僕のマンガはショートカットや髪の毛を結んだ女の子が多いんですけど、それはうなじが描けないとつまらないからなんです。マンガを描く上で首フェチはあるかもしれませんね。『ビリーバーズ』でも最初は髪が長かったんだけど、途中から切っちゃったし。うなじとか首を描けないと女の子を描いても楽しくないんですよね。フランス書院文庫の表紙で言えば、『双獣の棲む家　義母女医と二人の少年（鳳春紀著）』『養母と若妻　復讐の部屋（高竜也著）』の首はいいですね。細くて長いし。

女の子は細長のスレンダータイプが好きなんですよ。少女マンガの影響もあるんでしょうね。少女マンガの女の子は爆乳とか出てこないじゃないですか。昔のツィギーみたいな細型のガリガリ。だから鎖骨は必ず描いちゃうな。鎖骨は絶対に省略できないね。

リアルな爆乳って描くのがめちゃくちゃ難しいんですよ。どうしても嘘っぽくなっちゃう。爆乳は嫌いじゃないけど、難しいんです。現実に爆乳の女の子はいるんだけど、マンガで描いてしまうと“ちょっといねえよこんなヤツ感”が出ちゃう。胸を描くのは難しいんです。紋切り型のおっぱいは簡単に描けるけど、重力があるんですよ。

例えば、立っていれば少し下に垂れて、仰向けになればちょっとぺたんとなる。その感じが上手く描ければ楽しいんですけど、おっぱいは紋切り型になりやすいんです。あと僕はエッチなポーズよりも肉のへこみ具合を描いている時が楽しいですね。腕と腕の肉が合わさったら、どのように歪んで…みたいなね。

セックスシーンはあまりわざとらしいものにはしたくない。大体セックスってそんなに騒がないでしょ。決めのポーズみたいなのって興奮しないしね。けっこうそういうのが多いじゃないですか。たぶんエッチなマンガを描くのがあまり好きじゃなかったり、恥ずかしがって描くと紋切り型になっちゃうんじゃないかな。心の目を背けながら、金になるからしようがないという格好つけた気持ちで描くと紋切り型になりますよ。夢中になってエロを描かないと逆に恥ずかしいですよ。