フランス書院編集部発

【2018年4月9日】

第20回フランス書院文庫官能大賞、結果発表

「第20回フランス書院官能大賞」(11月末日締切分)にご応募をいただき誠にありがとうございました。

編集部で厳正な審査をおこなった結果、下記の通り決定しました。

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大賞
該当作品なし

新人賞(賞金30万円)
「倶楽部マスクナイト」(R.Mさん)

特別賞(賞金30万円)
「特殊性癖特区 秘めた願望を持つ女の子たちの露出調教から始まる恋」(T.Nさん)

ノンフィクション部門
該当作品なし

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■受賞作講評

■新人賞

「倶楽部マスクナイト」(R.Mさん)

毎夜、淫らなショーが繰り広げられる「倶楽部マスクナイト」。貞淑な未亡人と高貴な人妻がある事件をきっかけに、この性の楽園に招かれ、徹底的に調教されていく――。
結城彩雨、千草忠夫の系譜を継ぐ可能性を感じさせる純粋なSM小説と言えよう。未亡人と人妻は「母娘」であり、未亡人にとっては義父、人妻にとっては祖父にあたる厳一郎との濡れ場が秀逸。責めの執拗さ、そして何より世界観の素晴らしさが強く印象に残った。
現在、SM小説はセールスにつながらないことが多い。だが、この作品ならと期待させるポテンシャルがあった。異例の早さではあるが、フランス書院文庫5月刊での刊行が決定している。読者の皆様の評価が、今から楽しみでならない。

■特別賞

「特殊性癖特区 秘めた願望を持つ女の子たちの露出調教から始まる恋」(T.Nさん)

近未来、性欲や特殊な性癖をこじらせた若者の行動が問題化。公然わいせつ事件が多発。政府は通称「露出プレイ自由特区」を作り、そこに若者たちを閉じ込めた――という話。
御堂乱の『奴隷新法』のように、特殊な設定を利用した官能小説が徐々に受け入れられつつある。にしても、いまだに(二次元ならともかく一般向け)官能小説の主流ではない。にもかかわらず、長編に仕上げた著者の意欲には、最大限の賛辞を送りたい。設定はおもしろいのだけれど濡れ場は物足りない、というパターンが多いのだが、この著者は濡れ場もしっかり描け、何より露出癖のある女の子たちがかわいい! 実は設定以上にそこを評価したい。

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以下、惜しくも受賞を逃した作品についての講評です

「美女神たちの愛情性教育」(H.Yさん)

叔母と女教師から性教育をしてもらう少年のお話。男女の会話を中心にストーリーが運び、テンポが良く、とても読みやすい。セリフが四文字言葉に頼りすぎるきらいはあるが、視点の切り替え等、「小説」の形もしっかりしていた。また、かつて叔父からアブノーマルな性を教わった女教師のキャラ造形は魅力的だった。王道の誘惑ものに仕上がっている。
ただ、展開が古典的すぎると感じた。夢オチから始まってオナニー目撃、最後の一線だけは守ろうとする叔母……。昔の官能小説と違い、今はセックスをすることにそこまでの禁忌感はない。とても良くまとまっている作品ではあるが、「安定」しすぎている。新人らしい意欲的な試み、弾ける躍動感が欲しかった。

「美しい隷属」(A.Yさん)

この作品についてはストーリーの詳細は省略する。凌辱少年が次々と女を襲う展開――弊社では「暴走系」と呼ばれているジャンルだ。セリフに独特のセンスがあり、官能への尋常ではない熱を感じた。行間から女性の尻を突いたときの音が実際に聞こえ、飛び散る汁まで見えるようだ。凌辱の手段として容赦なく睡眠薬を使うのも、かったるいことをやってられっかよ、という著者の「ロックなスピリッツ」を感じる。
もっとも、セリフと地の文のバランスなど、小説の形という点では未熟な部分もあった。自身のほとばしる情熱をまだコントロールできていない印象だ。地の文がびっしりつづく場所は「重すぎる」と感じたし、端々に荒さは目立つ。ただ、力の抜き方を知らないのは若さであり、むしろ好感を覚えた。

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つづいて、ノンフィクション部門の講評です。

「ダッチワイフ進化論」(A.Iさん)

ダッチワイフの語源は、熱帯地方で夜の寝苦しさを解消するために使用される竹製の抱き枕にある。インドネシアを植民地支配しているオランダ人が愛用し、欧米で「オランダ人の女房」と言われるようになった。旧日本陸軍が戦地用に開発したダッチワイフ、1956年の第一次南極越冬隊における、文部省の依頼で製作されたダッチワイフ3体など、興味深い話は多かった。
だが、過去の他の応募作にも見受けられたことだが、他の著作からの引用、二次情報が多かった。なるべくは自身が集めた一次情報、考察を盛り込んでほしかった。

「僕のキャットファイトファン日記 ~365日追っかけの日々~」(H.Mさん)

女性同士のとっくみあいや喧嘩を見せるキャットファイト。観客は30~40代の男性が中心だが、女性が1割いるという。ちなみに著者は女性である。さまざまな試合形式があり、リングサイドのお客さんが選手を水鉄砲で撃ちまくる、「水責めマッチ」、何十リットルものローションを使う「ローションマッチ」など、様々な試合スタイルがあるという。キャットファイトの源流が、女斗美(めとみ)と呼ばれる女相撲にあることなど、興味深い話は多かった。
本作は、完全な「日記スタイル」をとっており、一年にわたる著者のキャットファイト観戦記が主流になっている。当然かもしれないが、用語等も含め、キャットファイトに詳しい人ならともかく、外部の人間が読んだ場合、わかりづらい部分もあった。その点でもう少し「やさしい記述」を補足して欲しかった気がする。

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次回の〆切は、5月末日です。
皆様のご応募、お待ちしております。

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