魔性の美貌、グラマラスな肢体に益々磨きをかける青田典子。セクシーアイドル時代から常に男性の視線にさらされてきた彼女の心の内にあるものは一体何か?ポジティブな生命力が漲る30代の女性として、今の自分を露わに語ってくれた。
ナルシストだった私が嫌いだったのは胸。大きかったので、すごくイヤでしたね。邪魔だったぐらい。
例えば、ジャンパースカートを穿くと、肩からかかる紐がまっすぐになってくれないんですよ。胸の外、もしくは中に寄ってしまって、すっごいダサかった。だから、胸の上にちゃんとかかるように胸と紐をソックタッチで留めてたんですよ(笑)。
胸の大きさが男子の間では有名だったみたいで、体育の100m走とかになると、ゴールに男子が集まって胸が揺れるのをみんな見てるんです。それが、すっごいイヤだった。
その頃って男性が思うほど、胸の大きさは自慢にならないんですよ。「スタイルわるいなー。なくなっちゃえばいいのに」と思ってたし。ちっともいいものだと思わなかった。
私がそれまで見てきたものって、例えば少女コミックのキャンディ・キャンディにしても胸なんてあまり描かれてないじゃないですか。性的な部分ってないほうが理想だったんです。少女的なものに美しさを感じていたので、大人の体になるのがすごく嫌でしたね。少女でいたかったっていうか。
そんな心とは裏腹にどんどん体は大人になっていく。そんな自分にすごく反発してましたね。大人になるのがすごい嫌だったもん。「なんで胸、大きくなんのかなー」って、ホント、まじめに悩んでましたからね。と、同時に男性に対して「汚い!」みたいな拒否感も持ってた。あっ、でも、憧れの先輩はいいんですよ。星の王子様みたいなものだから。
自分のことは自分で好きだったんだけど、男性に対する性的な自分の位置付けがすごく嫌だった。
例えば、スカウトされて、グラビアとかに出るのって自分のアピールじゃないですか。別に見られるのはいいんですけど、“男性が見る目”なんてあんまり考えてなかった。自分が男性から性的対象として見られているなんて知らなかったし。もちろん、今は考えてますよ。男性の視点は全然違うって知ってるし。
そんなナルシストな自分から脱皮したのが、21歳の大恋愛の時。二つの存在が一つになるというか、本当の愛を知ったっていうか…。初めて男女の関係の素晴らしさを知ったんです。
それまでは単なるエゴだったんで、好きとか嫌いとかはあっても、自分が基本だったので自分自身がメチャクチャになんてならなかった。でも、その時は尽くすことが喜びだったんです。この経験で私は別人になりましたよ。まぁ、大人になったってことなんでしょうね。