現代美術の奇才と呼ばれ、次々と問題作を発表する会田誠。彼が創り出す多様な作品は、見る者を魅了し、考えさせ、挑発する。そんな会田誠が青春時代を振り返りつつ、自身の性癖を赤裸々に語ってくれた。
僕は今までかなりの数のヌードデッサンをしてきましたが、みなさんが想像するようないいことなんてそんなにないものです。現実問題、おばさんとか太っている人とかが相当多いし、エロい気分にさせない何かがそこにはあるんですね。ヌードを描いていたのに、エロな気分になったのはむしろ大学を出てからのこと。「女の子をエロい目で見て、描いてもいいんだ!!」って気づいたんです。遅かったですね(笑)。
その反動かどうか分かりませんが最近の僕は不真面目で、女の子の絵を描く時はそれほど必要もないのにちょっと脱いでもらったりしてます。そういう時はエロおやじの目で見て、後でいっぱいオナニーしたりして…。皆様がご想像通りの美術家とモデルの関係に、この年になってようやくなれました(笑)。フランス書院文庫にもあると思いますが、美術教師とかがエロエロな気持ちでヌードを描いたり、ブロンズ像を作ったりするのはよくあることなんでしょうね。
そんな僕が女子高生を初めて描いたのが『あぜ道』という絵。大学を出て、「さて、どういう絵を描いていったらいいものか…」と悩んでいた頃です。それまではマジメな美術の人間だったので、自分の好みを露骨に描いてはいけないと思っていたんです。でも、ある時、「自分が好きなものを描けばいいんじゃないか」と開き直って描いたのがその作品でした。
実はなかなか美術の場で、そういうものを見せるのはいろいろと仕掛けがないと描きづらいんです。美術の世界ってホントに堅いところがあるので、最近の風俗を扱うだけで嫌われ、バカにされるんです。あえて女子高生を使う理由のひとつに、そんな美術界のまじめな人たちを挑発したいという理由もあるんですが…。
とはいえ、女子高生は人並みに好きなだけです。僕は彼女たちと話したことも、付き合ったことも、ましてや買ったことなんてなく、私生活では何の接点もない存在なんです。いつも5m以上離れて眺めているだけの存在。だから、やっぱり日曜は大好きですね。いつも学校に囲われている女の子が日曜になると解放されるので、街の輝きがいつもより5倍、6倍になります。いいかげんなことを言えば、かわいい女の子は学校なんて行かなくていい。そうすれば、街はもっときれいになるんじゃないかな。