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辱めないでください 息子の嫁と家政婦 1

第一章 淫蕩の家 清楚嫁と家政婦と悪魔義父 「はぁ、あっ、あんッ! あっ、イ、クッ……イクぅッ!」  宵闇に覆われた和室の中央で、白い脚が勢いよく宙を蹴りあげた。爪先がキュッと丸まって、電流が奔るかの如く不規則に痙攣し、何度もビクつく。正常位で貫かれている女の顔は見えなかった。だが部屋中に響く歓喜の嬌声が、赤黒い男の背中へ縋るように回した手が、絶頂を迎えた牝の悦びを物語っていた。 (嘘……でしょう。お義父さんと桜子さんが……セックスを……)  引き戸の隙間から室内を覗く優佳は、眼前の光景に絶句していた。  和室に敷かれた布団の上、交わっている男女は義父の芳村達男と、達男が雇っている家政婦の鶴岡桜子である。確かに義父は独り身であるし、夫の実家であるこの家は達男の所有物だ。家政婦と性行為をしたところで別に問題はない。 (でも……この二人が男女の関係にあるなんて……ああ、信じられない) 『大丈夫ですよ、優佳さん。私も他人です。居候仲間として、困ったことや不安があればなんでも相談してください。きっと力になれますから』  引っ越し初日、緊張する自分に掛けてくれた桜子の言葉は一言一句覚えている。そのときの落ち着いた声音も、笑顔を支える首の角度まで思いだせた。 『何に遠慮することなく、我が家のように暮らしてほしい。息子が何年も君に迷惑を掛けたんだ。君には穏やかな人生を過ごす権利がある。いいね?』  そう言って細められた義父の優しい瞳は、憔悴していた当時の優佳には菩薩の眼差しに見えた。思わず目頭が熱くなったものだ。  そんな二人が今、獣となって粘膜を擦りつけている。優佳も二十八歳の人妻であり、男女の性事情にも理解はあるが──やはり、現実味が持てなかった。 「またイッたのか牝豚め。わしはまだ一度も出しておらんというのに。久しぶりで嬉しいのは判るが、少しは辛抱を覚えたらどうだ」  義父はオーガズムに震える女を見下ろして嗜虐的に囁く。その呼気は乱れているが、掠れた女の息遣いに比べれば余裕がありそうだった。 「あ、ああ……申し訳ございません……達男様のおち×ぽが、ご立派で……はぁ、あぁ……桜子の奴隷ま×こは辛抱ならないのです……お許しください……」 「言葉で請うくらいなら行動で示せ。わしに跨って腰を振らんか」  男は冷徹さを感じる言葉を放ち、桜子から腰を引く。女は「ああ……」と寂しげな声を漏らした。ペニスが抜けたことへの寂寥感が滲んだ吐息は、同性である優佳までゾクリとするほどに官能的なものであった。  義父が仰向けになり、桜子は身を起こす。女の白い肌は僅かな光も反射して、闇の中で淡く輝いていた。量感のある乳房が女の息遣いに合わせて揺れている。三十九歳の熟れた女体が放つ色気に、優佳は状況を忘れて息を呑む。 「それではご主人様……おま×こ、失礼いたします……」 「こらこら、久方ぶりで忘れたのか?」  腰を落とし、ペニスの根元を掴み、今まさに結合を果たす直前──達男の言葉に桜子はピタッと静止する。 「で、ですが二階にはお二人が……大きな声を出すと、聞かれてしまいます」 「お前のような変態牝豚には褒美だろう? 言っておくが、一度でわしが満足しなかった場合はセックスも終わりだからな」 「そ──そんな、困りますッ! もう一ヶ月もお迎えしていないのにッ!」  桜子は必死の様相で叫ぶ。その表情は満足に見えないが、狂乱に陥っているのは間違いない。「だったらやりなさい」と義父の声が静かに響く。厳かで有無を言わさぬ言葉に肌がヒリつく心地を覚えた。圧倒的な牡の威圧感を前に、牝の本能が戦慄するようであった。 「わ、私の……達男様専用の性処理奴隷、桜子のオナホま×こに……はぁ、あ、あ……この逞しいち×ぽの挿入許可をください……マン汁塗れのハメ穴に……あ、ああ……どうか、どうかお願いいたします……ち×ぽをお恵みくださいッ」 (な……なッ……!)  普段の声音からは想像もできない叫びをあげ、桜子はヘコヘコと腰を揺する。肉房が先端から汗粒を散らして躍り、牝のフェロモンがぶわっと宙に舞った。 「よぉし、いいだろう。挿入を許可してやる。お前が何万回イこうが、わしが射精するまで腰を止めるなよ」 「あ、ありがとうございますッ……では……あ、あッ……ああンッ!」  桜子が腰を落とした。首筋が反り返り、汗だくの身体が痙攣に見舞われて、鼻先がビクビクと跳ねる。義父は乳房を右手で鷲掴みにすると、何の配慮もなく先端を抓りあげた。 