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今月の放言

わたしは永遠のお姉さん!? 風祭ゆき

直筆短冊

にっかつロマンポルノの女王、風祭ゆき。細身の肉体からは想像しがたいほどの大胆な演技は、多くの男性を魅了し、幾度となく劇場へ足を運ばせた。そんな彼女は大きな美しい瞳を輝かせながら、今だから言える当時の思い出を語ってくれた。

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プロフィール 風祭ゆき

東京都生まれ。武蔵野音楽短期大学卒業。1974年、映画『竹山ひとり旅』でデビュー。その後、にっかつ映画で活躍。最近はドラマや映画など存在感のある個性派女優として活躍中。主な出演作品として『赤い通り雨』『セーラー服と機関銃』『愛の陽炎』『天と地と』『マンホール』『ドラッグ』など。

第4章 わたしのタイプって…

ロマンポルノ時代の男性というものは、頼りになる、たくましい、仕事ができるという昔ながらのものですよね。理想でしょうけど、男性というのはそうであってほしいというか…ネ。

にっかつでやっていた時、私は24、5歳だったんですけど、相手役は同世代、もしくはちょっと上なんていうのはまずなくて、ほとんど40代以上の方。「また、おじさんだぁ…」って言いながら演技してたわ(笑)。

この前ね、女性限定のロマンポルノ上映会でお客さんからこんな質問があったんです。

「ラブシーンの相手が趣味じゃない、もしくは逆にドキッとする時ってあるんですか?」って。「わたしの場合、ほとんど趣味じゃなかったです」って言っちゃった(笑)。ほんとに若い人っていなかったわ。

今、熟女が流行っているみたいですけど、男性が年上の女性に憧れるっていうのはいつの時代も変わらないことなんじゃないかしら。女性だって、若い時は同世代の男性が子どもっぽく見えてしまって、年上の男性に憧れる時期って絶対にありますよね。逆に、若い男の子をかわいがりたいっていうのは、わたし、まだよく分からないんです。

まだ自分は子どもっぽいと思っているから、年上もしくは同世代の男性の方が気楽だったりしますし、自分が教えてあげるほど大人じゃないという意識があるのかもしれない。わたし、まだ目覚めていないんでしょうね。これからだと思いますけど(笑)。

でも、本人はそう思っていても、映画では大人の女の役が多かったんです。女教師ものが多かったし。他の女優さんと比べると始めたのも遅かったので、女子高生を演じられる年齢ではなかったっていうのもありますけど。

いや、でも当時同じぐらいの年齢だった太田あや子ちゃんは高校生役をけっこうやっていて、私は先生の役。なんでだろ?他の『セーラー服と機関銃』とか『探偵物語』も、アイドル役の女の子がいて、対抗する大人の女の役。「そういう位置関係なんだあ。でも、大人の役をできるのはいいな」って思ってましたけど。

あっ、そうかぁ、今まで、あまり意識したことはなかったけど、全部トータルして考えれば、わたしってそういうお姉さんタイプなんだ(笑)。今まで、あまり意識したことはなかったんですけどね。

そういうことで、わたし、これからは“永遠のお姉さん”でいきます(笑)。

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