一覧に戻る

今月の放言

溺れるほどしたあの日 前田耕陽

直筆短冊

ミュージシャンや俳優として十代の頃より脚光を浴び続けている男、前田耕陽。そのスマートなルックスから一見華やかなものを想像する彼の性遍歴だが、意外にもその経験の数々は、つねに苦悩と驚きの連続であった。生真面目であるがゆえに中々越えられない、女性への壁…。男の永遠のテーマがそこにあった。

profileName

プロフィール 前田耕陽

1968年生まれ。東京都出身。1994年より第一弾がスタートした、映画『勝手にしやがれ!!』シリーズでは、人間味あふれるコミカルな役を好演。また11月には映画『想色』を単館ロードショー予定。また2005年4月よりスタートするTBS愛の劇場『うちはステップファミリー』に出演予定。

第1章 同級生に弄ばれた初体験

初めて女性と付き合ったのは中学1年。「俺と付き合わない?」って告白しました。同じ学校の子だったんですけど、「先輩が好きだから」ってその時はフラれちゃったんです。でも、その先輩が卒業してから付き合うことになったんだけど、まあ、付き合うって言っても一緒に帰るぐらい。楽しいデートをしたわけでもななく、ただ“お互い好き同士”ってだけでしたね。

初体験は高校時代の夏休みでした。相手の女の子は同級生だったんですけど、これが相当遊んでるコだったみたいで…。だって処女じゃなかったですから。おそらく当時、30歳くらいのオトコと付き合ってたんじゃないかな。もうイチからその女の子が教えてくれたって感じでしたね。

向こうは、俺がずっと好きだっていうのは知ってたんですよ。それを承知で彼女は普段学校とかでも会話はしてくれてたんだけど、なかなか進展しない日々が続いていた。ある日、彼女が「彼氏と別れちゃってどうしたらいいの!」ってうちに来たんですよ。そんなのズルいっすよねえ~?(笑) その場の雰囲気で、キスすることになって、そのままベッドに倒れてっていう感じでした(笑)。

その時は全てが初めての経験じゃないですか!? 頭の中では「そんなことするなよ」って思ってるんだけど体の方はすごく気持ちよくて…、結局1日のうちに全部経験しちゃったんですよね。相手はその時俺が初めてだってわかったみたいですけどね。その人とは結局付き合ってないんですよ。それからうまくいくかなと思ったんですけど、すぐに別の男ができたみたいでした。俺にとってあの経験はホント、衝撃的でしたねえ 。ヤり終えたときも、すぐ友達に電話しましたもん。「お先に」って感じで(笑)。やっぱり当時オトコの間では誰が一番早く経験するか、みたいなのがありましたからね(笑)。

その後は、自分なりに頑張っていたんですけど、やっぱり俺は我慢がだめで…。イキたいときにイキたいってそんなこと許されないじゃないですか。女性も喜ばせなきゃいけないわけだし。でも当時の俺にはそれが我慢できなくて。まあ、今もできてるとは言えませんけど…(笑)。要するに“早い”ってことなんですよね。それでブツブツ言われたりして。すごい傷つきましたよ。インポになっちゃうんじゃないかっていうぐらい。自分なりに努力しようと思って、それこそ濡れタオルでたたいたりしましたよ。でも「全然効かないじゃん!」みたいな(笑)。

溺れるほどしたあの日 前田耕陽01
溺れるほどしたあの日 前田耕陽02