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今月の放言

好きになるのは顔じゃないの 濱田のり子

直筆短冊

写真集、Vシネマなどで妖艶な肢体を惜しげもなく披露する濱田のり子。大人の色香を纏い、男性を包みこむ余裕さえ感じる彼女が男性に求めるものとは?写真集では見ることができない濱田のり子の素顔に迫る。

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プロフィール 濱田のり子

1965年2月22日生まれ。158/B-80/W-58/H-84。1985年、セイントフォーとしてデビュー。解散後、写真集、映画、Vシネマ等で幅広く活躍中。主な作品として写真集『エピローグ』、ネオシネマ『ファミリー』、Vシネマ『キューティーガール』他多数。

第2章 無意識に隠していた

初めて脱いだのは30歳の時。ある雑誌の創刊号のグラビアに出てくれっていう話があったんです。それで脱いだんですけど、もうね、こんなにも自分が隠しちゃうものかってびっくりしましたよ。

あんなにいろんなことを考えて「やろう!」って覚悟を決めて現場に行ったのに、いざ撮影になると無意識に隠してるんです。カメラに対してすごく抵抗してるんですよ。そうするとね、ものすごくカッコ悪い写真なの。もうね、あれはホント、我ながらイヤだった。

カメラマンも今まで何人もの裸を撮ってきているから、初めて脱ぐ人がどうするか分かってるんですよね。だから、私をカメラで追いかけるの。だけどね、私も恥ずかしくてもうダメなの。

その写真って本当はヘアーが出ないはずだったけど、ちょっと写っちゃったんです。それをね、編集部は載せたいって言うんですよ。私ね、ヘアーを見せますって撮った写真ならいいけど、恥ずかしがって撮ったヘアーはイヤですって最初は断ったんです。でも、編集部の方は「16ページを20ページに増やしますから、このヘアーの写真を使わせてください」って頭を下げるんです(笑)。とっても納得できなかったけど、んもぅ、まぁ、いいやって載せたんです。「次は私も納得がいく写真を載せてくださいね」って言って。

今まで一番印象に残っている写真集は、金子國義先生が少女と娼婦をテーマに撮った『みだらな扉』。少女と娼婦をいっぺんに演じることができたんですよ! 少女を演じたときはヘアーなんて全部剃ったり、娼婦にしてもそう。ほんと、かなりハードなことをやってるんですよ。あそこまで上がったテンションって何なんだろうって今も思いますよ。金子先生のワールドに染まってるんですよね。

撮影はフランス。金子先生のメイクは3時間、衣装はオートクチュール。フランスの高級な娼婦がイメージだったので下着を探しに行ったり、そしてもちろんセットも完璧。フランスに行って金子先生と1日中、イメージに合うホテルを探したんです。ここまで徹底しているから、衣装をまとった時はすっーとその世界に入ることができたんだと思います。

写真って、いろんな自分を発見することがありますよね。最近、言われたのは突き放すような顔をするって。自分はそんなつもり全然ないんですよ。写真集のサイン会でも「もっと恐い人かと思った」ってよく言われるんです。全然、そんなことないのにね。そういう顔には自分でも驚いたぐらい。

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