小説家・評論家、そして競馬の予想に一喜一憂する男、高橋源一郎。特異な場所で特異な人物から性を学び、アダルトビデオ監督を務めた経験をもつ彼。そのク-ルな眼鏡に隠された眼球は全ての本質を見抜き、口唇はユ-モアたっぷりに自説を語る。よりハ-ドに喚起され続ける性の果てにあるものとは…。
フランス書院文庫を買う時は最初2、3ペ-ジを読んでから選びます。でもタイトルで未亡人とかスチュワ-デスとあるのはほとんど手を出さないですね。凌辱、暴行ものも買わない。敢えて挙げるならキャンパスものが好きかな。家庭教師、女子大生、女教師など学校という設定にそそられるものがあります。なぜならその設定では大体、女性が若いじゃないですか。35歳の人妻という心配はないし。牧村さんにしてもお母さんは若い、中学の子供で30歳の若妻。40過ぎの熟れた人妻だとちょっとね…。
表紙に関していえばあまり顔が見えてない方がいい。写真もだめ。イメージが限定されてしまうからね。例えば、モデルをイラストレ-タ-が書いた場合はその絵の方がいい。読むことは一種のバ-チャルな世界を創りあげることだから、生身の写真はまずいでしょ。もちろん表情は余計なものだし。
最近、フェチものの傾向がすごく増えてきましたね。一頃はレイプものが多かったような気がしたけど、最近はレイプというよりも年上女、おばさんが教えてあげる路線とフェチの合体系が多いですね。この傾向からすると、だんだん読者が幼児化してるんじゃないかな。オ-プンになったというより、レイプができない、つまり弱くなったのでしょう。昔は弱いからこそ小説など物語の中で強くなりたかったのが、最近はもう開き直り、自分が弱いことを認めてしまった。その方が楽だしね。
そういえば僕、20歳ぐらいの頃、家庭教師をしたことがあるんですよ。自分でいうのもなんですけど優秀な先生でした。教えた子は全部、志望校に合格してたし。でもやっぱり、かわいい子に教えているとくらっときた時がありましたね。距離は近い、密室で薄着、しかも相手の子は僕を信用している、条件が揃っているじゃないですか。理性で抑えて何もしませんでしたけど…。例えば僕が中学生や高校生だったら、絶対に集中できなかっただろうな。ただでさえ血が多い時期だし。こう考えるとやっぱり家庭教師ってエロい。