牝檻

著者: 蘭光生

本販売日:1995/07/23

本定価:535円(税込)

ISBN:978-4-8296-0637-7

シチュエーション

裸身をあますところなく晒され、

恥辱の責苦に浮遊する女たちが気づいたとき、

女体が官能に目覚める。牝芯を抉る責め具が、

凌辱者の高まりが、夫とでは味わえなかった

悦楽の世界へと人妻たちを誘い、

“牝檻”に嗚咽がもれはじめる……

登場人物

ことみ(32歳)人妻

なみこ 人妻

えつこ(22歳)キャビンアテンダント

まほ(21歳)女子大生

まき(20歳)その他

本編の一部を立読み

「感度がいいというか、無知というか……たったこれだけの前戯でこんななっちまうとはね。奥さん、あんた、今まで亭主にこんなサービス、してもらったことないがないのかい?」

男の声で、琴美は羞じらいで体を縮めるようにしながら、小さくうなづいた。

「なんとまあ、もったいないことを! こんなきれいな女房のあそこを舐めもしねえでやるなんてよ。いったい、亭主はどんなセックスしてたんだい?」

「…………」

「もしかすると正常位しかやってねえじゃないか?」

琴美はその言葉に、また羞じらいを体から滲みださせた。

「やっぱりねえ……ま、男っていうのは勝手なもんでよ、他に女がいる奴は、自分の女房ンやテクニックを見せないし、テクニックを教えないっていうけどよ。もしかすると、奥さんの亭主も、そのでんらしいな。おうしっ!」

男は赤銅色に淫水焼けした逞しい肉柱を手で振りたてた。

「あ…………」

ついさっき、昼食前にその肉柱をしゃぶらされ、その肉柱で犯されたばかりだというのに、琴美自身びっくりしたくらいであった。

男の舌戯で、今まで知らなかった未知の官能の世界を垣間見た上に、まだ体がくすぶっているせいで、夫のより逞しく、淫らに赤黒い男の体が、琴美の性感をゆさぶってきたのである。

さっき犯された時は完全に気が動転し、貞操を穢されるという意識が先に立ち、もう無我夢中で悲嘆のどん底に突き落とされたために、とても官能に身をゆだねるどころか、性感すらほとんど感じなかった。ましてや男の醜い体などはただおぞましく、穢らわしいだけだった。その同じ体が、今の琴美には、まるでちがって見えたのだ!

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