話題作を次々と手がけ、最も注目されている作家・脚本家の竹山洋。『利家とまつ』では夫婦の愛の気高さを描いた彼だが、人間の性に対してどのような考えをもっているのだろうか。青春時代の思い出、女性観、セックス観など裸の意見を語ってくれた。
20年前って50代の性なんて語られることはなかったよね。でも、最近の傾向を見てると少しずつ少しずつ語られるようになってる気がするんです。これって非常に健全なことだと思いますよ。
若い頃、今のラブホテル、当時は温泉マークって呼んでたんだけどそこからお爺さんとお婆さんが出てくるのを見たんですよ。すっごく気持ち悪かったもんね。その時は「年をとってからこんなことしたくないな」って思ったけど、今はそんなことないですね。「死ぬまですればいい」って思いますよ。すれ違う女性を見て「いい体してるな」って思うことに何の罪があるわけって思う。いいじゃない。考えるだけ元気な証拠なんです。
この前ね、女房と歩いていたら向こうから来たお爺さんが「いいおっぱいしてるな」って言うわけ。若い頃だったら「なんだコノヤロー!!」って怒る場面なんだろうけど、ニヤっと笑っちゃったんだよ。「よく言ってくれたね、女房をもっと褒めてやってくれない」って感じなんだよね(笑)。
やっぱ女性は体でしょ。心じゃないですよ。正しい心なんて誰も答えられませんよ。光の向こうから女の子たちが歩いてきたときのあの凄まじい若さと体。あれには勝てませんよ。それが全てだとは言いませんけど、「キレイだなー」って思って当然ですよ。ストリップに爺様方が行ってるのはよく分かりますよ。きっと美しいものを見ているだけで満足するんですよ。
性の対象ではなく女性の美として考えれば女性の美しさの価値はやはり若さと肉体なんじゃないですか。「なんてキレイなんだ」って。ちなみに私が好きなのは小柄で胸があまり大きくない女性。熟れた肉体ってなんか気後れしちゃうんですよ。ついでに顔の好みを言うと『初夜 実母と高校生』(田沼淳一著 '02刊)の表紙の女性はすっきりした顔立ちでタイプですね。私は俗に言うキレイな顔よりはよく見るといい顔してる方が好きなんですよ。一般的に見たら、すごく平凡なんだけど「あれっ!?」って感じがいいんだな。