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今月の放言

縛らず、そっとして 井上晴美

直筆短冊

水泳で鍛え上げた極上ボディと天性の色気を武器に、世の男性の股間を刺激し続ける女優、井上晴美。さらにその捌けた性格からサディスト的なイメージの強い彼女…。今回はグラビアや映画では伝わらない、そして掴めそうで掴めない“美人の本音”に迫った。

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プロフィール 井上晴美

1974年生まれ。熊本県出身。1991年、デビュー以来、TV、映画、CM、グラビアと幅広く活動。主な作品としてNHK 連続テレビ小説『天花』、映画『フリーズ・ミー』『新・仁義の墓場』、舞台『さよならの贈り物』他多数。5/31からTBS系ドラマ『冗談でしょ!離婚予定日』13:30~日野原玲子役。

第3章 優しければ何もいらない

私、いいなあと思ったらすぐに誘っちゃう。ほとんどが一目惚れなんです。タイプを言えば、話し方が優しくて物腰が柔らかい人。引っ張ってくれそうな感じとか、そういう余計なことはいらなくて、とにかく優しい人が好きですね。逆に強引な人は嫌いかな。

付き合う彼に毎回言われる事があるんです。本当は弱いんだからそういう弱い部分を出したら?って。強がって、すごく忙しくても仕事入れたりとか、できないことはできないって自分で認めたほうが楽だよって。もうそういう性格なんですよ、きっと(笑)。そんな感じなので、彼の前でも自分の弱さは一切出さないですね。彼氏と一緒にいて落ち着くっていうこともないし、素直に幸せを感じるとかあまりないのかもしれないです。正直、一人でいる時が一番幸せなのかも。だから私、男の人にはあまり求めないです。絶対にあるとすれば、優しくそっとしておいて欲しいってことかな

とはいいつつも、私、合鍵を渡したことがあるんですよ。すっごい勇気を出して渡したんだけど、待っても待っても来やしない。それで私、だんだんムカついてきて、「持ってる意味ないじゃん」と思って呼び出したら、彼はすごく真面 目で「いくら彼女でも誰もいない部屋にあがるのはどうかと思う」って言われたんです。私、すごく感動してジーンってきたんです。けど次の瞬間、口から出た言葉は「鍵、返せ」だったんですよ…。「なんてこと言っちゃったんだろぅ~」と思ってると、彼は鍵を置いて出てっちゃったんです。

ドラマみたいに彼が「へへー」って帰ってくるかと思ったら、全然帰ってこない。すごくショックでした。2、3ヶ月たった後、お酒の力を借りて電話したんです。「もう1度、もとに戻れませんか?」って。向こうには当然、彼女ができてました…。その後、その彼と新しい彼女がデパートで一緒にいるのを見てしまったんです。ドラマみたいに涙が出てきましたよ・・・。

恋愛って毎回大恋愛だと思うけど、私の場合、相手には絶対に溺れないですね。水泳みたいにずっと浮いてる。相手にも染まらないし、何にも求めない。求めるとすれば、“優しい人”っていう希望があるぐらい。経済力も求めないし、むしろお金持ちの人と結婚しても幸せになれるのかなって疑問に思うくらい。私が会った人が悪いのかもしれないけど、お金で愛が買えるって勘違いしてる人が多くて…。最低限普通の生活ができるような人ならいいかなって思います。

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