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今月の放言

わたしは永遠のお姉さん!? 風祭ゆき

直筆短冊

にっかつロマンポルノの女王、風祭ゆき。細身の肉体からは想像しがたいほどの大胆な演技は、多くの男性を魅了し、幾度となく劇場へ足を運ばせた。そんな彼女は大きな美しい瞳を輝かせながら、今だから言える当時の思い出を語ってくれた。

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プロフィール 風祭ゆき

東京都生まれ。武蔵野音楽短期大学卒業。1974年、映画『竹山ひとり旅』でデビュー。その後、にっかつ映画で活躍。最近はドラマや映画など存在感のある個性派女優として活躍中。主な出演作品として『赤い通り雨』『セーラー服と機関銃』『愛の陽炎』『天と地と』『マンホール』『ドラッグ』など。

第1章 毎日、ハードルを越えていた

音大に通いながら、20歳ぐらいの時からドラマにちょっと出たり、準レギュラーをいただいたりしていたんですけど、もう一歩っていう感じでした。そんな時、たまたまプレイボーイの編集部の方が知り合いで、「もし、やる気があるんだったら…」って言われて初めてグラビアに出たんです。

撮影はグァム。当時、まだ外国は珍しかったので「海外に行けるなら、セミヌードになってもいいかな」っていう軽いノリでした。それにキレイに撮ってくれるっていうから、青春の思い出としてもいいかなと思ったんです。

なんか、女性って若い頃のキレイな姿を残しておきたいっていう願望があるのかしら。しかも、ただでグァムに行けるっていうおいしい話だし(笑)。プロのカメラマンにキレイに撮ってもらえるチャンスなんて、そんなにないじゃないですか。今日より若い日はないわけだし。これって美に対する女性の本能かもしれないですね。でも逆に、男の人に若い頃の裸を見せられても…、んー、それはいらない(笑)。

それで掲載された写真を日活の方がたまたま見て、「やりませんか」っていう話になった。こんな経緯でロマンポルノに出るようになったんですけど、裸になるのが慣れるかというとそうでもなかった。いつも一枚めを脱ぐときって胃がゴロゴロするぐらい戦ってましたね。

映画の場合は、恥ずかしさといかに戦うかがポイント。画面では部屋で一人でくつろいでいるように見せなきゃならないから、照れてちゃダメなんだって頭の中で戦っていました。

その代わり、自分との戦いを通り抜け、ハードルを一つ越えるとカメラマンとも通じ合えて、もっといい表情とかすごくキレイで記念になるものを撮れるようになるんです。

映画の撮影にしても、午前と午後に絡みのシーンがあれば、お昼を食べちゃうと普段の自分に戻っちゃうから、またハードルを越えなきゃならないっていう葛藤が常にありましたね。毎日が自分との戦いでした。

それがなくなって普通のお芝居をしてる時は、「なんか、楽…しすぎてる」って思いましたもの。とにかく、すっごい楽なの。自分と戦いながら一つのシーンを撮り終えるのとでは、精神的なプレッシャーが全然違いましたね。あらためて昔の大変さを感じました。

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