淫夢

失われた時を求めて

著者: 長谷純

本販売日:2003/01/10

電子版配信日:2013/10/18

本定価:660円(税込)

電子版定価:660円(税込)

ISBN:978-4-8296-6008-9

「お願い、このままずっと、わたしのなかにいて」

35歳の成熟した女体を震わせて喘ぐ人妻に溺れる的場。

「若い男より優しいおじさまに抱かれてる時が一番幸せ」

妻より、心清らかな令嬢風の麻美を愛してしまった小湊。

束の間、失われた情愛と熱情を求めてはいけないのか。

数奇な運命で結ばれた2組の男女が見た夢は、淫夢……

登場人物

まみ(25歳)令嬢

あき(35歳)人妻

まどか 水商売・風俗嬢

本編の一部を立読み

「信ちゃん、久しぶりだから、今日はいっぱいしてね」

衣服を脱ぎながら亜紀は甘えた口調で言った。少しずつ以前の亜紀が戻ってきているように、的場には感じられた。

「いいよ。何回でも」

「うれしい、ねえ、早く脱いで」

急かせるように言いながら、亜紀はもう全裸になっていた。

「そんなに急がせるなよ。時間は充分あるんだから」

「わたしには、充分にはないわ」

亜紀は妙なことを口にした。

「このあと、なにか予定でもあるのか?」

「ないわ。今日は信ちゃんと二人で抱き合うだけ」

「だったら……」

「うん。時間は充分にないって言ったのは……そんなこと、どうでもいいでしょ」

亜紀は途中で言葉をはぐらかし、裸になった的場をベッドに押し倒した。

「わたし、信ちゃんより年上でしょ。女の盛りは短いの。だからね、わたしに残された時間は少ないの」

的場の胸に顔を埋めるようにして、亜紀は小さな乳首に舌先を這わせてきた。突つきながら舐めたててくる。

「あああ……」

男でも乳首はけっこう感じるんだなと思いながら、的場の乳首は固く張りつめていた。

「もっと気持ちよくなりたい?」

顔をのぞきこみ、亜紀がいたずらっぽい口調で尋ねてくる。

「ああ、もちろん」

「だったら、気持ちよくしてあげるね」

亜紀は女体を下にずらして、硬直している肉茎の根元をそっと指先でつまみ、愛おしそうに口に含んだ。舌先を震わせるようにして、先端からリングの辺りまで入念に舐めまわされると、的場の上半身が震えた。

「気持ちいいよ、亜紀」

思わず女のようにうわずった声をあげてしまった。亜紀は無言でうなずき、太幹にねっとりと舌を絡ませて、しごきながらしゃぶりたててくる。

「まずいよ、イッちゃうかも」

三カ月近く前に亜紀を抱いてから今日まで、女性との接触がなかったので、刺激に敏感になっている。早くも強烈な快感に衝きあげられて、的場は切羽つまった声をあげていた。

「イッて。我慢しないで、口のなかに出して。その後で、ゆっくり楽しめばいいわ」

顔を上下に動かし、亜紀は激しく肉茎をしゃぶりつくした。

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