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今月の放言

縛らず、そっとして 井上晴美

直筆短冊

水泳で鍛え上げた極上ボディと天性の色気を武器に、世の男性の股間を刺激し続ける女優、井上晴美。さらにその捌けた性格からサディスト的なイメージの強い彼女…。今回はグラビアや映画では伝わらない、そして掴めそうで掴めない“美人の本音”に迫った。

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プロフィール 井上晴美

1974年生まれ。熊本県出身。1991年、デビュー以来、TV、映画、CM、グラビアと幅広く活動。主な作品としてNHK 連続テレビ小説『天花』、映画『フリーズ・ミー』『新・仁義の墓場』、舞台『さよならの贈り物』他多数。5/31からTBS系ドラマ『冗談でしょ!離婚予定日』13:30~日野原玲子役。

第1章 興味津々だったフルヌードとレイプシーン

私、基本的に自分の写真とか番組は見ないんですよ。でもフルヌード写真集『LIVE』の時はさすがに本屋さんに行きました。生まれて初めて坊主にして、そのうえ撮っていただいたのが篠山さんだったので、もう気になっちゃってね。撮る前は「どうしてみんな篠山さん、篠山さんて言うんだろう?」って思っていたけど、実際に撮られてみるとやっぱり違った。篠山さんて他のカメラマンと違って、映画を撮るように撮るんですよね。それも凄く自然に。あれは初めての経験でしたね。今だから言えるんでしょうけど、見えないようにしているセミヌードより、全部見せちゃったほうが自然な感じがします。

『LIVE』を撮った時、坊主にしたのはホントたまたまです。ある時、社長と打ち合わせをしてるときに、私の後ろに坊主頭の役者さんの写真があったんです。そうしたら社長が「これやってみない?」「やってみてもいいかな」っていう軽いやりとりから。仕事だから坊主になれたってのもありますよね。プライベートでやりたいって言ったら会社事務所がダメって言うでしょ。

髪を切っただけでね、不思議なことに性格が男っぽくなっちゃったんですよ。「スカートなんか穿けねえよ」みたいな。バイセクシャルとかレズってこんな感じなのかなって。そうそう、私坊主にした後ずっと外国にいたんですけど、向こうのレズにモテるモテる…(笑)。夏で薄着でしょ、しかも私、体も逞しいから余計にね。

このフルヌードの写真集を撮るにあたって、自分なりにかなり腹を括って臨んだんです。偶然にもちょうどこの頃、事務所を移ったっていう転機もあって“導かれた”みたいな感覚でしたね。当時オファーがあったら、とりあえず迷わず受けてみようって自分を変えていた時期っていうのもありました。それまでは“自分の意見を通して何かを作る”っていうのがあったけど、全てを相手に委ねて新しく見えてくるところがあるなら、それに任せようかなって。そう思い始めた時期だったんです。

その後、出演した映画『フリーズ・ミー』の撮影ではレイプシーンもあって。そんなことを演じたもことないし、以前なら断っていたような役だったんですけど、でも「どんな感じなんだろう」って全てを委ねることができたんです。レイプシーンは恐怖というより、どちらかというと興味津々でしたね。「絶対にできない」って思ってたことができると「できたー!」って。ほんと子供が算数の問題を解けたみたいな開放感に似てますから。

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縛らず、そっとして 井上晴美02