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今月の放言

俺はマザーファッカー 藤原喜明

直筆短冊

「関節技の鬼」または「テロリスト」として常に注目を浴びてきたプロレスラー、藤原喜明。プロレスの神様、カール・ゴッチ直伝のサブミッションを駆使し戦っているその姿はまさに“鬼”そのものだ。そんな彼が“今だから言える場外の暴れっぷり”を存分に語ってくれた。

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ロフィール 藤原喜明

1949年岩手県生まれ。1972年11月藤波辰巳戦でデビュー。その後、新日本、UWF、藤原組と活躍の場を移す。また、プロレスだけではなく映画、TVのバラエティやドラマに出演。主な出演作品として映画『御法度』『くノ一忍法帖 自来也秘抄』『令嬢強奪』、NHK大河ドラマ『毛利元就』他多数。

第2章 神様から人間へ

女を初めて意識したのは、小学校の始めぐらいかな。

当時、俺の近所には同じ年の男がいなかったんだよ。だから小学校に行く時はいつも女の子と一緒。ずっとそうやって女の子と行ってたんだけど、ふとね、それがすごく恥ずかしいことなんじゃないかって思ったんだよ。「喜明くん、行きましょ」なんて言われて急に恥ずかしくなって、一人で走って行ったりね。たぶん、あれが最初に女を意識したってことなんだろうな。

セックスの行為自体を知ったのは、たしか小学校の5、6年生頃だろうな。俺がこうやって生きているってことは、お父さんとお母さんがヤったからなんだって知った。俺から見るとさ、両親っていうのは神様に等しかったからね。そんな神様がセックスをしたんだって知ってものすごくショックだったよ。それまでセックスはいやらしい、汚いって教えられていたしな。でも、そう思っていたセックスにすごく興味も湧いてきたんだよ。まあ、当たり前なんだけど。

俺が初めてヤったのは20歳の時。成人式があって、その時ふと思ったんだ。「俺、成人はしたけど女を知らない…」って。会社の同僚でそっちの方に明るいやつがいたから、そいつにソープランドへ連れてってもらったんだよ。

でもさ、行ったのはいいんだけど情けないことに全然勃たなかったんだよ。相手はぽっちゃりしてケツが大きい女だったんだよ。たぶん27、8歳の年上で肌もまっ白だった。女が云々っていう問題じゃなく、緊張してたんだろうな。勃たなくて焦るし、焦れば勃たないしな。俺がそんな葛藤をしてる間、彼女はとにかく勃つように一生懸命してくれてたな。その姿に俺は感動したことを憶えているよ。デカいおっぱいと尻は今も好きだから、俺の好きなタイプってのはたぶんこのソープランドで作られたんだろうな。

とにかくセックスをして俺の考えは変わったんだ。それまで女は俺にとって神様みたいに遠い存在だったから、セックスをして女も人間なんだって思ったよ。

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