幼少時代、父親が読んでいた雑誌をむさぼり読むことで、活字への渇望と性への興味を満たしていたという歌人、作家、舞台女優というマルチな活動をこなす川上史津子。「エロねーちゃん」を公言してはばからない彼女のもつ性愛観とは? 「日本一のエロ短歌女優」をもってしても、決して31文字ではおさまらない、ディープな実体験と世界観があった。
恋愛はいい人がいれば常にしていたい。でも、年に5回しかセックスしなかった年もあるし。それはもうホントご縁だから、そういうお相手がいなければ自分で“する”し。さびしいからこの人でいいやとか、そういうのはないですね。自分がなにかしら尊敬できる人がいい。まずパワーが出ちゃってる人が好きですね。「顔が好み!」とかもあるんですけど。好みのタイプって…愛しやすいんですよ! “好み”っていうハードルをひとつクリアしてるから、なんでも許したくなっちゃうんです(笑)。また時々、ホントに自分でするよりも気持ちよくしてくれる“天才!”みたいな人がいたりして(笑)。“床惚れ”っていうかセックス面での相性がいいと、他のダメなところが、例えばお金にだらしない人なんかを切れなかったりして、「それはイケナイ!」って、わかってはいるんですけどねぇ~。
あと私は“きゅん”と来ないとだめなんです。あんまり楽しかったり、気持ちよかったりだけだと、スポーツみたいで「ア~、いい汗かいた!」で終わってしまう。例えば、するまでにいろんな困難があって、やっとそういう風な関係になって隣で寝ている彼を見て、「こんなにそばにいるのにどうして私のものにならないの!?」っていう…。“きゅん”がないと、作品にはならない。
本当にセックスの気持ちよさに気づいたのってまだ片手で数えるくらいしか無いかもしれません。「あのときの感じをもう一度」みたいなのがあって、演劇でもそうなんですけど、自分の目の前になにかキラキラしたものが降ってくるような…。そういう絶頂感をもう1度体験したいと思っているんですね。でも、同じ快感を得ようと思ってなぞるとダメ。前回と同じようにやれば必ず潮を吹けるのかっていったら違うんです。とにかくセックスでも何でも一瞬我を忘れる、飛んじゃう感じがないとおもしろくないんです(笑)。