ホテル ハレム 彼女の母と義母が獣になった夜 2
2 熟女フェロモン
(どうしてだろう、莉緒ちゃんもいないのに、僕だけ呼ばれるなんて)
土曜日の午前、悠子の家に招かれた彰人は、ソファに浅くかけ所在無げにしている。
「ごめんなさいね、急にお呼びして。今日は大学はよかったの?」
悠子はスリッパの音を静かにさせながら、キッチンから華やいだ声をかける。
「ええ、土曜はもともと授業をとってなくて、母も稽古事に出かけてます」
落ち着きない彰人に微笑みかける悠子のベージュのタイトスカートから太腿がむっちりとはみ出し、白ニットのボートネックの襟ぐりからバストのデコルテが覗く。
「そうなの、じゃあゆっくりなさって、いまお茶を淹れるわね」
タイトスカートに包まれた尻山が、歩くたびにひしめき合うようにして揺れる。布を押しあげるこんもりとしたヒップは四十路特有の肉づきを誇り、ニットの中のEカップのバストもそれにつれて上下に弾む。
アップに結いあげた黒髪が色白の横顔をさらに際立たせ、耳朶がほんのり紅に染まっているのが美しい。
(綺麗だなぁ……おばさんていうより、お姉さんみたいだ)
莉緒の母だというのに、彰人はキッチンに立つ後姿に見とれていた。
(あんなに綺麗なのに未亡人だなんて、彼氏とかいないのかな、男ならほうっておかないよな)
ニットの下の隠しきれないボディラインを目でなぞる。めりはりの利いた肢体はやわらかそうで、熟れた果肉を思わせる。
(大人の女性の身体って、どんなだろう……やわらかそうだなぁ)
「さあ、どうぞ……彰人君、お砂糖なしのストレートだったわね」
「あ、はい、ありがとうございます」
いやらしい妄想に浸っていた彰人は、ソファの上で居住まいをただす。
悠子はほつれた後れ毛を耳にかけ、L字ソファの角に浅く腰掛けて足を組んだ。
彰人は、タイトスカートから覗く膝と膝の奥に視線を泳がせては、外す。
(ああ、あとちょっと……もうちょっと……)
太腿の間がちらりと見えそうで見えない、じれったさが男心をくすぐる。
悠子が落ち着きなく組みなおすたびに、そのチャンスは訪れるのだが、腿肉が擦れるだけで奥の秘密までは拝めない。
(どうしたの悠子さん……なんか怒ってるみたいだけど、いつもより色っぽいや)
先ほどから無言のまま彰人を見つめては視線を外す悠子の様子は、どこか不安げで、頬もやや紅潮している。
その悩ましげな表情が、かえって艶かしさを増し、彰人の鼓動まで早鳴ってくる。
(どう言ったらいいのかしら、いやぁね、緊張しちゃう……)
悠子もまた鼓動が速くなり汗をかき始めて、タイトスカートの居心地が悪くなっていた。脚を組みかえるのは、ソファの座面に汗が滲むのを感じていたからだった。
(彰人君たら、さっきから変なところばかり見てくるわ)
これから、娘の彼氏にとんでもない問いかけをしようとしているというのに、当の彰人は悪びれた風もなく、スカートの奥ばかり覗きこんでくるから困る。
「いつも莉緒と仲良くしてくれてありがとうね」
「いえ、そんな」
悠子は言葉を選びに選んで、たっぷり間を置いて喋りはじめた。
「でも、あんまり無理なことはしないで、この前みたいに遅くなったら心配だから」
「そうですよね、すみません」
組んでいた脚をほどき、膝をくっつけて居住まいをただす。泳いでいた彰人の視線が残念そうに地に下りたところを見計らい、悠子は咳払いをひとつした。
「この間は、映画観ていたっていったけど、何の映画なの」
