官能的魅力を表現し続けるレディースコミック界の第一人者、森園みるく。初めての女性放言者である彼女が自ら“体験至上主義”と言明するように、これまであらゆる性に対する積極的なアプローチを重ねてきた。人並み外れた好奇心を持つ森園みるくの飽くなき探求は更に加熱していく。
私がこうなったのも環境に原因があるんですよ。
父は教師で現代国語担当。すごい読書家で愛読書が三島由紀夫とか、小学生の頃から家中にたくさん本があったんです。だけどその反面、なぜか父は発禁本マニアで、そういうのばっかり集めていたんですよ。だから、私は小さい頃から意味も分からず、そういう本を読んでいた。中学生になった頃かな、その頃になるとある程度内容も分かってきますよね。「なんだこれは!?」ってようやく気づいたんですよ。ロリータの語源になった本や浮き世絵のノーカットとか、とにかくいっぱいありましたね。
そういう刺激的な本をいっぱい見て育ったので、やっぱりこういう世界に来るのは必然だったのかなって思います。
私は最初からエロを描いていたのではなく、少女マンガ家としてデビューしたんです。しかもギャグ系(笑)。当時、すでに結婚していたので、恋愛経験も当然あった。だから少女マンガでふわふわしたものを今さら描いてられっか!!みたいな気持ちがあったんですね。そんな時、ちょうどレディコミが出てきたからそっちに移って、今に至っているんです。。
今はどうか分からないけど、当時の少女マンガは一線を越えちゃいけないというのがあったんです。セックスまでいろんな障害あって、結ばれそうで結ばれない。そういうのを繰り返しているとなんか嫌気がさしちゃってね。少女マンガの感情が、自分の中にもう存在しないって分かったんですよ。
私はやっぱりストレートな大人の恋愛のほうが描きやすかったんですよ。レディコミは変態っていうんじゃなくて、とにかく欲求不満でヤリたいっていう女が読んでるのが分かるしね。「マンガ、見ながらオナニーしてます」ってよく言われましたよ。
今後は隠された厭らしさを描いてみたい。歌謡的な全裸で汗まみれでヤルのではないのを描いてみたいですね。セックスだって、服を着ていたほうがエッチな場合があるじゃないですか。そういう意味で、本当のエロをこれから描いていければいいかなと思っています。