本販売日:2013/06/24
電子版配信日:2013/10/11
本定価:765円(税込)
電子版定価:880円(税込)
ISBN:978-4-8296-1938-4
(誰かが私を見ている……ずっと見張られている……)
マンションの窓外に亜矢子が感じる不吉な視線。
夫が出張でいない夜、人妻の前に姿を現わした凌辱者。
リビングに押し倒され、下着を引き剥がされる35歳。
抉り込まれる肉茎、悲鳴はいつしか嗚咽に変わり……
澪香、由貴、ゆり子……飢狼に狩られる七匹の美妻!
<もくじ>
熟妻・亜矢子 三十五歳
Ⅰ 夫の留守中の悲劇
新妻・澪香 二十二歳
Ⅱ エレベーターの襲撃者
人妻教師・美沙都 二十九歳
Ⅲ 教え子の性奴隷にされて
新婚妻・由貴 二十五歳
Ⅳ 結婚式前夜の凌辱
人妻・ゆり子 三十三歳
Ⅴ 危険な訪問者
人妻探偵・美奈子 三十二歳
Ⅵ 仕組まれた罠
若妻・まどか 二十七歳
Ⅶ 偽医者の餌食に……
あやこ(35歳)人妻
みさと(29歳)人妻
ゆき(25歳)人妻
ゆりこ(33歳)人妻
みなこ(32歳)人妻
本編の一部を立読み
「どうだい奥さん。こんな風にされると、いかにも犯されてる感じがするだろ」
確かにそうだった。陽光降りそそぐ白昼の書斎。両手を縛られ、口もふさがれて背後から貫かれる。相手は会ったばかりの犯罪者。レイプの条件がすべて揃っているといってよかった。
(悔しいっ……こんな卑劣な男に……)
最後に夫と愛し合ったのは、南米へ発つ前日だった。渡航手続きに同行した後、ラブホテルに入ってあわただしく抱き合った。
絵梨香が生まれてからは、時々そういう場所を利用するようになっていた。そこだとはばかることなく大きな声を出せる。その時もそうだった。
もともとベッドの上ではつつましいたちだったが、ふっきれたように乱れるようになっていた。晃は特にテクニックを駆使するわけではなかったが、これが最後かもしれないという危機感に、性的な情熱をかき立てられるのだった。
あれから六ヶ月、孤閨を守り通してきた。自分では性的欲求が強いとは思わないが、体の方は状況や意思とは関係なく、馴染み深い行為に反応しはじめていた。
(そんなはずない……のに……)
尻肉をわしづかみにされ、ぐいぐいと突かれた。正常位を好んだ晃とは対照的に、この男はバックに執着しているようだった。執拗な尻への攻撃ぶりが、そんな嗜好性を表していた。
「最高だ、奥さんの尻。子どもを産んだとは思えんほど引き締まってて、ダブついたりしてない。スポーツでもしてるのか?」
ゆり子はかぶりを振った。凌辱者の問いかけに答える義理はないものの、何かで気をまぎらわせないと、深淵に呑み込まれてしまいそうだった。
「そうか。まれにそういう女がいる。引き締まっていながら、適度な脂がのって艶々している。男に抱かれるために存在してるみたいな尻だ。これからたっぷり可愛がってやるからな」
頭の中で炎が転がり始めた。猿轡をされていなかったら声をもらしていたかもしれない。こんな時にも感じてしまう敏感さが恨めしかった。
(あなた、助けて……まだ耐えられるけど、この調子で責め続けられたら、どうなってしまうかわからない……これ以上感じずにすむよう、力を貸して……)
男は単調なリズムで抜き差しを繰り返していた。独特な姿勢をとらしているわりには、他に技巧を駆使しているわけでもない。
それでも感じていた。潤いが少なかったのは最初のうちだけで、すぐにクチュクチュと湿った音がたつようになった。
「もうこんなに濡れてるぞ、奥さん。清楚な顔に似合わないスケベさだな。初めて会った男に犯されて、すぐこんなになるなんて、恥ずかしくないのか?」
ゆり子は下着を詰め込まれた喉の奥でううっとうなった。怒りと哀しみが入り混じったうめき声だった。
「今の奥さんの姿を旦那に見せたら、どう思うだろうな」
抽送のピッチがわずかに速まった。窮屈な姿勢のせいで抜き差しのスライドは大きくない。その分、もっとも敏感な膣の入口に近い部分を、続けざまにこすられることとなった。
(あうっ……早く終わって……)
転がり回っていた炎は飛び火し、あちこちに燃えひろがっていた。最初はくすぶっていた部分も、間断なき抽送を受けて炎上を始めていた。しだいに大きくなる火柱が、正常な意識を焼き焦がしていった。