映画、舞台、TVと精力的な活動を続ける細川ふみえ。デビュー当時、グラビアアイドルとして絶大な人気を誇った彼女だが、実はその華麗な振る舞いの影に大きな悩みを抱えていた…。30歳を越え、女性として一皮剥けた細川ふみえが女の本音を語ってくれた。
そもそもこの世界に入ったのは、雑誌のミスマガジンコンテストでグランプリをいただいたことがきっかけです。もし、芸能界に入ってなかったとしたら…レタリングの専門学校に行ってたので、そのまま就職できていたら、商品を製作する仕事をしていたかもしれません。自分が考えて作ったものを、人に見てもらう。何か表現する仕事に携われたらいいなと思っていました。
13年間ですが、芸能界を見てきて変わったと思うひとつには、性差への価値観があります。少し以前には誰に電話番号を聞かれたとか、口説かれたとか、もっと話題にされていたように思うけれど、今は「電話番号の交換くらい、誰だってするんじゃない?」で済むようになってきた気がする。とても良い傾向だと思います。
実際、「あいつ、電話番号をすぐ聞くから…」って噂のある人がいて、マネージャーさんがタレントさんをしっかりガードする、なんてこともありました。手前味噌になりますが、イエローキャブの女の子も沢山、性意識の開拓に貢献していると思います。かえって、その人の男らしいところ、女らしいところがより見えるようになってきてるんじゃないかな。
実は私、男の人に対して、すっごい子供っぽいかも知れませんが、「ふたりっきりになるのが怖い」って思っていたことがあります。男の人に対しても、「異性」っていう意識がすごい働いてた。特に“裏の顔”が怖いと思ってました。お互い様なのに。仕事の場でも「私は男性と仕事してる」って自分の性を過剰に意識していたんです。「今、この場で女の子は私だけだ」とか、マイナスの方向にしか考えられませんでした。今思えば、本当の自分を見せるのが怖かったのかもしれないです。
でも、今は、男の人と一緒にいて自分が人として自然に居られたとき、そのご褒美みたいにその人に対してどこか恋愛感情に似たときめきみたいなものを感じられる。そしてその気持ちを大切にしたいと思うようになりました。「相手が結婚してても奪ってやるー」っていうことがアリということではないですよ。男としてセクシーだなって、女としてたくさん感じることができたら素敵ですね。男性から、人としての魅力をたくさん学びたいです。