ヘルス、ホテトル、愛人業、性感、AV…。性の名のつくあらゆる風俗業を自らの足で渡り歩き、経験。その体験を踏まえ現在は風俗関係を中心としたルポルタージュを執筆している作家、酒井あゆみ。今までの経験と職業柄からくる自称“精神的インポ”であると語る彼女。だが取材後、インポの原因はどうやら別にあることが判明した。
「さっきまで年上好きっていっててなんなんですけど、今の彼氏は10歳下なんですよ。私が買ってた男の子なんです。取りあえず自分が買われたことしかなかったので、買ってみようと思いたったのがきっかけで…。もともと得意ではなかったせいか、若い人は恥ずかしいのと、何か違和感がありますね。セックスの時のリズムも違うので、最初は新鮮というか恥ずかしかったですね。あと買われる側の気持ちもわかるだけに「こんなオバサン相手に申し訳ないなあ」って。
今は男も性を売るようになってる時代なんです。何が魅力かって、やはり後腐れがないのがいいみたいですね。女には、何のしがらみのない男とやりたいっていう願望があるんです。恋愛もして彼氏もいるけど、彼氏に対して「SMがしたい」とか「クンニを1時間して」って言えないでしょう? だったら男を買って、本当にしたいことをするっていう。女性の男性化っていうんですかねえ…。でも、それこそが一番解放的なセックスなのかなあって思いますよね。自分の性欲に対して忠実なセックス…、女性が本当に求めているものなのかなあ。
個人的にはシンプルなセックスが好きです。ちょっと前戯があってから挿入するっていう普通の流れのセックス…。ただほんとにそれで自分が満足しているのかってなると、さっきの開放的なセックスじゃないですけど、自分でもよくわかんないんですよ。悩みではありますよね。真のセックスって、いったい何なのかなあって、いつも思いますよね。
私って、好きな人とはセックスしないのが一番いいんですよ。もちろん、肌と肌を合わせないとわからない部分っていうのはあるとは思いますけど、わからないくていいやっていうことの方が多い気がするんです。さんざんヤッてきて何ですけど、セックスより何より一緒にいるときが一番楽しいですね。セックスの後になると商売根性なのか、本当に満足してくれたのかなって余計な心配事も生まれてくるし。
私、時々思うんですよ。私にとって男の役割って何なのかなあって。「女を忘れないための道具でしかないのかなあ、でもそれって男に失礼だよなあ」とか。もちろんセックスはしないでオナニーだけでも生きてはいけるんですけど、でもそれって違うよなあ…とか。これだけ自分でヤッてみたり、人から話しを聞いているのに、まだまだワカラナイことだらけですよ。
(文:オオサワ系)