彰人はまっすぐなだけに、嘘が下手だった。
(やっぱり……嘘だったの)
沈黙が二人の間に流れ息苦しさにニットの下のバストが膨らむ。
「あら、思い出せないの」
「いや、その」
「映画じゃなかったのかしら……じゃ、どこか別のところへ?」
「…………」
「ねえ、彰人君」
あの日からちょうど一週間。悠子は彰人と莉緒の関係が腑に落ちなかった。莉緒に聞こうと思ったものの、関係がぎくしゃくする怖さから何度も言葉を呑みこんできた。それならば、彰人に尋ねようと思い、莉緒のいない間を狙って彰人を誘い出したのだ。
「……すみません、僕が無理やり」
「えっ、無理やり?」
思いもよらぬ言葉に、悠子が膝をにじり寄って聞き返す。開きかけては躊躇って噤む彰人の口元をじっと見つめる間、身体が震えた。
「無理やり、ホテルに誘いました……」
悠子は予想はしていたものの聞きたくない事実を突きつけられ、心臓が口から飛び出しそうになった。
(なんてこと……そんなの、信じたくないわ)
太腿とソファの座面の間にじっとり汗が滲み、ニットに脇汗が滲んでゆく。
「彰人君、なんてこと」
「すみません、でも、でも何もしなかったんです、キスしただけで、何も」
キスだけでもショックだが、それ以上はなかったと聞き、束の間の安堵を覚えた。
「そんなことが……」
悠子は早鳴る鼓動を抑えながら、からからに渇く喉に目を細めた。
「若い男の子だから性に興味があるのはわかるわ、でも、あの娘はまだ高校生よ……そんなこといけないわ」
「すみません、わかってます……つい、我慢できなくて」
彰人が顔を真っ赤にして膝の上で手を合わせた。
「自分でもどうしていいかわからないんです……その、女の人との経験ないから、頭の中でばかりいやらしいこと考えちゃって」
突然の童貞告白に、悠子の芯が、きゅうう、と縮みあがった。莉緒との関係を聞かされたうえに未経験の身を知らされ、頭の中が混乱してまとまらない。
(大学生なのに、まだ女性を知らないのね……それじゃ苦しいのも無理ないけど)
「もう、変になりそうなんです」
「……そんな」
「どうしよう、おばさん……つっ」
彰人が顔を歪め手のひらで股間を覆った。辛そうな横顔が心配で悠子が覗きこむ。
「どうしたの」
「……ごめんなさい、こんな時までここが……食いこんで痛くって」
恥ずかしそうに開いた手の中には紺色のズボンの前帆が雄雄しく張り出していた。
「まあ……」
莉緒という彼女がありながら、母の悠子にも目を奪われ勃起してしまう彰人に心が揺すぶられる。夫を亡くしてからというもの身持ちの堅かった悠子は、久しぶりに目にする男の滾りに頬を染めるしかなかった。
「どうして……彰人君、どうして」
「悠子おばさん、色っぽすぎて……そんなムチムチの身体みせられたら、僕、僕……」
涙を滲ませる彰人の手をとって宥めようとした悠子は、その手を股間に押しつけられ息を呑んだ。
「ほら、こんなになっちゃったよぉ、どうしようおばさん」
大学生とはいえまだ初心な青年に過ぎない。がっしりした肩を落として急に頼りなげに泣き言を並べる彰人が可愛らしい。
「どうって……どうしましょう彰人君、そんなに悲しまないで、ねえ」
股間に押しつけられた手に確かな硬さと熱を感じ、悠子は頬を赤らめる。
「もう我慢できないよ、ここが苦しいんだ……」
(どうしたらいいの……そんなこと無理よ、でもこれ以上我慢させたら、彰人君、過ちを犯してしまうかもしれないし)
