気鋭の若手論客として注目されている宮崎哲弥。社会の問題をあますことなく語る彼の性の生い立ちはいったいどのようなものだったのか。初体験、初自慰そして嗜好までその鋭利な舌は性を語りつくしてくれた。
童貞時代って、エロな妄想力を培うには大切な時期だと思うんですよね。私の知り合いで50過ぎの童貞のアーティストがいますが、彼の性に関する妄想って凄いんで すよ。奔放、奇想天外、崇高(笑)。まるでオマンコが本当に観音様みたいなイメージなんだよね。宗教の多くが聖職者のセックスを禁じているのは正解かも。エロの妄想力と熱情はやがて神に通じる可能性があるから。
私の場合はそういう時期がなかったに等しいんですよね。朝立ちとか夢精とかを意識しはじめてまもなく、セックスしちゃいましたから。未経験の頃の性衝動って、未知の力の不意打ちですよね。わけのわからないものに自分自身が支配されて、コントロールできない感じでしょう。自分の謎の部分。
そこで探求しはじめたの。悪いことに家が泌尿器科の医者だったんで「教材」にはことか欠かなかったわけです(笑)。まあ、環境的にも、ね。看護婦さんに弄ばれる。彼女らは泌尿器科で慣れてきっているし(笑)。
そういうわけでエロに関する甘やかな幻想とか、壮麗なイメージとかを持てなかった。で、わりに早く実際に経験しちゃたんで妄想力が発達しなかった。
これはいま思うと案外、痛恨事だったかもしれない。だって小説なんか読んでいても、まだ性交にいたっていない恋人の微妙なやり取りなんかまどろっこしくて仕方ないわけですよ。「なーに、ウダウダしてんだよお。さっさとやれよ」みたいな情緒のカケラもない心持ちになってくるんですねぇ。セックス描写についても技術の部分だけを気にするような読み方をしてしまう。
フランス書院文庫の思い出といえば、大学時代付き合っていた子がすごい愛読者で、親に見つからないように本棚の奥の方にズラッと揃えてあるの。で、彼女の部屋で留守番しているときに、暇つぶしに読んでいたらどうにもムラムラきて、帰ってくるなり貪るようにセックスしたことがあります。
なるほど、こういう効用があったのかと思いましたね。あとやっぱりその子とだけど、一緒に音読しながらロールプレイング的にセックスしたり、ね。よくやりましたねえ。若気の至りの「バカ床」ってヤツで(笑)。
いま読むなら、んー。『少年と女医と担任女教師』(鏡龍樹著 '02刊)かな。女医さん、好きなんだよねぇ。そんなに好みじゃない女優でも女医を演っていると1ランクあげ、ですね。知的でクールな女性を滅茶苦茶に乱れさせてみたいっていう妄念が欲情に火をつけるのかなあ。