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今月の放言

恋愛は切り花のように…。 室井佑月

直筆短冊

「男は顔」「バカな男はかわいそう」…。先天的な感性に加え、女性として積んできたさまざまなキャリアが生み出す彼女の発する言葉の数々は、一見どれも厚くて堅い殻をまとった、いびつなものばかり。だがそこに内包されているのは、ホットチョコレートのように甘くて温かなもの。それは驚くくらい子供らしい無垢な発想と女性らしいピュアな感覚でできていた。

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プロフィール 室井佑月

1970年生まれ。青森県出身。ミス栃木、モデル、女優、レースクイーン、銀座のホステスなどを経て、現在は小説家&エッセイストとして雑誌や新聞などで執筆。最近では母親という立場からコメンテーターやパネリストとしても活躍している。著書は『熱帯植物園』『恋のQ&A』『恋より仕事』など多数。

第2章 初体験は初潮前

思春期の頃は友達の家に行って、電気消してエッチな話で盛り上がってましたよ。「●●くんとチューした」みたいなことを告白しあったりして。私の友達は先輩と付き合っているコが結構いたので、彼女たちとも色々情報交換とかしてました。そんな中で経験を済ませたコはみんな「痛いよ~」とか言うわけですよ。

私、世の中にセックスという行為があるとか子供ができる過程であるとか、そういう仕組みを知ったのが中学校に上がってからだったんです。だって小学校の高学年の頃などは近所に住んでいるのが男のコばっかりだったので、遊び相手は専ら男のコ。サランラップの紙筒を股間にあてて一緒に立ちションとかしたり、あと夏に川とかに遊びに行っても水着とか着ないでパンツ一丁で泳ぐみたいなコでしたから(笑)。

そんな感じだったので、もうそれがすごい衝撃で。将来赤ちゃんを産むのにそんな恐ろしいことをしなきゃならないなら、とにかくさっさと済ませちゃいたいと思っちゃったんですよ。結局まだ生理もきていない14歳の頃に初体験を済ませちゃいました。

初体験のときはやっぱり痛かったですね。もう、痛いなんていうもんじゃなかったです、死ぬかと思いましたもん。ほんと、「セックスってこれでいいのか?」「何か間違ってるんじゃないか?」って思うくらい痛かったですもん(笑)。

初恋も初体験と同じ人で14歳。最初の人から学んだのが男女にはセックスがあるということ。あとそうすることによって、性病まで発生する可能性もあるっていうことも事前に学んでましたからね。それくらい、ものすごくセックスを恐れていたんです。

だからそういう性病にすごい怯えてましたね。だから、初体験の相手は大人の医者を選びました。ずっと兄と妹みたいな感じでしたが、酔っぱらった時に一度やっちゃったんです。その人とは17歳になってからきちんとお付き合いことになったのですが、酔っぱらってやった1回はなかったことになってるみたいで(笑)。まずいですよね、中学生とやってしまったら。

とにかく私は大げさなんです。出産のときも病院にいながら「救急車を呼んでくれ~!」って叫んでたくらい(笑)。人生で初めてのことが起こるっていうんで、もうパニック状態。あと自分でも憶えてないんですけど、前髪をいじっていたら無意識にむしっちゃってましたね、ストレスで。かなり抜け落ちちゃって、一時期は大変でした(笑)。髪を前におろしてムリヤリ隠してたくらいですから。

恋愛は切り花のように…。 室井佑月03
恋愛は切り花のように…。 室井佑月04