映画、舞台、TVと精力的な活動を続ける細川ふみえ。デビュー当時、グラビアアイドルとして絶大な人気を誇った彼女だが、実はその華麗な振る舞いの影に大きな悩みを抱えていた…。30歳を越え、女性として一皮剥けた細川ふみえが女の本音を語ってくれた。
中学1年ぐらいから、クラスに何人かは「誰とつきあう」とか言ったり、ディスコに行ったりしてる子もいたんですよ。でも、私は“付き合う”ってどういうことなのかよく分からなかったんです。2人で何か特別なことをするのって。
「毎日、学校で会えるのにそれ以上何かする必要ある?」って(笑)。“お付き合い”っていうものは「いっしょにどこかへ行く」としか思っていなかったから。だから、お手紙とかもらっても、どうしていいのかわからなくて途方に暮れてしまうだけでした。
それでも、15~6歳ぐらいには思い焦がれる男の子がいて、女の子と楽しそうにしゃべってるのを見て、焼きもちを焼くこともありました。よく彼の家に遊びに行ったし、彼も家に遊びに来たし。いっしょにたくさんお散歩もしました。今思えば、その人が初恋の相手なんでしょうね。古い言葉で「バージンを捨てる」とか「捧げる」って言うでしょ。ずーっと離れずにお付き合いしていたら、そうなっていたかも知れませんね。
その男の子のことをどうしてそこまで好きだったのかというと、「なんで私に何もしないの?」って聞いた時にすっごく素敵なことを言ってくれたんです。「本当に好きな女にそんなことできるわけねーじゃんか」って。
彼はモテたせいか女の子の噂は多く、私はそれに一喜一憂していました。「ショートカットの女の子が好きみたい」って噂が流れたら、私も髪を切ったり、彼を取り巻いてる女の子たちのように、制服を不良っぽくしてみたり…。彼の目に留まるといいなって思って。
そんな青春時代でしたが、私は5年ぐらい前、ある男性と仕事で出会い、仕事を離れた個人的なお付き合いができないかと思った時があったんです。現在の彼です。
でも、彼にも選ぶ権利があるでしょう?(笑) だから、選択肢を残してあげた方がいいと思って、大勢のスタッフがいる前で電話番号を渡したんです。その時、私はまずは彼の友達の一人になれたらと思っていただけでしたから。
その時、私、ポケベルだったんですけどね。すごいドキドキしながら、「鳴らないかな、鳴らないかな…」って3日間電話を待ってました。向こうの連絡先を聞けばよかったのにね。今なら、「はい、これ、私の連絡先。そちらも教えて」って言えるんですが。
ところが、渡された彼は、「おいおい、なんで大勢の人の前で渡すんだ」って思ったって(笑)。「個人的に付き合いたいなら、なんで大勢の前で渡すの?」って。私が「あなたに個人的に興味があるよ」ってわざわざ大勢の人の前でアピールして自分を恥ずかしがらせるためなのか? それとも始めからオープンな人でよくそういうことをする人なのか? どうしたらいいのか分かんなかったって後になり打ち明けられました。「黙っている時、何を考えているかわからない」って彼には時々言われます。ちょっと不思議な感じ。でも、機嫌が悪いのだけは分かるみたいなので、いつも反省しているんです。