一覧に戻る

今月の放言

大人の女性がいい 乱一世

直筆短冊

深夜の人気番組「トゥナイト」のレポーターを13年にわたって務めた乱一世。風営法施行の影響、あの手この手で新しい挑戦を繰り返す風俗業界、変わりゆく若者の性について自らの体験を交えながら語ってくれた。彼がリアルに感じ、見つめ続けた現代の性とは。

profileName

プロフィール 乱一世

東京都出身。昭和51年、人気ラジオ番組『ザ・パンチ・パンチ・パンチ』のパーソナリティとして芸能界デビュー。主な出演番組として『トゥナイト』『噂の!東京マガジン』『目撃!ドキュン』他多数。スピーディでわかりやすい独特の語り口で司会、ナレーション等で活躍中。

第3章 衝撃的だった「風営法」

16~7年前に施行された「風営法」。あれでソープランドはもちろんのこと、風俗に引っかかる所は全部12時になったらシャッター降ろさせたじゃないですか。あれは衝撃的な出来事でしたね。

「風営法」が施行された日に「今12時の鐘とともに歌舞伎町の灯が全部消えた」っていうのをビルの何階かからレポートしたんです。それをTVで見たのは今でも鮮明に覚えてますよ。僕らはまだ30半ばいくかいかないかぐらいでしたから、「これからどうやって遊ぼう!?」って思ったし。

昔はソープランドにもランクがあって、30~40分1万円でおつりの来る店とかがあって、何時でも自分達の財布と見合った所に遊びに行けたんですよ。当時は2時とか3時くらいまで飲んで、その後風俗行くっていうのがある種王道の遊び方だったし。

ただ、12時で終えた代わりに官憲としてはいろいろお目こぼしをしたわけですよ。本番やらなければOKっていう。だから結果的にいろいろな方法論を風俗業界に与えちゃったんですよね。

「実は本番やらないけどこういう店があるよ」っていう情報が来て。「でもそれは12時で終わりだろ?」って言ったら「いやいや、夜中じゅうやってる」って。で、「こんなのもあるの、あんなのもあるの」って感じでどんどん出て来て。

ひとつ覚えてるのが新宿にあった『ファイブドアーズ』っていう風俗店。5つドアがあって、それぞれの部屋で別の遊び方ができるっていう所だったんですけどね。で、「へえ、こういうのがあるのか」って言ってたら、それじゃ飽き足りないっていう人達が出て来ちゃった。それで、風俗業界がどんどん過激な方向へシフトしていったんです。

当時は夜の街もそんなに危険じゃなかったろうし。異常な性犯罪が増えたのもあの後からだっていうデータがあるみたいですけどもね。封じ込められてしまった性、みたいなものがちょっとずつ流出してきて、ちっちゃなほころびからボーンと破けたみたいな所はあるような気がしますね。

大人の女性がいい 乱一世04
大人の女性がいい 乱一世05