スピード感溢れる青春スポーツマンガを描きつつ、一方では濃厚でフェティッシュな作品を描くマンガ家・八神ひろき。彼が創り出す女性たちは美しい肢体をくねらせ、見る者を深い妄想の世界へ誘ってくれる。そんなフェティシズムを刺激する八神ひろきが自らの性癖の根元を告白してくれた。
先生に異常な執着を感じたのが、幼稚園の頃。同世代の子ではなく、先生にだけ目が向いちゃっていた。その先生がよく穿いていたのが紺色のスカート。その色が僕の頭に焼きついちゃったんです。
お昼寝の時間がありまして、ローアングルから先生を見ますよね。その時に白いレースのパンツが見えたんですよ。その体験が今の自分を形成しているんでしょうね。お昼寝は寝たことなんかないですもん。スカートの中ばっかり覗いてね(笑)。
小学生になったらもう完全にそうでした。頭の中は保健の先生のことだけしかなくってね(笑)。冬になると、風邪の調査みたいなのがあって白衣を着た先生が教室にくるんですよ。それがほんっと大好きで。しかも、その先生は白いスカートを穿いていて下着が透けてるんですよね。「えーっ!」って思いながら見てました。化粧もけっこう派手で、三原順子さんみたいにすごくキレイに見えたんです。 もちろん、同級生の女の子とお喋りをするのは好きだったんですけど、頭の中は常に先生のことばかり考えていましたね。
あと、今の自分を決定づけたのが学芸会の出来事。劇でトラの絵が必要だったので「トラの絵を誰か描いてくれない」って先生が言ってたんです。そこでタイガーマスクを描いたらすっごく褒めてくれたんです。これが現在の「褒めてもらいたい」ってことにつながっているんでしょうね。自分の性の原体験って、ほんと直球なんですよ(笑)。
当時はアニメの影響だと思うんですけど、車や戦車とかメカばっかり描いていたんです。タイガーマスクも学芸会の時だけで、人を描くとしたら仮面ライダー、ウルトラマンぐらい。
でも、松本零士先生のメーテルを見て「あっ!これは…」って。もう、それからメーテルばっかり。松本先生の絵はすごくスレンダーなんですけど、好みに合わせてすごくグラマーに描いていました。
メーテルって目は切れ長で、指先はすらっと細く、口調は「○○しなさい」じゃないですか。この影響がものすごく強いですね。