「ううッ……そのように引っ張っては……あ、ああ、ちぎれてしまいますっ」 「お前のマゾ乳首がこの程度で切れるものか。それにま×この締まりが良くなったぞ変態。ほら、早く腰を動かせ。少しでも手を抜いたら承知はせんぞ」 「あ、ああ……判りました……はぁ、はぅ、ンンッ、あっ、あんッ、あんッ」  カエルのような格好で股間を躍らせ始める。結合部が見えない分、肉打ちの音に意識が集中した。なんて淫靡な音色なのだろう。豊かな太腿の付け根が重なり、粘ついた淫汁が潰れ、跳ねる乳房同士がぶつかって淫音を奏でていた。  女は蟹股で騎乗し、肉欲の激流に身を委ねて性器を激しく擦りつける。情緒も品もない性交渉に──しかし優佳は、瞬きをするのも忘れて見入ってしまう。 (桜子さん……演技じゃなくて本当に感じてる……そんなに凄いの……?)  ドクン、ドクン……ただでさえ破裂寸前の心臓が暴力的な脈打ちを繰り返す。優佳はごくりと生唾を飲む。もう少し──もう少しだけ──浅ましい欲求に駆られて、視線の角度を変えようと身体を動かした。その瞬間、股の間に粘ついた水気を覚えて愕然とする。 (う……そ。私……あ、あそこが濡れて……!)  寝間着を恐る恐る見下ろすと、股間の部分だけ色が濃くなっているのが判る。下着を穿いているのに。触ったわけでもないのに。寝間着にまで船底型の染みが浮いていた。義父と家政婦の淫行を見て発情したのだ。己の身体が示す牝反応は信じがたいが、腹の底を苛む熱い疼きを否定することはできない。 「あっ、ああん、イクッ! 桜子イキますッ! イクぅうううッ!」  桜子の咆哮にハッと顔を上げる。喜悦を極めた女は天井を恍惚と見上げ、絶頂に裸身を波打たせる。だが余韻に浸るのは一瞬だ。家政婦は張り詰めたままの太腿を痙攣させながら、下品な蟹股騎乗を再開する。ふーッふーッと息を荒げ、ガクガクと震えながら必死に腰を動かすさまは哀れな奴隷そのものであった。 「流石はわしの可愛い桜子だ。言いつけを守れて偉いぞ。褒美をくれてやろう」 「ほ、褒美……」  ごくり……桜子が唾の塊を飲む音が大きく響いた。義父の手が女の腰をガシッと掴む。夫とは違う──脂肪と筋肉が連なった腕で桜子の身体を固定すると、達男は股間をズンッと女の最奥に向かって突きあげた。 「くひぃいいンッ!」  悲痛な叫びをあげ、桜子の背中が弓なりに反った。義父はそのまま腰を振り始める。肉槍による苛烈な刺突が、桜子の蜜壺に容赦なく襲い掛かった。  まるで掘削用のドリルで女体を穿っているようだ。だが女が嫌がっているようには見えない。幸福の嵐に四肢を揉まれ、髪を振り乱し、唾を散らして──狂悦に乱舞していた。 「さあ、ご褒美をくれてやるぞ! 何が欲しいんだ便女ッ!」 「はぁ、ああっ、精子ッ……ザーメンですぅッ! セックス依存症のザーメン中毒のコキ捨て穴にっ……あああ、精液を注いでぇッ」  達男の律動が加速する。桜子もまた、男の腰打ちに合わせて股を躍らせた。これが一度や二度ではなく、何度も繰り返してきた行為なのだと判る。数ヶ月──いや、一年──下手したら何年もの間、二人はこうして交わり続けてきたのだ。 「お、おお……出るッ、出すぞオナホッ!」 「ああ、ああんッ! さ、桜子もイクッ……あああ、ご主人様の子種を感じながらイキますッ……はぁ、はぁッ……イ、クッ……イクぅうううッ!」  桜子は猫が伸びをするように身体をしならせた。義父の尻は布団から浮きあがって、えくぼを作ってぶるっぶるっと震える。あれほどケダモノじみた声で、暴虐的なセックスに及んでいたのに、その瞬間に二人は奇妙なほど静寂した。  熱っぽい呼気だけが淫猥な空気を揺らす。達男は何度か腰を上下に振った後、ようやく尻を布団に戻した。桜子の身体が脱力する。義父の上にぐったりと伏せた家政婦は、感謝を示すように男の胸元へ頬擦りした。義父もまた、犬を愛でるように女の髪を梳く。二人は視線を交錯させ、余韻の中で唇を重ねた。 (終わった……の? なんだったの……今の……私は、何を見たの……)  和室の前に立っていた優佳は力なく膝を折り、尻もちをつく。もはや優佳の頭では情報を処理しきるのは不可能だった。桜子の口から放たれた言葉が、義父の荒々しい暴言が、今も頭蓋骨の内側で反響しているような気がした。 「戻ら……ないと……もう……寝なくちゃ……私……」  自分に言い聞かせるように呟き、優佳は砕けた腰を起こして、夫の眠る寝室に向かって階段を上がる。一歩踏みだすたび、熱く潤んだ股座が下着に擦れて、牝の疼きが女体を苛んでいた。 (次回更新 1月9日)