重そうに揺れる赤みをました乳房も、下腹部の黒い翳りも、
亜紀子の素晴らしい全裸は、まさに夢のような光景だった。
秀雄の舐めるような視線に羞じらう姿がまたたまらない。
まさか可愛い嫁が絵画の裸婦モデルになってくれるとは。
空閨に泣く豊麗な女体の悲しさか、優しい心遣いか、
この熟嫁が、夜ごと奉仕し、癒してくれようとは……。
あきこ(32歳)人妻
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「なぜ隠すんだ? 両手をどけなさい」
競りにかけられるために立たされた女奴隷のようで、哀れさを誘い、それが嗜虐の気分をさらにかきたてる。
「ぁぁ……」
恐るおそる手をどけていく亜紀子の小さな口から、きわまる羞恥が嗚咽となってもれる。しゃがみこみたいのを必死にこらえているのが、悲しげに歪んだ表情に、ありありとうかがえた。
「…………」
秀雄は生唾を呑みこむ。声は出ない。
桃色より、なおも赤みを増した二つの乳房が重そうに肉をたわませる。その姿は、まさによく熟れた瑞々しい果実のようだ。呼吸するたび、大きく振幅する胸板の上で小刻みに震えるように揺れ、ゼリーのような柔らかな肉感をかもしだしている。その頂きでは、色合いを異にして丸くひろがった乳暈を従え、尖った乳首が少し硬そうな肉感を持って震えている。そうした胸全体の妙なる対照が、秀雄には艶めかしい食感となって迫り、口のなかに生唾が溢れてきてしまうのだ。
「…………」
文字通り、舐めるような視線に晒された亜紀子は、手の所在に困って途方に暮れ、思いあまったかのように両手で顔を覆っていた。
「…………」
乳房にとどまっていた視線が胸から腹、下腹部へ、なだらかな曲線に沿って、ゆっくりと這いおりる。そして一転して、艶やかに際だった黒い翳りに吸い寄せられ、逗留する。
そこには、陰毛とか恥毛という呼び名にはふさわしくない、むしろ人目を引かずにはおかない華やかさがあった。人の手で刈りこまれたように、見事に縦長の逆三角形を描いて生い茂った繊毛は、競い合うかのように毛先を跳ねあげ、絡まり合って、さながら黒い綿毛のように膨らみ、光を受けて濡れ羽色に輝いている。それは裸の肉体をさらに赤裸々に際だたせて、女体に淫らがましい彩りと煽情的な趣きを添え、男の欲情をそそらずにはおかないのだ。
「ううーん、たまらんな」
動悸は昂り、息は乱れ、体に震えが走る。