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今月の放言

脚でけなして、手で褒めて 八神ひろき

直筆短冊

スピード感溢れる青春スポーツマンガを描きつつ、一方では濃厚でフェティッシュな作品を描くマンガ家・八神ひろき。彼が創り出す女性たちは美しい肢体をくねらせ、見る者を深い妄想の世界へ誘ってくれる。そんなフェティシズムを刺激する八神ひろきが自らの性癖の根元を告白してくれた。

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プロフィール 八神ひろき

新潟県出身。1987年『2人におまかせ』で月刊少年マガジンよりデビュー。1989年より『DEAR BOYS』連載開始。1996年より『G-taste』をミスターマガジンで連載開始。『G-taste』はヤングマガジンアッパーズ(隔週雑誌)に移籍し、月1回連載中。

第3章 むちむちの肉

コスチュームに対する興味はすっごいあります。『G-taste』にしても流行を追うっていうのではなく、自分の中で普遍的に絶対これだけは外せない、例えばスーツを自分好みにアレンジして描いているんです。

なので、シャツの襟をスーツに被せるのが流行ったときは「これだよ!」って思いましたね。昔から白いブラウスが好きだったので、スーツを着る時に隠れてしまうのは実にもったいないなと思っていたんです。いや、ほんと、スーツの襟に重なる白いブラウスを見たときは幸せを感じましたよ。自分の中では洋服において“白”っていうのはかなり重要ポイントですからね。

ちょっと前に厚底ブーツが流行りましたよね。そのときは「もう日本のファッションってダメじゃん」って思ったんですけど、最近またすっかりピンヒールに戻ったじゃないですか。もう、大拍手ですね(笑)。ピンヒールって履くと脚の甲がピーンと反るんですよ。あのラインがすっごくいい。

スレンダーな人がそういう靴を履いても肉がはみ出ないんですけど、むちっとした女の人がピンヒールを履くと肉がむにゅっとはみ出るんです。そのはみ出た肉がたまらないんですよ(笑)。パンツを穿いた時も脇の肉がぽこっとこぼれますよね。そのこぼれた肉が好きなんです。その肉を描くときは生々しさを表現するため半端無く時間をかけますよ。

また、胸に関していうと『G-taste』では巨乳を描いてますけど、それほど好きなわけじゃないんです。ほんとはわりと小さい胸が好きなんです。それを描いていないのは、小さい胸のいやらしさを自分がまだ表現できないからなんですね。

自分は下半身と上半身のギャップ、つまり日本人体型が好きなんです。日本人体型って下半身がしっかりしていて、おっぱいはあまりない。自分の中では貧乳=いやらしいっていうのがあるので、下半身はむっちりしてるけど、胸は小さめっていうのが理想ですね。アンバランスなものというか、ギャップがすごい好きなので「なんでこの下半身にこのおっぱいなんだろう」っていうのがいい

だからといって、小さいおっぱいだけ見ていてもあまり燃えないんですけど、そういうギャップを感じられる貧乳は好きですね。もっとも、貧乳ってすごく失礼な表現ですけど…。

『G-taste』も最初はみんなに見てもらえるようにと若干意識して女の人をスレンダーに描いていたんですが、最近は化けの皮が剥がれてしまって、今やもう、むちむちですね。

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