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今月の放言

オスになりたい しりあがり寿

直筆短冊

他にはない微妙な角度で独自の世界を表現するマンガ家・しりあがり寿。サラリーマン、おやじ、OLなどを題材にしている彼は、性をどのように捉えているのだろうか。自身の蒼い思い出を探りながら、性の世界をディープに語ってくれた。

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プロフィール しりあがり寿

1958年静岡県生まれ。2000年、『時事おやじ2000』(アスペクト)、『ゆるゆるオヤジ』(文芸春秋)にて第46回文芸春秋漫画賞を受賞。2001年、『弥次喜多 in DEEP』(エンターブレイン)で第5回手塚治虫文化賞「マンガ優秀賞」を受賞。他にもエッセイ、芝居などその活躍は多岐にわたる。

第2章 女性に対して純粋になった

僕の好きなタイプですか?なんか年をとったら誰でもよくなってきましたよ。ほんと、みんな美しいです。

不思議なもので、会社に行ってた時はOLなんて周りに山ほどいたからなんとも思わなかったのに、会社を辞めてみると「OLっていいなー」って思ったりする。女子高生もそうですよね。高校時代はそんなに気にしなかったのに、この年になると「若くてキレイだなー」って思いますよ。今のこんな僕の立場から見ると、女性はみんな魅力的ですよ。

ただし、昔に比べると女性を選ぶ基準が随分変わりましたよね。若い時はやっぱりキレイな子がよくて、まず第一に顔がカワイイかどうかで選んでいたんです。でも、今は違いますね。全体の雰囲気というか、醸し出すオーラというか、色気というか…、そっちの方が気になってきました。

たぶん、昔の方が女性に対していろいろ求めていたんですよ。こんな風に付き合ってみたいとか、人生のパートナーになってほしいとか男と女の関係にいろんなものが付随していたんですよ。でも、今のような状態になると、ある意味純粋にエロの対象として見ることができるようになったんじゃないですかね。

自分は今45歳なので40代の女性をおばさんなんて全然思わないし、キレイな人だったら素直に「いいな」と思いますけど、20代の頃はとてもそんなこと考えられなかった。でも、ひとつ言えるのは今の女性は同じ40代でも昔より確実にキレイになってますよ。

今って熟女ブームなんでしょ。年上の女性に憧れる男性が増えているんですよね。テレビの女優さんを見ても売れているのは思いっきり若いか、30代前後の女性。20代半ばなんて少ないんじゃないですか。でも、生殖という本能から考えると、一番健康な赤ちゃんを産める年齢の女性に魅力を一番感じるはず。不思議ですね。なんか目的が変わってきてるんでしょうね。

ところで年上の女性に癒されながら射精するのと、陵辱して射精するのでは違うんですかね。どっちが気持ちいいんでしょうね。僕の場合、癒されたら萎えちゃいそうですけどね。僕には権力志向的な部分があるのかな。“癒し”っていわれるとただ寝かしつけられるイメージがどうしてもあるけど、Mっていわれるとそれもありだなあって思う。

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