ミュージシャンや俳優として十代の頃より脚光を浴び続けている男、前田耕陽。そのスマートなルックスから一見華やかなものを想像する彼の性遍歴だが、意外にもその経験の数々は、つねに苦悩と驚きの連続であった。生真面目であるがゆえに中々越えられない、女性への壁…。男の永遠のテーマがそこにあった。
最近はほとんどしてないですね。もちろん、この業界に入る前の若い時期とかは、ホント、好き勝手にやってたとは思うんですけど(笑)。だって健全な若い男子なら毎日そんな事しか考えてないでしょ? いやあ、今思うと「若かったなあー」って感じですね。自分が年をとったってことなんですかね。あと強いて言うなら、昔の仲間が結婚とかして落ち着いちゃったので遊び相手がいないっていうのもあるんでしょうね。とにかく、今はそこまでガツガツしてないし、いい意味で自分自身も落ち着いた感じがします。
というのも昔は、相手の女性がイこうとイクまいと「自分だけ良けりゃカンケーねーや」っていう感じに思ってました。けど、今はとにかくこのままじゃ相手を満足させてあげられないと思ってるんですよ。臆病になっている部分もあるかもしれないですね。まあ、今は特別に相手もいないですし、今となってはむやみやたらにするわけにもいかないですしね。
もちろん風俗とかも行ったことはあるんですけど、あんまり好きじゃないんですよね。その最中はすっごい気持ちいいんですけど、帰る時にすっごい空しさを感じてしまって。「そこまでしてくれるなら、俺と一緒に帰ってくれよー」って思っちゃうんですよ(笑)。俺は付き合ったら長いタイプなので、いくら“ひとときの遊び”でも、そういう愛情みたいなものも多少芽生えていると思うんです。こういうのって“独占欲”っていうんですかね…。自分でもよくわかんないですけど。
だから俺はした後に一緒に寝るのが好きなんです。裸のまんま一緒に起きて「おはよう」って言うことに、すごく幸せを感じるんですよね。“やったら終わり”とか、絶対にできないし、イヤなんですよ。俺としてはした後の余韻を楽しみたいんですよ(笑)。女のコみたいであれなんですけど「すぐに服を着るな」って言いますからね。あと、すぐにタバコを吸う女のコっているじゃないですか。ああいうのもダメ。「した後のタバコっておいしいよね」って言ってた女がいたんですけど、そいつとは二度としないって思いましたよ。