おのれの究極のエロを求めてエロスクラップを作り続ける男、みうらじゅん。その活動領域は21世紀へ向けてますます広がりを見せる。彼の性に対するその姿は真摯であり、そしてアブノーマルでもある。自らのエロの起源を赤裸々に語った180分。ためらいのない性社会に向けて、ラブ&アブノーマルなメッセージがここにある。
フランス書院文庫はやっぱり、ズリネタでしょ。これを文学というと、エロスになっちゃうでしょ。エロスって男の逃げでしょ。その方が女の子にも受けるし。エロとエロスは全然違う。エロの方が全然、上なのにエロス野郎の方が上に言われている昨今、嘆くねえ。たまにエロをバカにする人がいるじゃない。でもね、バカにされることで燃えることもあるじゃない。エロのいいところはバカにされていることなんだよ。エロスっていう男はなんか信用できないでしょ。だから俺は思うわけよ。エロスはエロの複数形だって。
俺はSM大好きなんだよね。ただし、解り合っているSM、和姦SMじゃないと絶対だめ。奴隷とご主人様ってちゃんと呼び合ってる楽しい世界。どんどんのめり込んでいくラブ&ピースな世界がいいの。俺が好きな綺羅さんの「暴虐学園」も基本的に和姦だと思うわけ。だんだん調教されて、Mに目覚めさせてあげてんだもん。結局は「愛」がないとだめなんだよね。今だからこそ綺羅さんと飲みに行くようになったけど、最初はね、ある雑誌でエロの話を書いた時に「綺羅光さんが好きだ」って書いたんですよ。そしたら飲み屋でバッタリ会って。やっぱ運命ってあるんだね。
俺、頑張って変態になろうと思って「調教だ!!」とか言ってみたけど、Mの期待に応えられなくなっちゃうんだよね。サドのSはサービスのSと同じで、応えていかなきゃならない。俺はこれが辛くてね。「ご主人様、つまんない」なんて言われちゃって、だめだ、俺、失格でしょ。Sだと思ってたのに、つまんないことに俺はノーマルだったね。
SMといえば、ニャン2クラブや投稿写真が今、すごく面白い。あれは毎月買うと調教が進んでるわけですよ。あの奴隷Mさんは「おぉー、今月ここまでいったか、頑張ってるなあ」と思うんだよね。俺が仕事をしている間でも調教が進んでて、その過程が見れる。たぶんそういう人って、仕事終わったら走って帰ってると思うんだよね。女房や恋人に会って、早く調教したいから。「はぁ、はぁ」って息を切らして帰って、縛ったりしてると思うと「うらやましいなー」と思うんだよね。
昔、エロ本買いに行って、買えた時の嬉しさっていったらもう、それ以上なかったじゃない。近所に行くとたいてい、おばちゃんが自分のこと知ってるから「じゅんちゃん久しぶりやなー」とか言われて買いたくもない本を買ってごまかしたりして。そんで遠くまで遠征に行って、エロ本を買えたときに走って帰ったあの感じが今はないんですよ。すっごい寂しくて…。やっぱりね、男は走らないとダメだよね。走ってないもん、最近。あー、走りたいなあー。今ではもう当たり前になっちゃってるからね。でも最近コンビニでは厳しくなったからね、これはいいことですよ。