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今月の放言

心温まる巨乳がいい 野田義治

直筆短冊

“巨乳”といえばこの男、野田義治。故・堀江しのぶをはじめ、かとうれいこ、細川ふみえ、雛形あきこなど数々のタレントを世に輩出し、我々を楽しませてくれている。そんな野田社長が人気タレントの舞台裏、戦略、そして己の哲学を語ってくれた。

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プロフィール 野田義治

1946年生まれ。広島県出身。芸能事務所・サンズ社長。18歳の時、俳優を目指して上京。以後、芸能プロのマネージャーを経て、1980年イエローキャブを設立。多くの巨乳タレントを発掘し、数々のグラビアを飾ってきた業界の名物社長。

第4章 育てることは射精のないセックス

イエローキャブ=巨乳っていうのはみんなそう思っているんだろうけれど、巨乳ってホントたまたまだったんですよ。水着を着せてみたら、「けっこう大きいんだね」って。だってオーディションの時の写真って、フランス書院文庫の表紙みたいな写真じゃないからね。色気も何もない普通の格好をした写真だからさ。でもね、そんな写真でそそられるかどうかが問題なんですよ。下着姿でそそられるのは当たり前だからね。

俺自身の嗜好を言えば、巨乳が好きというわけじゃない。どちらかというと8等身のスラッとした子の方がタイプかな。でも、商売として考えた場合には、胸が大きいという分かりやすい子を選びたくなるのも事実。

でもさ、昔、胸をさらしで一生懸命抑えていたように、胸が大きい子ってみんなコンプレックスを持っていて、堂々としている子なんて誰もいない。多くはダボッとした服装をして胸を隠すようにしている。胸を強調した服を着ている子は、よほど自信を持てるきっかけがあった人だけ。隠しても無駄だとか、胸で男をたぶらかせてやろうとか、羨ましがらせてやろうとはっきりコンセプトが決まった人。

逆にコンプレックスを抱いている子に自信をつけさせてやるのは、実践あるのみ。とにかく人前に出す、演技をさせる、喋らせる。だけどそこで俺は、「ライオンは我が子を谷に突き落とす」じゃないけど、褒めることは一切しない。なぜなら、周りのスタッフが褒めてくれるからね。スタッフはその仕事をしている瞬間だけうまくできればいい。だけど、俺はその瞬間を積み上げていって何十年もやらなければならない。そんなことでいちいち褒めていられないよ。

もちろん、褒めて伸びる子だっていると思うよ。だけど、「自分は素晴らしい」って勘違いしちゃったら、もう手がつけられなくなるんです。現場でスタッフがうちのタレントに気を使ってたら腹が立ってくるもんね。それでクビにした子が3人ぐらいいるよ。

だってさ、気を使っても、気を使わなくてもお金は一緒じゃん。 だったら楽しくやろうよって。タレント本人だけ楽しんだってしょうがないんだよ。むしろ、自分だけ楽しんでるようなタレントで、今も生き残っている人なんて見たことない。ただね、本音を言うと褒めてあげたい時って多々あるよ。ここ10年、スタッフから「あの子、現場で良かったよ」なんて声を聞くと嬉しいしね。だけど、俺が褒めたらお終いだなって思うんですよ。

20年間、イエローキャブをやってきて思うのは、こうやって女の子を育てることは、俺にとってすごく楽しいこと。一番分かりやすい例えをすると、射精のないセックスをしてるような感じかな。すごく気持ちいい。俺が言っちゃうとこんなスケベな表現にしかならないけど、育てている子の人気がでてきて、いろんな仕事もできるようになっていくと、そこには育てた達成感だけじゃなく、お金までついてくる。しかも、それだけじゃない。人脈だってついてくることもある。やっぱりね、女の子を育てるってことは俺にとって面白くて、最高に気持ちいいことなんだよ。

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