色白で豊麗な肢体、柔らかな物腰、愛らしい微笑……
景子が素晴らしい嫁だと意識したのは定年後。
息子が留守の白昼、嫁との生活。愛情が欲望と化した時、
男は理性を忘れた。ああ、それほど景子は艶めかしいのだ。
「お父さま、いけません。そんな恥ずかしいことは……」
貞淑な嫁に魔性が潜んでいるとは、抗う姿から予想だにしなかった。
けいこ(36歳)人妻
なつこ(34歳)人妻
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「好きだ。あんたのことが大好きなんだよ」
ささやきながら、乳房もおなかの肉もいっしょくたに左右の手でかきまわす。
もうやりたい放題だ。手がふさがってるのをいいことに、エプロンごとふくよかな肉体を撫でまくり、少しでも出っ張りを見つけたら、わしづかみにして、乱暴に揉みこんで、嫁が前屈みになったところを、いきり勃った一物で突きあげる。
激しくなる腰遣いに流し台がきしみ、サンドイッチにされた嫁がそのたびにうめく。
「ちょ、ちょっと。おっ、お父さんっ……」
景子は、押し殺した、蚊の鳴くような声を出すのが、やっとだ。すぐそこに子供がいるものだから、まともに非難もできず、抵抗もできず、せいぜいもがくしかなく、その美しい顔立ちは、もうなんだかすっかり疲れきったようになって、たっぷりかいた脂汗で、ぬらぬらに光っている。
あくまで、マイペースをつらぬこうというつもりらしい。
「そうそう、さっき畑中さんが……畑中さんの奥さんがさっき、ご、ごあいさつに、いらっしゃ、いらっしゃってっ」
まさぐる腕を腋で押さえつけ、いきり勃ったものから逃れようと、腰を振りながら、
「離れで、塾をはじめる、はじめるそうです……少しうるさくなるかもしれません、しれませんけれど……よろ、よろしく、よろしくお願い、いたしますって、っていうことでした……」
よれよれになりながらも、そうすることで、なにかが救われるように、一心不乱に嫁はしゃべりつづける。
「畑中さん、やっぱり、え、英語の先生でしたよおっ。学生のころイギリスに、りゅ、留学され、されっ、されてたそうでえっ……」
手が股ぐらにのびると、食器を洗う手がとまったが、流しの縁をつかんでふんばって、それまでだ。いたずらをよそに、嫁のおしゃべりはつづく。幸夫のその気を、なくそうとしてるらしい。
ならば、男っていうものを知らなすぎだろう。痴漢され、それでも仕事をつづけようと、けなげな努力をしてる女に、征服欲をかきたてられない男なんて、いったいどこの世界にいるだろうか。
いたずらに耐える嫁の、凛とした美貌を眺めながら、幸夫はすきまを探った。サイズが小さいというよりも、お乳がグラマーすぎるんだろう。ぴったり張りついてて、エプロンには寸分の余地もない。灯台もと暗しで、ようやくいいところを見つけたのは、腋の下だった。
エプロンのわきから、ポロシャツを張りつけたお乳がはみだして、これ以上はないだろうというほど、たっぷりしたカーブを見せつけている。横から覗くと、嫁がいかに大きな乳をしているかが、よくわかる。
幸夫は、わりあいゆるやかな背中のあたりに指を入れると、少しずつエプロンをひろげながら、ぐるりと縁を伝っていった。とうとう胸に達し、オッパイの底に指を突っこむと、飛びあがらんばかりに嫁が振り向く。
「お、お父さん!」
「しーっ。ほら、つづけなさい」
見張った目を、堂々と見かえし、流しに向かって顎をしゃくる。
「主婦はしっかり家事をしてればいい。わたしになんてかまわなくていい」
景子が大きく息を呑み、水をとめてから、もう一度こっちを振りかえる。文句のひとつも言わなきゃ気がすまないとばかりに、口を開けようとしたところで、幸夫はにやりと、大事なことを思いださせてやった。
「大声を出すと、あの子が来ちまうぞ。ママを心配して」