一覧に戻る

今月の放言

心温まる巨乳がいい 野田義治

直筆短冊

“巨乳”といえばこの男、野田義治。故・堀江しのぶをはじめ、かとうれいこ、細川ふみえ、雛形あきこなど数々のタレントを世に輩出し、我々を楽しませてくれている。そんな野田社長が人気タレントの舞台裏、戦略、そして己の哲学を語ってくれた。

profileName

プロフィール 野田義治

1946年生まれ。広島県出身。芸能事務所・サンズ社長。18歳の時、俳優を目指して上京。以後、芸能プロのマネージャーを経て、1980年イエローキャブを設立。多くの巨乳タレントを発掘し、数々のグラビアを飾ってきた業界の名物社長。

第3章 想像ほど楽しいものはない

俺らの世代の母親像って胸が大きいイメージがどうしてもあるんですよ。ぺちゃぱいの胸って見てないんだよね。銭湯で一緒にお風呂に入っても、ふくよかな胸っていう印象がすごく強い。

というのも、俺の中で母なるものが非常に大きいんですよ。俺は日本人だし、その母親的なものも好きだし、すごくあったかい感じがするからね。だから、自分は日本的な顔の子を選んでるんだと思う。そういう子は色気とかエロだけじゃない、女からも家族からも愛される子なんだよね。それに加えて一般の読者から「勝った。私のほうがキレイだ」と思わせる子。要するに最初に女の子が敵にならない子かな。

例えば、『冬のソナタ』っていうドラマがあるでしょ。あれに出てくるようなタイプの女優さんが一番いい。「胸のでっかい子、いないのかよ」って本気で探してるもんね。しかも、あのドラマに出てくる女優さんは「昔、こういう子っていたよなー」っていう懐かしい匂いがすごくするでしょ。その懐かしさみたいなものが、母親世代にも受けるし、若い子たちにも無いものねだりで受けている理由だと思うんです。熟女とか人妻ブームでフランス書院文庫を読んでる人たちは自分の奥さんなんか想像していない。じゃあ、なぜ読むかっていうとそこには温かさがあるからなんですよ。

ちなみに個人的な嗜好を言うと、凌辱とか少女ものって嫌いなんだよね。無理矢理っていうのはダメだし、少女となると仕事と結びついてしまうからね。逆に気になるのは『溺れ母』(望月薫著 '04刊)。要するに「これは何?」って思わせるようなものって好きだな。自分の好みとしては、状況がちょっと分かりにくそうで想像できるようなものが好きなんだけれど、タレントを売るときは分かりやすいのが一番。

お客さんてなかなか想像してくれないでしょ。15年ぐらい前から分かりやすく、分かりやすくきちゃってるからさ。フランス書院さんも、あまり分かりやすく説明したくないんだろうけどね。本当は読者に想像してほしいんだけど、そういう風に訓練されていない。学校でもさ、「想像性を豊かに」なんて通信簿に書かれるんだろうけど、そんな教育をしていない。想像ほど楽しいものはないのにね。だって、お金かかんないんだもん。

フランス書院文庫がうけるのも、「やってみたいけどできない」っていう欲求を満たしてくれるからでしょ。俺、スケベって想像するもので実行するもんじゃないと思ってるからね。フランス書院文庫に書かれているような体験をしたいって、自分なりのボキャブラリーで想像することが最高に楽しいことだと思うよ。

心温まる巨乳がいい 野田義治05
心温まる巨乳がいい 野田義治06