悠子は強張っていた手のひらから力を抜くと、優しく勃起を撫ではじめた。リズミカルに、弧を描くように、勃起と彰人の顔を見比べては、また繰り返してやる。
「こうしたらいいの? ここを楽にさせてあげましょうね」
「えっ……ゆ、悠子おばさん」
「苦しんでいる彰人君を見ているのは辛いわ……さあ、今日だけ特別に気持ちよくさせてあげる……そのかわりあの娘には何もしないで」
覚悟を決めた悠子は、そろりとソファから尻を落とすと、カーペットの上に横座りになって上目遣いに彰人を見つめた。その黒目がちな瞳を興奮に濡らし、睫を小刻みに震わせている。
恥ずかしそうに目を伏せて唇を尖らせる彰人がいたいけで、その頬に、そっと手を伸ばして触れてやる。
(莉緒ちゃんとはダメよ……そのかわり私がお手手でしてあげる)
「そう……大丈夫よ、さあ力を抜いて」
「うん」
悠子は床に膝立ちになると、彰人の足と足の間に身を沈め、ベルトのバックルに指をかけた。自ら男を脱がすことなど初めてで、指先が震える。
(ここは毅然としなくちゃ……彰人君、初めてなんですもの、大人の女性がリードしてあげないと)
「悠子おばさん」
「なあに」
ベルトを抜きボタンを外してやると、ジッパーに手をかけ、静かに下ろしてやる。異様なほどに出っ張った前帆につっかかってなかなか下りないが、山の頂を越えると、あとはなだらかに下降するだけだ。
「痛くない? お尻をあげて……ああん」
中から淡いグリーンのボクサーパンツに包まれた勃起が飛び出し、悠子の鼻先にぶつかった。前帆には無数の先汁が染みになって抑えきれない欲情を露わにしている。
「ああん、お汁がこんなに」
「恥ずかしいよ」
若いみずみずしさを感じて、頬を染める。悠子はボクサーパンツの上から異形に触れると、五本指でやさしく包みこんだ。温かい肉棒が中でピクリと跳ねるのが伝わり、そこだけ違う生き物のような不思議さに囚われた。
「あったかいわ」
「悠子おばさん……しごいてよ、はちきれそうだ」
悠子は腰を突き出され、切れこみから指をそっと忍ばせると、中から赤黒いイチモツを取り出した。
「ああん、すごぉい……こんなに」
指の間ににょきっと顔を出す天狗鼻をまじまじと見つめる。
彰人の体格からしてある程度のサイズは予想していたものの、雄雄しい巨根に息を呑んだ。まるまるとした鈴口の亀裂からは透明の汁が湧き出し、今にもコロリと垂れそうなほどの露玉を宿して震えている。
「ああ、しごいてよっ、こうしてよ」
手に手を添えられ根元から鈴口までしっかりと扱くように求められ、頭を押さえこまれた。
「だめだ、爆発しそうだよっ」
「あむううっ! むふっ……むううん」
肉太の棹が唇に押しつけられ、左右に擦りつけられる。しょっぱいカウパーの味が舌先に広がり、前歯に肉の弾力がぶつかった。
「むううん! あむう」
鈴口にこじ開けられ、唇が捲られる。悠子が観念して唇を軽く開けると、勢いに乗じた肉棹が野太い図体を潜りこませてきた。
(いやぁ! どうして、どうしてこんなこと……)
「うううっ、あああ……悠、子さん……」
夫にすら施したことのないフェラチオを求められ、悠子は震える舌で肉棒を包むと唇をすぼめてしゃぶりついてやった。
「すごいよ、ああ、気持ちいいよぉ」
暴れ棒に闇雲に内頬を穿たれ、品のよい面立ちが卑猥に歪められる。抜き差しのたびに唇が内側から捲れ、溢れる唾が顎に伝い落ちる。
「ぐふっ、むうううん、あぬうう……」
舌を尖らせ肉棹の包皮をしごくように舐めては、強く吸いたてる。鈴口から先汁が滲んではしょっぱいぬめりが舌に広がって、悠子は眉を寄せて頬を凹ませた。
