して肩に隠れた。
「彰人ったら」
絢子はつややかな髪を風にそよがせ、困ったように眉をさげ唇を尖らせた。知的な広い額に眉間を寄せる。これほど美しい縦皺はないくらい、絢子の面立ちに憂いと色香を添える。姿勢のよい立ち姿は凜とした中にも華やかさを備え、シンプルなワンピースが極上のボディラインを際立たせる。
白石家と桐山家は歩いて二分の近さで、母親同士仲がよい。この四月、桐山家に三十三歳という若さで後妻として嫁いできた絢子は、慣れない土地で、何かと言うと息子の彰人と仲のよい莉緒の母である悠子に相談していた。
四十一歳になる悠子とは年が離れているが、互いの子どもが付き合っているとあって仲がよい。
「いいのよ、いつも遊んでもらって、莉緒のほうこそ迷惑かけてないかしら」
悠子は結いあげた黒髪のほつれを耳にかけ優しい眼差しを彰人に向けた。切れ長の眼とふっくらした唇が柔和で色っぽく、やわらかなバストがニットをはちきらんばかりに押しあげている。
そう言いつつも、悠子は猫かわいがりしている一人娘莉緒の帰りが遅くて先ほどまでそわそわしていた。随分前に夫に先立たれてからというもの、女手ひとつで育てあげてきた娘だけに目にいれても痛くない。
「あの、映画観てお茶してたら遅くなっちゃって……」
「ちゃんと謝って、莉緒ちゃんにも、ほら」
絢子は、彰人を叱るも、どこか口調が優しくて雰囲気がやわらかい。それは義母ゆえの遠慮もあるが、それ以上に彰人への愛情のせいだった。結婚したばかりの夫が先月から海外に赴任してからというもの、彰人との二人きりの生活になり、実の息子でもないのに愛着が湧いて可愛らしくて仕方ない。
「どうもすみません、これから気をつけます」
しどろもどろに謝る彰人とともに軽く頭を下げる絢子の、ロングストレートの黒髪が揺れた。
「そんな、彰人君のせいじゃないわ、いいのよ気にしないで」
頭を下げる彰人に、悠子が申し訳なさそうに声をかけ、笑みを見せた。いつになくはしゃいだ雰囲気に、自分でもそれとわからぬうちに色香が際立っている。
未亡人暮らしが長い悠子は、娘の彼氏でありながらも若い男の子の出現にこの半年心が躍っていた。ちょっとした身振りに女の薫りが溢れ、腕を揺らすとバストも弾む。
「じゃ、早く莉緒ちゃんのご飯作ってあげてね」
「ええ、彰人君にも」
玄関の鉄扉が閉まる。
莉緒は悠子の後ろから、いつまでも彰人の背中を見送っていた。
(どうしたのかしら、何かあったのかしら)
悠子は、夕食の後片づけをしながら小首をかしげていた。
帰宅した莉緒の様子がいつもと違った。なにか思いつめているかと思えば、ぼんやりと遠い目をして、唇を指でなぞっている。ポニーテールの後れ毛がうなじに張りついているのは夏場の汗のせいかと思ったものの、キスマークのような跡が気にかかる。
(映画を観たっていってたけど、嘘かもしれないわ)
いつもなら遅くなると電話の一本もくれる莉緒だが、今日は七時を回っても連絡がなかった。そのうえ家についてからも終始無言で、彰人の言う通り映画を観たのであったらその内容を面白おかしく話してくれてもいいものを、と悠子は心配していた。
「お風呂、沸いたわよ」
「はーい」
二階の自室から降りてきた莉緒がスリッパの音をたてて風呂場へ消える。
「洗濯機、回すわね」
磨りガラスの向こうの莉緒は、もう聞こえないのか返事がない。
悠子は洗濯槽に放りこまれた下着を見つめ、喉元が狭まるのを感じていた。
最近下着が随分おしゃれになるなど気になる箇所は多々あったが、それも年頃のせいだろうと納得してきた。
だが今日初めて見る純白のブラジャーとパンティは、女子高生にしては大人っぽい。細いウエストのストリングや3/4と浅いカップが艶かしい。
(あの娘、まさか彰人君と)
悠子自身箱入り娘として育ったため、夫しか知らない。よもや娘がこんなに早く性に関心を持つとは信じたくないし、そうであってもどうしていいかわからない。
しかも相手が彰人だから余計に混乱する。
悠子は愛娘に手を出されることへの困惑と同時に、胸に湧きあがる嫉妬のようなモヤモヤに慄き、雑念を掻き消そうと、洗濯機のスイッチを押した。
(次回更新は9月19日です)