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今月の放言

心の隙間が私で埋まるなら 細川ふみえ

直筆短冊

映画、舞台、TVと精力的な活動を続ける細川ふみえ。デビュー当時、グラビアアイドルとして絶大な人気を誇った彼女だが、実はその華麗な振る舞いの影に大きな悩みを抱えていた…。30歳を越え、女性として一皮剥けた細川ふみえが女の本音を語ってくれた。

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プロフィール 細川ふみえ

1971年9月2日生まれ。163-B91-W58-H87。1990年ミスマガジンに選ばれ、1992年「スキスキスー」で歌手デビュー。CM、ドラマ、バラエティなど幅広く活躍。主な出演作品として 『八代将軍吉宗』『花のお江戸の釣りバカ日誌』、著書に『万華鏡』『フーミン・ダイエット―お風呂でキレイにやせる』他多数。

第4章 どうしたら悦んでくれるのか、いつも考えます

私は男の人に何かをしてもらいたいと思うことはないけど、何か楽しいことを一緒にしたいです。好きな相手とただ一緒にいられれば、もうそれだけで他は何もいらない。でも、お誕生日とかクリスマスとか新しい年を迎える時とか、そういう時に一緒にいられればいいなーと思う。どうやったら相手は悦んでくれるのか、飽きさせないようにとかいつも考えます。でも、一緒にいすぎて口うるさいお母さんみたいになるのだけは避けたいですね。

相手との距離が近くなればなるほど、だんだん可愛くてしょうがなくなる。相手の少年みたいな部分を見つけちゃうともう止まらない。そんな部分を多く持っている人が好きだから、どんどん、どんどん近くなればなるほど可愛いと思えてしまう。だから、私は気持ちの上では何でもしてあげたくなるんです。でも、実際はなかなかしてあげられないことの方が多いのですが。

今まで好きになった人は、そうですね…、例えば、私が彼の家に遊びに行ったとします。で、彼にとって、どうでもいいようなものを家に忘れたとしますよね。「忘れ物をしたんだけど」って電話した時に、すぐ「ああ、あれ」って分かってくれるような人がいい。私の持ち物を「どうでもいい」って思わない人が好きになるタイプかな。

男の人の可愛いところは魅力のひとつですよね。だって、いろいろ気を遣ってくれたり、嫌われないように頑張ったりして。私が気がかりでいることを隠して一緒にいたとしたら、それを分かってくれて…、バカバカしいことをして涙が出るほど笑わせてくれたり。そんな時、相手を心から愛しいと感じます。

今までお付き合いした方とは、すごいケンカをしてもう二度と顔も見たくないっていう別れ方を幸せにもしたことがありません。お互い、ずっと経っても「今はどうしてるかな」って思ってる気がします。どうしてるかなって、会いたいなって時々思うしね。でも、その気持ちは恋愛感情とは少し違うのかもしれない。以前お付き合いした方に何年かして「ちょっと飲まない?」って誘われたら、場合によっては会うと思います。でも、もちろん相手が「よりを戻そう」とか言い出したら、「んなことできるワケねーだろ」ってわざと男言葉でケリを入れちゃうかな(笑)。

一方で、別れた男の人がそういうことを言い出す時って、必ずしも会いたいからってだけじゃない、何かあったからじゃないかと思う。その「何か」を私なら埋められると思ってくれる気持ちはすごく嬉しい。でも、冷たいようだけどそんなカッコ悪い言葉を聞くことは望まないし、考えたくもない。よく分からないけど、よりが戻る時っていうのはそんな一方的なものじゃないと思う。ただ、相手の心の隙間が私で埋まるのなら…って全く心が揺らがないと言ったら嘘になりますけど。

心の隙間が私で埋まるなら 細川ふみえ07
心の隙間が私で埋まるなら 細川ふみえ08