盗み見た彰人は、ソファにだらしなくもたれ、下半身を晒している。小鼻を膨らませ唇を開き、顎を出している様は、無防備そのもので愛らしくなる。
「ぐふう、あむう……ぐふっ、なんて大っきいの、顎がはずれそう……むううん」
「おばさん……悠子さん……ああ、いいよ」
「んふうっ! ああん、だ、め……私はいいの……むふううん」
ボートネックの襟ぐりから手が捩じこまれ、たわわな乳房を掴まれ思わず声をあげた。ブラジャーのカップの内側に忍びこむ指に乳首を弾かれ、あまりの気持ちよさに、つい尻を揺すった。
「ああ、やわらかいおっぱい……ここだけプツンて硬くなってるよ」
豆粒を中指と人差し指に挟まれ、きゅっきゅっ、と刺激されるたびに、タイトスカートの奥がわななき、切ない表情を浮かべた。
「だめぇ、私はいいの……彰人君、気持ちよくなって……うくううっ」
女性経験がないとは思えぬ指使いに膣奥から熱いものが湧き出して、パンティを汚した。長いこと忘れていた女体の反応に自ら驚き、愛液に恥じて股をきつく閉じる。
「悠子さんも感じてるんでしょ、お尻がクネクネして……ほら、乳首が勃ってる」
二本指で弾かれ、いけないと思いつつもよがりを洩らしてしまう。唇に肉棒を突っこまれたまま両の乳首を弄られ、尻をくねらせて下腹部の疼きに身を捩った。
「あ、あ、……だめだ出るよぉっ」
舌でカリ首をこそげてやった瞬間、彰人が腰を引き棹がずるりと抜かれた。
「……きゃっ」
悠子は思わぬ力で抱きかかえられると、ソファの上に仰向けにされ、唇を押しつけられていた。
分厚く乾燥した唇がめちゃくちゃに擦りつけられる。下唇がめくられ、前歯が触れあいカチンと音がするほど強くぶつかった。オレンジ色のルージュのぬめりに乗じて彰人の唇がうねうねと蠢き、芋虫のように這い回った。
「悠子さん」
「むふうん……ああん、彰人く……ん」
ファーストネームで呼ばれる気恥ずかしさに、肩を竦める。首筋に吸いつかれ、痛いほどの接吻を受ける。その瞬間悠子の脳裏に莉緒の首筋についたキスマークが甦り、眦をぴくりとあげた。
「ううう……俺、止まんないよっ」
いつも行儀よい彰人から発せられた「俺」という乱暴な言葉も悠子の耳を刺激する。
顎からデコルテにかけて舌を這わされ、熱い唾液がすぐさま外気にふれてひんやりとする感触がなんともいえない。それとともに唾の酸い匂いが立ち昇ってきてエロティックな気持ちが湧きあがる。
「んふっ」
ニットがウエストから捲りあげられモカブラウンのブラジャーのホックを外された。
(あぁん、こんなことって……いけないことよ、娘の彼氏となんて)
白い餅のような胸の頂に緋色の実がふたつ並んでそそりたっている。
「すごい……大きなおっぱい……吸ってもいい?」
答える間もなく、彰人が武者震いしながら左右の豆粒に吸いつき、前歯を立てて引っ張りあげた。
「ああ、やわらかいや」
「あんうう! んふっ……だ、め……違うの、彰人君を気持ちよくさせてあげるのぉ、私は、違うの……んんっ」
甘噛みの痛みさえも心地よさに変わり悠子のパンティに新しい染みが広がってゆく。
重量たっぷりの乳房を下から持ちあげられ、親指の腹で弧を描くように豆粒を刺激され、心地よさに力が抜けてゆく。彰人を射精に導いてやるはずが、悠子のほうがペッティングに蕩けはじめている。
悠子は美しい顔を歪めて、そういうのが精一杯だった。
(次回更新は9月26日です)