深夜の人気番組「トゥナイト」のレポーターを13年にわたって務めた乱一世。風営法施行の影響、あの手この手で新しい挑戦を繰り返す風俗業界、変わりゆく若者の性について自らの体験を交えながら語ってくれた。彼がリアルに感じ、見つめ続けた現代の性とは。
僕の初体験は21になる2ヶ月前のバレンタインデーでしたね。中学の後輩だったんですけどね。今でも覚えてますよ。大晦日に山手線の中で逆ナンされたんですよね(笑)。
でも2ヶ月は何もせずに付き合ったんです。その頃から僕は理屈っぽかったのかも知れないですね。ある程度のプロセスがないと、納得できないっていう。今考えると何考えてたんだかわかんないですけどね。ある程度付き合ってみて、うまく行きそうだったらセックスするっていう考えが僕の中にあったんでしょうね。
2ヶ月ちょっとの間、相手に関する情報を収集したんですよ。例えば家族構成から、どんなものが好きとか、どういうタレントが好きとか、どんな本読んできたとか、どんなとこで遊んできたとか。そういう話をした上でセックスしたっていうのが、自分の中で納得材料だった気がするんですよね。でも、若い子達に話を聞いてみると、今ってみんなそういうことしないみたいですね。
だから相手のことを何も知らずにセックスする。そのうえ今の男の子はAVを見て育ってるから、初めてベッドを共にする相手にもAVと同じようなことを要求してしまうらしい。犯罪とまでは言えませんけどセックスそのものがゲーム化しているっていうか、バーチャルリアリティみたいなとこはありますよね。
僕らの頃って、ちょっとでもそれを匂わせる本を読んで、自分の中で何回も反芻したりしましたし。「こうやってやるんだろうな」とか「こうなってるんだろうな」とか、想像を豊かにしていってましたから。僕の場合は二十歳過ぎてたってこともあって、割とうまく妄想と現実のすり合わせができていたのかも知れないですね。
ただし、稚拙だったと思いますけどね。稚拙なうえに初めての時なんて7回やりましたからね。まぁ受け入れる方も受け入れる方ですけど(笑)。彼女の方は朝起きられなかったですから。で、「ごめんね、もうこんなことしないから。」って言っておいて、2日おいて会った時に5回やっちゃいましたね(笑)。そうしたら、もう彼女から電話がかかって来なくなっちゃいました。